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先住民 awtokton

古代レミニア族が大陸を南下して海岸に到達し現在の諸國家を築きましたが、それ以前から住んでいた土民のうち幸運にも生延びた種族は未だに獨自の文化を保持して聨合共和國の一員として暮らして居ります。


【東部】
レミニア族が大陸を南下して最初に築いたメダルスカルト帝國の版圖に先住していた有力民族は半農半獵の生活を送っていたが、メダルスカルト帝國軍の度重なる征服戰争を經てアルジェントリア平野から驅逐され東部の山嶽および南部の海岸に居住していた。メダルスカルト帝國を滅ぼした蝗族の襲来により相當數の住民が奴隷狩に遭い人口は減少したが、これに屈せず度々小叛亂を起していた。蝗族の退去後、この地を占領した東方帝國は民族自決主義をとったので、諸族は獨自の文化を保ち東方帝國衰退後、聨合しアルジェントリア自由國として獨立したが、レミニア共和國に吸収され、その中央集権體制に組込まれた。新体制に馴染まない部族による小叛亂が幾度が勃發したが、その都度強力な新兵器を持つ共和國陸軍により制壓された。

オムプ族 tribus ohmpu マルボルドリエンタ縣ツインドルルブ郡 12萬人

大陸を南下してきたレミニア族が最初に遭遇した文明國を構成する民族。
小規模な交戰の後、レミニア軍に數で劣る事を悟った賢明なオムプ國王は早々に講和条約を結びメダルスカルト帝國の属州となった。土木建築に優れ、廣壮な競技場や高層城塞を築き、また華麗な服飾文化を以てレミニア族に大きな文化的影響を與えた。蝗族襲来時にはメダルスカルト帝國より離叛し武装中立を宣言、地理的に蝗族の行軍路を遠く外れていた為、事なきを得、蝗族退去後は東方帝國の占領に遭い再び属國の地位に轉落し、東方帝國太守の統治下にあって半獨立國家として存續した。東方帝國が北方帝國に征服され消滅した時には、アルジェントリア自由國の構成員として東方帝國の軛から解放されたが、レミニア人勢力の強かった當該共和國は程なくレミニア共和國に併合となった。
性質は淡泊で頭脳明晰、獨特の文字を使用するオムプ語による絹布に記された神話集が遺されており、博物局文化史部に保管されれいる。天體を能く觀測し車馬技術に秀で華麗な絹織物を製産して服飾美を競う文明の發達した民族。
肌色白く高軀長で、美男美女の産地として知られる。此の為東方帝國占領時代には多くの住民が奴隷として賣られ人口は著しく減少した。

マウマウ族 tribus maumau アルジェント縣ボワニー郡 9萬9千人

南下してきたレミニア族がアルジェントリア平野から驅逐した民族。
武力に秀で侮りがたい。レミニア軍は數度の交戰の挙句漸く此れを東部山嶽地帯に押しやり建國を果たしたが、マウマウ諸族は度々平野部に滲透してくる為、大規模な遠征軍を送る事數えきれず遂に完全に掃討するに至らなかった。メダルスカルト帝國を滅亡させた蝗族もマウマウ族には手を焼き、其のアルジェントリアからの撤退もマウマウ族の抵抗が一因であったとされている。東方帝國の占領下にあっても東部山嶽地帯は蠻地として放置され遂に此れを服属させる事が出来なかった。東方帝國派遣のマウマウ地方官吏及在留民が悉く虐殺された大蜂起事件は有名である。東方帝國から獨立したアルジェントリア自由國の一部に編入され自治が認められたが、レミニア共和國に合併後は半獨立地帯として縣知事の威令も半ば届かず現在に至っている。
性質は獰猛、剛毅。狩獵に優れ自然との交信を尊重する。部族氏族に細分化して暮し各々縄張を設け互いに干渉をしないが、部族聯合による軍團を編成して外敵に立向い此れを撃破する事錚々である。男子は弓槍に優れ女子は勤勉に農耕採集に励む。
肌色黒く體格頑丈にして巨大。驚異的な走力を備え耐久力は他族に比べ抜群、此の為東方帝國占領下には傭兵募集に應ずる者が多かった。
聨合共和國に於けるマウマウ村領主マウマウ準男爵位は世襲ではなくマウマウ部族聯合體の首長が交代で就任する特殊な形態となっている。

カーキ族 tribus kahki アルジェント縣オクツイデント郡カーキ村 1萬2千人

南下してきたレミニア族に臣従した土着民。
アルジェントリア平野にあってマウマウ族と對抗していたが少數であった為劣勢であった。南下して来たレミニア族と同盟してマウマウ族驅逐に貢献し尊敬を以てメダルスカルト帝國に組入れられた。古来よりの生活慣習を保ち續け東方帝國、アルジェントリア自由國、レミニア共和國、レミニア聨合共和國と政體の變遷を經る中を民族の誇りを喪わずに居る。
性質は俊敏にして精悍、勤勉。農耕生活を主とし母系大家族を營む。
肌色淺黒く中背。
聨合共和國に於けるカーキ村領主カーキ男爵位は世襲ではなくカーキ氏族聯合體の首長が交代で就任する特殊な形態となっている。

アント族 tribus ant チエラルカ縣アクヴェンダン郡アント族保留地 1萬1千人

大陸南チェラルカ海岸に分布する先住民族。
その多くは武装して水賣商人組合に所属している。名稱とは裏腹に隊商の護衛、山賊、海賊、傭兵、密輸などを生業としてきた。
性質は奸佞、精悍。遊牧漁撈生活を營む傍ら交易に従事、秘密裡に非合法事業に加擔。
肌色淺黒く高背。

ベルベル族 tribus berber グランポンド縣ベルベル郡 12萬8千人

グランポンド湖周邊の先住民族。
南下レミニア人のメダルスカルト帝國の勢力は此處までは及ばず、襲来した蝗族も高地と密林に覆われた湖畔地帯には興味を示さなかった為、後に一帯を領有した東方帝國に形式的な臣従を行った丈で獨立状態を保持して来た。東方帝國から獨立したアルジェントリア自由國の構成員として参加するも依然として政府の威令は届かず、為政者がレミニア共和國となるに及んで漸く地方制度整い、今次1929-30年戰争では北帝國占領軍に抵抗して遊撃戰を展開し活躍、戰後大規模な軍隊の駐屯地として俄に繁榮を享受する處となった。
性質は忍耐強く敏捷。淡水魚、高原農業、林業を生業とする。
肌色淺黒く中背。

ワン族 tribus wan ソヴァジランド縣ワン郡・ヒアワサ郡 17萬8千人

曾てソヴァジランド平原及周邊山嶽部に分布していたシアンチイ諸部族の總稱。ワン、チン、イン、チアオ、フェイ、マ、シアン、フの部族があり、狩獵採集を生業とし、緩い聯合體を形成していた。邊境にあった為メダルスカルト帝國、東方帝國、アルジェントリア自由國の支配を受けず獨立を享受していたが、レミニア共和國時代に至り王國領域内にソヴァジランド縣が設置され其の支配に抵抗せんと諸部族聯合軍を編成し領域内に侵入した開拓民を排除した為に共和國陸軍の大規模な討伐を受け壊滅、住民は四散。政府の保護下に辛うじて居留地にて露命を繋ぎ、後に底邊の農業勞動者として生活するに及ぶ。
性質は自他共に其の自由を尊重し気儘にして精悍。乗馬弓矢に長じ隠密行動を得意とする。
肌色赤銅色にて高背。一見鷲に似る風貌。

フォルミクニグル族 tribus formiknigl ソヴァジランド縣ノルダルテイヨ郡フォルミクニグル村 1万1千人

ソヴァジランド平原北部の丘陵地帯に居住する先住民族。チエラルカ縣のアント族と同類。東方帝國時代に討伐軍を差向けられたが屈服せず、アルジェントリア自由國となってその構成員として参加。レミニア共和國時代には國境守備隊が駐屯した。今次1929-30年戰争に於いて北帝國軍占領地となり、遊撃戦加擔の廉による住民大虐殺事件が起き人口は減少した。
性質は勤勉、實直、寡黙。古来、穴居生活を營み丘陵地帯の地下には迷路の如き街路と巨大な貯蔵庫が存在する。
肌色黒く中背。


【深南部】

ヒドラ族 tribus hidra デーモン縣南デーモン郡ヒドラ村 1萬1千人

古代より沼澤地帯に於いて漁撈を生業とした先住民族。入植して来た騎士團も沼澤は治外法權地帯と看做し附かず離れずの友好關係を結んで今日に至る。
性質は柔軟、寡黙。
肌色黄土色にして高背細身、遊泳に秀で、筏上に小屋を葺き水上生活を送る。餘り陸上生活者と接触が無い為、神秘的な印象が強く、呪術を操るとの噂も絶えない。水蛇神を信仰。

エプーム族 tribus epum デーモン縣北デーモン郡エプーム村 1万1千人

古代より現地諸種族を支配しデーモン峡谷地帯に王國を築いてゐたが、中世に入植してきた騎士團と熾烈な戰争を繰返した挙句滅亡する。残存民は奴隷として賣られ人口は激減した。入植自由農民の農奴として生き長らえた者の子孫が團結して奥地を開拓し共同生活を始めたのが現在のエプーム村である。
性質は敏捷、輕快。崖上に高塔を築いて居住するのを好む。
肌色は白く容姿に優れるが短軀。飛行士の適性があり、聨合共和國飛行軍の操縦士に占めるエプーム族の割合は非常に高い。

ルボーム族 tribus rubohm デーモン縣北デーモン郡ルボーム村 1萬4千人

古代よりデーモン峡谷河岸地帯に住着いていたが、エプーム族の支配下にあって奴隷階級として酷使されてゐた。中世に至り騎士團が入植し、エプーム族の王國が崩壊した際に略取され奴隷として賣られた為人口は激減し残存したのは高度な技術を持つ職人だけであった。
性質は朴訥、忍耐強く耐久力抜群。岩山や崖下にて穴居生活を送り、陶藝に優れた才能を有する。
肌色は白く短軀、變装や物真似に長けている。

オーム族 tribus ohm デーモン縣北デーモン郡ヤークトーム村 1萬2千人

古代よりエプーム族の支配下にあった種族。畜産に従事し食糧を供給していゐた。中世に至り騎士團が入植したが、故無く迫害の對象となり度々大量虐殺に遭い人口が激減した。
性質は朴訥。
肌色は黒。低背、稍鈍重。

アメイゼ族 tibus ameyze グリュンバルト縣ローゼンベルク郡アメイゼ族居留地 1萬1千5百人

デーモン峡谷とグリュンヴァルト密林地帯の中間に位置するゴルトフィッシュ湖畔に定住していた先住民。入植したローゼンベルク騎士團により討伐され人口が激減した。
性質は剽悍、寡黙。
肌色は淡黄。低背。

パーグラ族 tribus pagra ティエルライヒ縣ピアストル郡パーグラ族居留地 1萬1千人

蝗族の襲来より逃れて西方に亡命して来たメダルスカルト帝國の残黨が獅子王國を築こうとした時これを妨碍した原住民の部族のひとつ。長い戰の後、平原地帯から驅逐され、残黨は北部の密林地帯グリュンバルトへ逃れ自治區を形成している。
肌は暗褐色。巨體腕力強大なれど鈍重。

ビーゾ族 tribus bizo ティエルライヒ縣ピアストル郡ビーゾ族居留地 1萬1千人

パーグラ族の支族。

コンコブランカ族 tribus konkoblanka ティエルライヒ縣オズ郡コンコブランカ族居留地 1萬1千5百人
廣く深南部高原にて遊牧生活をゐ營んでゐたがメダルスカルト帝國残黨の侵入により驅逐された。
肌色は明るく敏捷、體力は劣るが頭脳明晰。

コンコニグラ族 tribus konkonigla ティエルライヒ縣オズ郡コンコブランカ族居留地 1萬1千人

廣く深南部高原にて遊牧生活をゐ營んでゐたがメダルスカルト帝國残黨の侵入により驅逐された。
肌色は黒色。獰猛頑健。


【南部】

ハナフウーダン族 tribus hanafuudan ハナフウーダン縣 混血同化の為人口把握不能

大陸南部レミニア地方に廣く居住していたが北帝國オスタリーチ總督府より派遣された軍團支隊によりレミニア平野より驅逐され隣接のハナフウーダン平野に西遷した。レミニアにラトニア王國が建設されるや其の遠征軍團によってハナフウーダンが占領され住民は奴隷や農奴となってレミニア文化に同化した。
肌色は明るく、低背にして東洋風の顔貌であるが、混血が進み殆どレミニア人と區別がつかず傳来の文化も喪われてゐる。

トラプ族 tribus torap ハナフウーダン縣トラプニア郡 9萬8千人

ハナフウーダン平野に廣く居住していたがレミニア平野から侵入して来たラトニア王國遠征軍團により征服され住民は奴隷や農奴となってレミニア文化に同化した。
肌色は明色、長身頑健である。混血が進み殆どレミニア人と區別がつかないが獨特の服飾文化を持ち先祖傳来の山間信仰を維持してゐる。

カルト族 tribus kart ハナフウーダン縣カルタニア郡 4萬1千人

古代よりハナフウーダン北部にかけてワ王國を築いていたが、レミニア平野から侵入して来たラトニア王國軍に平野部の版圖を占領され已む無く山間部へ退き徐々に衰退の道を辿り度重なるレミニアよりの遠征軍の討伐によって遂に属領となるに至った。獨特の風雅な文化を營んでいたが遺構は殆ど喪われてゐる。
躯體特徴はハナフウーダン族と同じであるが、餘り混血は進んで居らず、古来よりの獨特の生活文化を墨守している。

フローラ族 tribus flora ハナフウーダン縣フローラ郡 23萬3千人

古代よりハナフウーダン西部の山嶽地帯に居住していた。レミニアの遠征軍が容易に侵入できない峻險な地の利を生かして長らく自治を保ってきたが、ココ王朝時代に臣從した。
躯體特徴はハナフウーダン族と同じであるが、餘り混血は進んで居らず、古来よりの獨特の生活文化を墨守している。

フォルミーコ族 tribus formiko オスタリーチ縣オスタリーチ郡フォルミーコ族居留地 1萬2千人

古代より人跡未踏のオスタリーチ高原に居住していた遊牧民。北帝國オスタリーチ總督府とは友好關係を保ち軍團の遊撃兵として活躍。獨特の文化を墨守し現在に至る。
肌は褐黒色、頑健敏捷。


【北部】

インク族 tribus ink インク縣グロリア郡 26萬5千人

古代より太陽神を崇拝する高度な文明國家を築き繁榮していたが中世に於いて北帝國遠征軍により征服され崩壊、住民は悉く奴隷とされ四散、子孫は限定された區域で誇りを失わずに傳統を守り續けてきたが、巨大なピラミッド神殿を守護する僧侶團は州知事と事ある毎に對立し、叛亂を恐れた統治者により度々彈壓を蒙った。其の為北帝國の中でも最貧州であり傭兵應募や出稼勞動により辛うじて糊口を凌ぐ有様であった。獨特の習俗の為同化が遅れ餘り混血は進んでいない。舊インク帝王の主宰する儀式が傳説として残ってゐる。太陽神に捧げる生贄の心臓は毎年の豊穣祈願に不可缺であった。生贄には戰争捕虜や邊境の蛮族が充てられた。
肌は褐色、頑健強壮。


【北西部】

トメニア族 tribus tomenia トメニア縣ラザネイヨ郡土人居留地 3萬8千5百人

トメニア平原に散住していた蠻族。餘り開化の度が進んでゐない為、強制移住により居留地に隔離され僅かな自治權限に拠って獨特の文化を營んでいる。
肌は褐色、頑健強壮、インク族と同種族で何等かの理由で故郷を離れた流浪民の末裔ではないかと推測される。


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