○ 専門職 specialist, professionals
→醫師 kuracist, medical practitioners
→産婆・看護婦・獸醫・藥劑師 paramedicinar, paramedicals
→公證人・代書人・測量師 parajurar, legal advisors or engineer
→新聞編集人（兼印刷業） jurnalist, journalist
→諸藝指南 instruist, instructer
→探偵 detekutiv, detective
醫師（醫學士）
助醫（内科修業中の醫學得業士）
看護婦長
外来係看護婦
病室係看護婦
夜勤看護婦
見習看護婦
女料理人、下働
馭者、馬丁
《全科醫》 kuracist, general practitioner
各小區に開業しています。醫學専門學校を卒業した「全科醫」で、何でも診てくれます。農作業で怪我をする村人が多いので、たいてい外科が得意ですが、瀉血や下劑もかけます。馬に乗って往診に小區の中を驅け巡ります。少し難しい病氣や怪我になると、より知識の深い内科醫や外科醫を紹介してくれます。自らを謙遜して「田舎醫者」と呼びますが、住民からはたいへん頼りにされています。夜中も急患の往診に起出さなければならないので、忙しい暮らしを長年續けて隠退した途端に早死にしてしまう人が多く、これを醫者の不養生と云います。
収入は、患者が一日１２人位あり、診察料が５０銭なので、看護婦と馬丁の給金・馬飼料・家賃・地代・電話基本料・衛生材料の諸掛を差引くと、月８７圓くらいの實収となり、ちょうど陸軍中佐の俸給並です。
醫師（醫學得業士）
看護婦
看護婦見習
馬丁
《外科醫》 chirurgist, surgeon
全科醫の手に負えない怪我人を引受け、手の込んだ手術を請負います。手術室と病室があり、入院ができます。田舎では案外に怪我人が多く、農具で手足に切傷が出来ただの、落馬しただの、荷車にぶつかっただの、牛に踏みつけられただの、樹から落ちただの、蛇や狼に齧られただの、いろいろな事故が起きます。護郷軍の軍醫や學校醫も兼ねています。
醫師（醫學得業士）
助醫（手術助手）
看護婦長
外来係看護婦
病室係看護婦
夜勤看護婦
見習看護婦
女料理人、下働
馭者、馬丁
《眼科醫》 okulist, oculist
村に１人います。田舎は埃っぽいので、目の炎症が案外に多いのですが、農作業で目を傷つけた患者が擔ぎこまれることがあり、應急手當の後、町の専門醫に急送します。眼鏡による視力矯正の面倒もみてくれます。患者は検眼處方箋をもらって町の眼鏡屋にいきます。
眼科醫（眼科醫學得業士）
看護婦
見習看護婦
馭者、馬丁
《耳鼻科醫》 otorinolaringologist, ear nose throat specialist
村に１人います。内科外科が扱えない微妙な部位を専門とします。喉鼻の詰り、耳の爛れ、難聴のほか、脳膜炎など頭部も診ます。簡單な手術もできますが、込み入ったものは町の専門醫に紹介してくれます。また補聴器や呼吸補助器具の面倒もみます。
耳鼻科醫（耳鼻咽喉科醫學得業士）
外来係看護婦
病室係看護婦
夜勤看護婦
見習看護婦
女料理人、下働
馭者、馬丁
《齒科醫》 dentist, dentist
村に１人います。レミニア人は齒が丈夫なので、蟲歯は多くありません。貧乏で砂糖を食べないからです。むしろ老人の入歯の面倒や、歯並の悪い子供の治療で忙しく働きます。入歯の細工は町の齒科技工がします。
歯科醫（齒科醫學得業士）
看護婦
看護婦見習
馬丁
《産婆》 akushistin, midwife
赤ん坊を産む時に、夜中でもなんでも驅けつけて手助けをしてくれます。俗に「とりあげばばあ」とも云います。村では、週に４〜５人の赤子が生まれるので、小區に１人が開業しています。たいていは農家の主婦で産婆免許を持つ人が兼業します。
《顧問看護婦》 flegist konsultant, consultant nurse
村には必ず看護得業士（高等看護學校研究科卒業者）が１人いて、他の看護婦の相談役となり、また見習看護婦を集めて資格取得のための講習會を主宰します。自ら講師となるほか、村の醫師や藥劑師・産婆などを講師として招聘します。見習看護婦はこの講習を修了しなければ資格試験を受けられません。
看護婦の派遣を切盛りする元締めでもあります。村の國教會から折々の派遣要請を受けるほか、縣警察部の防疫部署の指示を受け村民の健康調査・檢診などもします。
顧問看護婦（看護得業士）
見習看護婦
《免許看護婦》 flegist licenciad, licenced nurse
自營の訪問看護婦で、重病人の看護に出張してきてくれます。泊り込みも可です。看護得業士の資格を持っている必要があり、顧問看護婦の事務所に登録して開業します。見習看護婦を雇い入れ助手として使いますが、その教育も行い、奨学生を都會の看護學校に送り込む時の推薦状作成に大きな権限を持ちます。小區ごとに２名、供用地に１名、村全体で計２１名が開業しています。村の醫師も看護婦がいないと何もできません。
免許看護婦（看護得業士）
見習看護婦
《獸醫》 veterinarist, veterinary
家畜の怪我や病氣を治療します。また村の嘱託として、屠殺・去勢・交配・防疫についての面倒を見ます。農村では需要が多く、１村につき２人程度が開業、繁盛しています。たいていは護郷軍の獸醫も兼ねます。
獸醫（獸醫得業士）
助手３
給仕、馬丁
《藥劑師》 apotekarist, apothecary
村には２軒ていどの藥局があります。醫師や獸醫は處方を出すだけで、自分では藥を賣らないので、村人はみな處方箋を持って藥局にきます。藥の効目や副作用について教えてくれます。衛生器具や化學材料も扱います。
もとは錬金術師(chemist)と呼ばれており、古代より中世にかけて魔法使の類として畏敬されておりましたが、近世に至り化學技師(chemist)と調劑師（apotekarist)に分岐して、後者が衛生材料を扱うようになりました。醫藥品ばかりではなく、化學藥品や器具を賈っているのは中世以来の名残です。
藥劑師（調劑得業士）
助手 → top
《公證人》 notari publik, notary public
證文を作ってくれます。そして證文の内容と有効日付が確かなものであると云ふ公の認證をします。手數料は扱う金額の５％です。遺言・相續、結婚（とりわけ持参金）・不動産取引・雇用・信託などの契約、出生・税金・免許申請・登記といった役所への面倒な届、會社定款まで、凡そありとあらゆる證文を調製します。法律専門學校の卒業生なので、身近な法律相談にものってくれ、必要とあらば訴訟を始めるよう町の代訴人を紹介します。公證人になるには試驗はありませんが、公證人の書記を長年勤めて筆頭書記まで進級した實績が必要です。さらに國が法律で定めた人數制限があって、その株（開業の権利）を隠退する公證人から大金を出して買取らなければなりません。事務所は公證人役場と稱します。
公證人（法律得業士）
筆頭書記
書記（會計係）
書記（書式係）
印字手、見習
《代書人》skribist publik, publc scriber
書類や手紙を代りに書いてくれます。役所に出す書類から戀文まで、型通りの文章ですが、注文を良く理解して應用が利きます。外國語や古典語も出来ます。文章が苦手な人や、忙しくて手紙も書けない人、もともと讀み書きができない人が注文しにきますが、この他に速記や原稿浄書も請負います。また役場に出す申請書は、ややこしい書式が決っているので、大抵の人は代書屋で作ってもらいます。公證人役場や村役場の下請もしていて、なかなか忙しく繁盛します。代書人になるには別に資格は要りませんが、代書人組合の株があって、たいてい裁判所や公證人役場の書記を退職した人が、それを買い必要な人を雇って開業します。元手は雇人の給金に紙とインクだけなので、なかなか良い商賣です。
代書人
書記
速記者兼書記
印字手、給仕
《測量師》mezuradist, surveyer
土地の測量を請負います。圖面も作ります。土地建物の取引や相續に際して證書を作るのに正確な面積を書かなくてはならないので、主に公證人役場から測量の注文が来ます。工業學校の土木科を卒業していれば成れますが、測量師組合が村に１人と決めていますから（邊境や奥地では２人いることもある）、その株を隠退する測量師から買取って開業することになります。空席が無ければ測量士の助手となって修業することになります。小作契約や相續は就中あるので、そこそこの商賣です。
測量師
助手
給仕兼厩夫兼助手 → top
《新聞編集人兼印刷屋》 novajist k presist, advertiser & printer
印刷が本業ですが、地方新聞社の駐在通信員と新聞販賈店主を兼ね、また廣告を載せるための村新聞を自力で編集・配布します。編集人は筆の立つ文化人です。新聞は第一面が消息欄で、第二面が商業廣告欄です。誕生・結婚・相續・死亡、入學・卒業・資格取得、入營・退營・召集・叙勲・戰死傷、式祭典、借地や不動産の異動、工事・普請など、村の生活と人事にかかわる廣告を詰込んであります。廣告は総て有料ですが、そう高くはありません。村民はたくさんの通知ハガキを書くより、廣告をしてもらうほうが樂で體裁もいいので、たいていの冠婚葬祭に利用します。
もう少しお金を拂うと、町や市の地方新聞に廣告を轉載できます。領主や地主階級は記事配信社に高額の廣告料を拂って、全國紙に廣告を載せるようにします。知人が全國に散在しているからです。
資金のある編集人は記事配信社からニュース・漫畫・連載小説の原稿を買って、轉載することもあります。
また新聞配達店として、全國紙・地方紙と、自分の村新聞の豫約販賈を扱います。各小區に配達請負人がいて、臨時雇の子供を使い朝晩、新聞を配ります。全國紙を購読するのは、社交界や官政界にかかわりを持つ限られた階層です。
この他に印刷の請負もしますので、なかなか商賈になります。印刷職人を雇って、活字棚と印刷・製本器械をそろえ、小學校の文集や卒業記念アルバム、村役場の用紙・文書その他、印刷物なら何でも作ります。
社主兼主筆
記者兼廣告主任、見習記者
印刷職人、徒弟
販賣主任、配達請負人、子供（配達） → top
《社交舞踏教師》 danc instruist, dance teacher
中流以上の階層には缺かせない社交舞踏を教えます。また舞踏會の司會を請負います。村には必ず１人いて、社交界シーズンになると、出稽古で大忙しです。舞踏専門學校卒業の得業士と雖も古くからの流派に属して徒弟修業の後、同業組合の開業免状が貰える仕組なので、なかなか狭き門です。
舞踏教師
助手
《音樂教師》 muzik instruist, music teacher
音樂の出稽古をします。地主階層以上の女子にとって音樂は社交上必須の教養です。町の樂團の一員でもあります。大抵はピアノやオルガンなど鍵盤樂器の練習を請負いますが、バイオリンなど弦樂器も最近は人氣です。この職にありつくのが音樂學校卒業の得業士である理由は、富裕な家庭の子女に音樂と共に社交儀禮を教える事ができるのは教師自身が中流階級出身でなければならないからです。軍樂隊出身の樂師には誰も教師を頼みにきません。このような處に階級社會の断面が覗いています。
音樂教師（音樂得業士）
助手
《劔術教師》 skerm instruist, fencing master
劔術の出稽古をします。地主階層以上の男子にとって劔術は必須の教養です。劒術と共に騎士に必要な儀禮も教えるので、誰にでも成れるというものではありません。警察の道場や護郷軍にも師範の口がありますが、こちらは實戰重視で少し趣が違い、村の劒術教師とは別物と見られています。武術専門學校卒業の得業士と雖も流派に属して修業し開業免状を貰わないとこの職にありつけません。
劔術教師
助手
厩夫
領主の館での授業
こんな機會も
女性の生徒には女性教師も
道場を持っている人が多い
騎兵刀の練習
《馬術教師》raydart instruist, raiding master
馬術の出稽古をします。劔術と同様に乗馬も古来、地主階層以上の男子にとって必須の教養です。女子も乗馬の稽古をします。これはつい最近まで危急の際に素早く移動する必要があったからです。やはり馬上での禮儀作法も教えるので、誰にでもできる職ではありません。
馬術教師
助手
厩夫２
《調馬師》chevaldresist, horse trainer
馬の訓練を請負います。乗りやすく訓練された馬を供給します。乗馬と馬車が交通の主な手段なので需要は多く、なかなか忙しい商賣です。乗馬部隊の退役下士が多くいます。
調教師
助手
厩夫長
厩夫５
《警護探偵》 detektiv garda, guard detective
個人の身邊警護や防犯監視を請負います。退役軍人や退職官吏には植民地で悪行を重ねた人もいるので、復讐の手が伸びてくるのを抑えるために警護を頼む場合が多くあります。また護郷軍の警備だけでは物足りない時や、知能犯対策にも需要があり、なかなか繁盛します。あまり例はありませんが、私的な犯罪捜査や身元・素行調査の依頼も受けます。身邊の犯罪は警察や憲兵に訴える前に身内で解決する傾向があるからです。更に同盟怠業破りの密偵として有能な秘密探偵もおり、逃亡未決囚を捕縛する賞金稼ぎ専門もいます。
警護探偵
助手
秘書、給仕 → top