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將校の階級を解説します。

→准士官
→尉官(士官)
→佐官(上長官)
→将官

★★準士官の階級★★tabl de rankoy por vicoficir, table of ranks for warrant officers

士官學校を出ていなくとも、なれる將校


特務曹長 unua serghent, first sergeant (or) sergeant major
少尉補 kvara lewtenant, 4th lieutenant(warrant officer 3rd class)
准尉 tria lewtenant, 3rd lieutenant(warrant officer 2nd class)     →戻る
凡例: 階級名には原語表記を付す。次に英語譯(なるべく原語の意味を傳える語)を加えた。

特務曹長は、中隊の給養掛曹長から選ばれます。中隊事務室の奥の窓を背に、いつも机に座って書類に書込みをしています。たまに歩いているのを見ると、すっかり將校の格好をしていて、晝食も將校集會所(將校クラブ)でとります。將校と下士卒のあいだを取持つ役目があり、下士集會所(下士クラブ)の會食にも参加します。若い中尉や少尉の家計のやりくり算段や、下宿の世話などをしてやります。陸軍はこうして下士の最古参者を士官に準じて扱います(準士官待遇)。どこが違うかと云いますと、兵隊の敬禮の仕方から違います。營門(部隊の正門)に特務曹長がさしかかると、衛兵所に座って待機している衛兵(門番)どもが、いっせいに立上がって、敬禮します。曹長の時は、立番をしている衛兵一人が捧銃(ささげつつ)をしただけでした。特務曹長になると決まると、今までの軍服、曹長剣、長靴などいっさいを被服庫、兵器庫に返します。そのかわりに身の回りを整えるための支度金が出ます。そのお金で仕立屋で軍服を誂え、靴屋で長靴を造ってもらい、刀剱商から軍刀をしつらえ、銃砲店で拳銃を買うのです。眼鏡屋に云って、双眼鏡も買わなければなりません。將校の持ち物は、みんな自前なのです。良い品を揃えると、だいぶ持ち出しになります。自分で布地を選んで軍服を造るのだから、下士官兵卒どもとは、服の色が微妙に違います。だいたいは都會や大衛戍地に将校倶樂部と云う共濟組合みたいなものがあり、そこの賣店で割安で入手できるので、そちらを利用します。
特務曹長といえば、中隊の人事掛と決まっています。レミニア軍では、英米系の軍隊のように、聯隊特務曹長(regimental sergeant major)といった、部隊の全ての下士の總元締をする職務はありません。ただ中隊の下士卒の元締をするだけです。人事掛は、中隊の下士卒の仕事の割り振りをつけ、成績を記録し、休暇・外出の許可を与え、身の上相談までします。上等兵になれるかどうか、下士志願を受付るかどうか、誰を炊事當番のじゃがいも皮剥作業に出すか、誰を今夜の不寝番(寝ずの番)につけるか、誰を喇叭卒にするか、などは、みんな、ひとえに、この特務曹長が決めてしまいます。中隊長は特務曹長に任せきりです。あまり將校は兵隊どものことには、こまかく口出しをしないのです。兵隊どもには、煙たい存在です。あだ名は「親爺(mastro)」「トク(unu)」です。戰闘になると、中隊指揮班長として、中隊長の作戦指揮を手助けします。經驗の浅い中隊長は、ともすれば、老練な特務曹長に相談しなければ、何もできなくなってしまうことがあります。
定年が40歳なので、古手の特務曹長は、准尉に進級して軍隊に残るか、はたして残れるのか、はたまた軍人を辞めて民間に出て新しい仕事に挑戦してみるか(現役を退いた特務曹長には煙草屋兼切手賣捌所營業特許が與えられるので、その親爺になる人が多い)、決めなくてはなりません。
戰時編成では中隊指揮班長として中隊本部を取仕切ります。

官等: 判任十四等官
相當: 海軍上等兵曹、筆頭書記、技手、警部補、大学高等専門學校助手、職人頭、小農場主、従者
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○特務曹長のうち優秀者は准尉に進級します。定年は中尉と同じ48歳ですから、もう少し長く軍隊で勤めることになります。成績の悪い人は、准尉になれず、除隊して民間人となります。軍隊が厭(いや)になった人も、さっさと民間に出てしまいます。
准尉は中隊の所属ですが、普段は中隊にはおらず部隊本部でさまざまな係の主任として事務に從事するのが普通です。年寄りなので、新兵の訓練など過激な運動はできず、中隊の事務は特務曹長が仕切っていて口出ができません。中隊将校室にも机がありますが大抵の居場所は部隊本部の事務机です。助手に上等兵がつきます。係によって忙しさは違います。
戰時編成では重歩兵(重火器)小隊長として、重機関銃、擲弾筒、對装甲兵器などの指揮を執ります。もっとも重火器は各小隊に分属されることが多いので、准尉は專ら觀測や彈藥補給を指揮します。
階級表では少尉の下になっていますけれど、准尉の俸給は中少尉よりも高く、大尉より少し少ないくらいです。實際の部隊内では下士官から特別進級してきた少尉と云う意味あいで、士官學校出の本物の少尉と同等ないし、それより格上に扱われます。口の利き方も、少尉准尉に対して敬語を使います。准尉は最後には、いきなり中尉に進級します。少尉を飛び越してしまうのが、面白いところです。(レミニア軍獨特の進級制度で、老練な人材を無駄にせずに戰力とするための工夫)
戰闘で勲章を貰った准尉あがりの中尉は、功績により大尉に進級することがあります。そこで手柄をたてれば、さらに少佐までいきます。それ以上に進めないことは、ありませんが、中佐への進級の順番を待っているうちに、52歳の定年になってしまいます。しかし戰闘が續けざまに起こって、いっぱい勲章を貰うと、進級の順番が繰上がって、定年前に中佐大佐に進級することが稀にはあります。

官等: 判任十二等官
相當: 海軍兵曹長、係長、技手、警部補、輔祭補、大學高等専門學校助教授、職人頭、小農場主
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○少尉補:  豫備役の志願将校で、職業軍人ではありません。平時の兵營では餘り見かけません。居たとしても新兵器や新戰術の教育のために短期間召集されてきたか、貴族・地主・資産家の子弟が修業のために軍隊生活を體驗しに来たか、のどちらかです。
中等以上の學校(實業學校、實科學校、中學校、高等學校、高等實業學校・専門學校、大學)、師範學校を卒業している兵卒は、徴兵檢査に合格して入營することになったら、「一年志願兵」になることができます。これになると、1年兵隊勤めをするだけで除隊できます。2年も兵隊暮らしをする必要がありません。内務班も特別に1年志願兵ばかり集めた班で、軍服も良い品を支給され、鬼軍曹の態度も比較的もの柔らかです。その代り食費、被服・装具・彈藥代、兵器修繕費など入隊中の經費はいっさい自瓣(自分で費用を拂う)です。日本の今のお金だと五百万円くらいです。親が金持でないと、なれません。
師範學校卒業者は經費を國が出してくれます。なので小學校の先生で徴兵檢査に合格して入營した人は全員が少尉補になれます。 1年たつと、除隊の時に豫備役伍長になります。よほど成績が悪くなければ、ほとんどの者が將校適任證を貰い、希望すれば、夏の長期休暇や冬の農閑期に再び部隊に戻って、速成の將校教育を受けます。この時、豫備役軍曹に進級します。終了すれば、豫備役曹長となります。さらに部隊で2ヶ月の見習士官勤務をすれば、豫備役少尉補になります。これも費用は自瓣なので、貴族や地主、大商人の息子などが社交界で將校の服を着て令嬢にもてようと思って、少尉補の資格をとるのです。少尉補の肩章をつけていると、家柄が良く、金持で、身体も丈夫で、頭もそこそこで、という證明になるので、お婿さん募集中の箱入娘(かなりの持参金付き)と仲良くなれます。
師範學校・高等師範學校・高等學校・高等實業学校・専門學校には、豫備士官訓練團という軍事教練組織があって、配属将校が軍事學講座(學科と術科)を開いているので、それを授業の合間に受けて單位を満たしておけば、一年志願兵の終った後は、部隊での速成將校教育はごく短くて濟みます。
戰争になると、小隊長クラスの下級將校が不足するので(敵は、前線に出てくる小隊長を狙撃ちします)、こうして速成の豫備將校を大量に養成しておくのです。資産家、貴族の子弟が通う高等學校では、(日本の私立中高一貫校と大學教養課程を一緒にしたような全寮制の少年教育機關。滅茶苦茶に學費が高く、學校それぞれに格付がある。なかでも學院 Lice の名称の付いた校は、貴族・準貴族の由緒ある家柄の子弟でないと入れない。英国の Public School に似ている)卒業者の、ほほ全員が豫備役少尉補です。中學校や實科學校(8年制の中等學校。日本の小學高學年・中學・高校を一緒にしたようなもの)は、お金をあまり持っていない中間階級の子弟がかようので、自分から少尉補になろうという卒業生はいません。しかし、學歴の高い若者は、優先的に徴兵檢査合格になります。戰時には損耗の多い豫備役の小隊長候補は、軍隊にとって多ければ多いほどよいので、學歴のある者(豫備將校有資格者)は、よほど躯體が弱くない限りは、どしどし採用するのです。
そこで保險會社のやっている徴兵保險というのに子供の時から加入して、掛金を払っていると、もし徴兵檢査に合格したら、一年志願兵になるためのお金がもらえる面白い仕組みもあります。これが、なかなか商買繁盛しています。かわいい我が子が兵卒で鬼軍曹にいじめられるよりは、保險の掛金を払って、一年志願兵になるだけのお金の準備をしておくのは、親としての人情なので、息子が生まれたら加入する人が多いのです。徴兵檢査に合格して入營するのは、同年齢の若者5人に1人ですから、徴兵保険會社は商賣になります。
商業學校や農林學校などの實業學校(進學を前提としない5年制の職業學校。卒業生はすぐに實家の職業を継いだり、親の勤め先に入る)は、商賣人や農場主の子弟がかようので、よほど景氣が悪くならない限りは、そこそこの資産があって、本人が運悪く徴兵檢査合格入營となったら、一年志願兵になるだけのお金を出す親が多いようです。呉服屋さんの息子が召集される時に豫備少尉の立派な肩章をつけて軍刀を吊っているので、びっくりしたりします。
少尉補は豫備役のためだけに設けられた階級なので、現役の少尉補というのはありません。
將校・準士官は兵營の中に住みません。下宿や自分の家から部隊にかよってきます。
戰闘になると、少尉補は小隊長として活躍しますが、すぐに戰死傷してしまいます。いつも小隊の先頭に立って指揮をとるので、敵に狙われるからです。しかし運良く手柄をたてたり、しぶとく生残ったりすると、實力が認められて、豫備役少尉に進級します。あとは、實力次第で現役の将校と同じように大尉まで進級していきますが、よほどの功績がない限り少佐以上には進めません。戰争が終わると、すぐに除隊して民間に戻ってしまうし、軍隊に残っていても進級の順番は現役の方が優先するので豫備役は後の方になってしまうからです。
少尉補出身の將校は、もともと民間人が召集されて、戰争や演習で將校が足りない時だけ臨時に入隊するのですから、出征部隊には、軍人社會に馴染まない、あらゆる職業の面白い人が多く混じり、軍隊の常識を逆手に取って大暴れ、中隊長や部隊長を困らせます。

官等: 判任十三等官
相當: 海軍先任少尉候補生、係長代理、技手、警部補、輔祭補、小農場主
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★★尉官の階級★★kompani oficir, company officer

少尉dua lewtenant, 2nd lieutenant
中尉unua lewtenant, 1st lieutenant
大尉kapitan, captain
少尉に任官するには、4ルートあります。

1 士官學校入學を許可された者(17歳以上)は、先ず部隊に配属され、士官候補生(kadet, cadet)として、1年間、下士卒(上等兵から軍曹)の生活を體驗する。士官學校の生徒となってからは、卒業前に見習士官(曹長)として再び同一部隊で將校の仕事を體驗し、部隊の將校詮考會議で部隊將校全員の推薦を得て少尉に任官する。
2 一年志願兵あがりの豫備役少尉補が應召中に進級して、豫備役少尉に任官する。
3 曹長、特務曹長の優秀な者が試驗に合格し、少尉候補者として士官學校で將校教育(約1年間)を受け、少尉に任官する。
4 特別任官で、民間人が臨時の少尉になる。

最初は中隊附で、新兵の教官をします。助教に内務班長、助手に上等兵がつきます。新兵とは年齢も同じで、仲良く教練に励みます。机のある場所は中隊の將校室です。他の將校(中尉、准尉、少尉補)と一緒に机を並べます。資産が無い者は、少ない俸給で暮らしを立てなければならないので、「貧乏少尉(lewtenant mizera)」と兵隊どもに渾名を付けられます。戰闘では第2小隊長として活躍します。
部隊で成績が上の少尉は聯隊旗手(regiment standardist)になります。眉目秀麗(男前)で姿形が良くて、童貞であることが条件です。そのような規定は、どこにもないのですが、各部隊共通の傳統となっています。旗手は聯隊長の傍にいて、秘書のような役目をします。軍用地圖・暗號書など機密文書は、旗手が保管します。行進の時は聯隊旗を奉持します。軍旗曹長(部隊本部の先任書記兼務)が護衛として横に並び、軍旗護衛兵が從います。戰闘では軍旗は折畳まれて、旗手は專ら聯隊長の傍に付いて戰闘記録をとります。
隊附2年目に各兵科の實施學校に派遣されて、中隊指揮・兵器の取扱など士官學校時代の補習を受けます。期間は兵科によってまちまちです。歩兵學校と輜重兵學校が一番短く、騎兵學校は比較的長く、砲兵學校・工兵學校・飛行學校が長く厳しい専門課程を設けています。ことに砲兵・工兵は高等數學や物理學を勉強するので、何度も落第します。飛行學校の操縦課程では、墜落事故が多く、命がけです。ここの成績で、中尉への進級の順番があらかた決まります。これに兵營での勤務成績や兵隊の訓練成績を加えて總合點數で並べて順番を作ります。
しかし戰争になって、戰闘に出ると、特別に點數が加算されます。功績をたてると、ビリだった者が突然1番になったりします。このへんは日本軍とは、ずいぶん違います。戰闘本位に成績が組まれますので、参謀だけがエリートコースを進んで、進級も特急なみということはありません。戰争になると、部隊が出征するかどうかが、將校連中の關心の的です。内地の豫備隊勤務になると、戰場の同期生が點を稼いで(戰闘地域にただいるだけでも、内地にいるより點になる)どんどん進級していくのを横目に、身の不運を嘆きます。でも戰死したり、重傷を負って除隊になってしまう危險からは離れているので、いちがいに、どちらが得とはいえません。

官等: 判任十一等官
相當: 次席係長、技手、警部補、輔祭、副看守長、小學校訓導、三等郵便局長、工匠、小農場主
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中尉は、少尉と准尉が進級してなります。部隊本部や高等司令部に補職となって、中隊とは離れて勤務する人が多く、なかには参謀コースに轉身したり、病氣で躯體が弱くなり、後方勤務の憲兵や輜重兵、經理部に轉科する人も出ます。参謀本部の参謀養成課程の試驗を受けて参謀コースを歩む人もいます。これは他の轉科轉部と違って競争率が高いので早くから受驗勉強をしなければ合格できません。しかし参謀は戰争になっても前線の團隊長の様に勲章や點數を貰えず、また團隊長にも補せられないので、そんなに出世コースとは云えませんが、戰死の心配はありません。参謀總長元帥が出世の最高峰です。(このあたりは日本軍などと可成違います)
士官學校出身者では年齢25〜30歳くらいで、そろそろ奥さんを貰います。家を借りて新婚生活を始めますが、特別な資産の無い中尉は俸給だけで生活するので家計簿は赤字です。兵隊どもは「やりくり中尉(lewtenant monrimeda)」と呼びます。親が金持ちか、お嫁さんが持参金を持ってきた場合は、優雅に暮らせます。戰闘では小隊長として活躍し、中隊長(大尉)が倒れた場合は中隊長代理をします。

官等: 判任十等官
相當: 筆頭係長、警部補、輔祭、司法官試補、副看守長、大公使館二等通譯官、大學講師、高等専門學校助教授、小學校訓導、三等郵便局長、工匠、中農場主
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大尉は、古参の中尉がなります。普通は中隊長が職務ですが、部隊副官、高等司令部副官を勤める人もいます。中隊長(一般に隊長と呼ぶ)の居場所は、中隊事務室の斜め前に廊下を隔てて設けられた中隊長室です。朝、出勤すると從卒がお茶をいれてくれます。給養掛曹長や人事掛特務曹長の持ってくる書類を見ているうちに、お晝になるので、將校集會所で晝食を食べます。部隊將校が一同に揃った食堂で、集會所當番の兵卒が白服で給仕をします。當番長はたいてい伍長勤務上等兵で、見榮えよく目端の利く若者が選ばれます。食後は喫煙室で雑談、讀書のほか、カルタ(トランプ)や玉突きをして遊んだりします。午后は中隊の新兵を集めて講話をしたり、中隊幹部と打合せをします。そして日の暮れる前に歸宅します。戰争が無いと、優雅な生活です。やっと大尉になって俸給も人並みに貰うので、兵隊どもは「やっとこ大尉 (kapitan finfine)」と呼びます。
しかし中隊教練の指揮を執って、行進や突撃の先頭に立ったりするので、なかなか體力がいります。特に歩兵は乗馬本分ではなく徒歩なので、駆回らなくてはならず大變です。
ときどき大尉は各兵科の實施學校に罐詰になって、新兵器・新戰術の講習に参加し、古参になると大隊長になるための訓練を受けます。また陸軍大學校軍政課程を受驗して専ら役人コースを歩む人もいます。役所勤務になると團隊長に補せられることは無く陸軍省の係長・課長補佐・課長・局長の階段を上ってゆき運が良ければ陸軍大臣や侍從武官長あたりが終着點ですが、陸軍の臺所を切盛りする醍醐味が味わえます。
戰闘での中隊長の役割は、非常に大きなものがあります。戰闘は中隊単位で動き、隊長の判断ひとつで勝負けが決まります。先頭に立って突撃をしなければならない時もあります。このころ30歳〜35歳くらいです。兵隊どもは隊長のいないとろでは「チュウ助」「チュー公」と呼びます。

官等: 判任九等官
相當: 海軍二等潜水艦長、海軍潜水艇長、掛主任、警部、警吏、自警團長、輔祭、典獄補、看守長、大公使館一等通譯官、外交官補、領事官補、大學助教授、高等専門學校教授、中等學校教諭、小學校教頭、二等郵便局長、驛逓長、工匠、同業組合支部長、大農場主
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★★佐官(上長官)★★ regiment oficir, field officer

少佐mayor, major
中佐kolonel lewtenant, lieutenant colonel
大佐kolonel, colonel
少佐 への進級は、士官學校出の大尉であれば、人によって早い遅いがありますが、ほぼ全員ができます。少佐の職務である大隊長は、戰争の無い時は、たいへん閑です。部隊本部にある大隊長室に座っていますが、部隊本部の諸委員首座(委員長)…經理、兵器、酒保、集會所など諸委員がある…を兼ねて、むしろ、そちらの方の仕事に熱心です。部隊の財布は委任經理なので、部隊長はお金の出る仕事については委員を設けて、財布の管理をさせます。陸軍省は前渡金を呉れて、これでやってくれと云います。節約して餘った豫算は、次年度豫算に繰込めますので、委員の腕次第で、無駄を省き、必要な所には重點的にお金を出すことで、兵隊どもに良いご飯を喰わせたり、被服も出征用に上等なものをたくさん備蓄出来ます。しかし使いすぎてお金が無くなった時には陸軍省は追加のお金を呉れたりはしません。そのかわり部隊によっては食い物は旨いが、着るのは継ぎ接ぎだらけのボロボロ軍服だったり、立派な服裝だが、2年間の兵役中は規定通りの量の肉が出ても、それは古い黴の生えた塩漬肉であったりします。物價が騰貴すると小麥は出てこず、代用品の雑穀ばかり出たりします。委任經理の資金を工夫して貯込むように諸委員を監督するのが經理委員首座の勤めです。資金が減ったまま後任者に引継ぐと沽券に係わるので、うるさくこまごまと部下を指導します。
しかし戰闘になると大隊長は、寝る暇もないほど大忙しです。これほど平戰時の落差の大きい職もありません。戰術は大隊單位で動き、大隊長の指揮の優劣が戰況に大きく影響します。

部隊では大隊長の他に、聯隊附佐官と云う古手の少佐の席があり、部隊の教育主任や軍司令部軍法會議の判士、聯隊區司令官、學校や大學の豫備士官訓練團配属将校など後方の仕事に就きます。

官等: 奏任八等官
相當: 海軍二等驅逐艦長、海軍掃海艇長、海軍水雷艇長、海軍一等潜水艦長、海軍三等海防艦長、海軍河用砲艦長、海軍水雷艇隊司令、海軍沿海潜水隊司令、海軍港湾潜水隊司令、課僚(課長補佐)、技師、警視、保安官、司祭、判事、檢事、典獄、大公使館三等書記官、大公使館一等通譯官、大公使館理事官、副領事、名譽副領事、大學教授、高等専門學校教授、中等學校教頭、小學校長、小林區署長、公有林野官行造林署長、一等郵便局長、飛行場長、同業組合長、地主、小區長
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中佐 は聯隊附佐官として、平時は、あまり仕事がありません。戰時には留守隊長あるいは後備部隊長となります。少佐と同じく委員首座として部隊經營に熱心です。参謀本部参謀教育課程修了者は部隊を離れて高等司令部で副官や参謀を勤めます。
たいていの少佐は中佐になる順番を待っているうちに定年になってしまうので、中佐になるのは戰争に出た回數が多いか、戰場で手柄を立てたか、士官學校や實施學校での成績が良かったか、あるいは運が良くてミスが少なかったかです。

官等: 奏任七等官
相當: 海軍輕巡洋艦長、海軍一等驅逐艦長、海軍沿海驅逐隊司令、海軍掃海隊司令、海軍巡洋潜水隊司令、課僚(筆頭課長補佐)、技師、警視、領事警察署長、司祭、判事、檢事、典獄、大公使館二等書記官、領事、名譽領事、大學教授、高等専門學校教授(科主任)、中等學校長、小林區署長、公有林野官行造林署長、一等郵便局長、聯合同業組合支部長、領主(無爵)、勲爵士、村長、村會議長
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大佐 は聯隊長です。軍人になったら誰でも一度はやってみたい職です。しかし戰争になると、大隊單位で行動するので、聯隊本部は仕事がありません。むしろ聯隊が旅團に準ずる支隊として、臨時に他兵科の部隊を指揮下に入れ戰區を擔當する命令を受けた際に活躍の機會が訪れます。この支隊を指揮する大佐は、支隊長として将官待遇を受けます。臨時に旅團を指揮する大佐も同様です。
参謀コースを歩む人は高等司令部副官・参謀、駐在武官などの職に就き、また特務機關長として特別な任務につく人もいます。
平時の聯隊長は、地方の名士としてもてはやされます。縣に歩兵聯隊が一つ置かれています。
平時は進級が停滞するので、大佐といえば50歳前後の太った人物と云うのが通り相場です。

官等: 奏任六等官
相當: 海軍戰艦長、海軍重巡洋艦長、海軍装甲巡洋艦長、海軍航空母艦長、海軍飛行艇母艦長、海軍飛行船母艦長、海軍航洋驅逐隊司令、海軍潜水母艦長、海軍要港部防備隊司令、海軍實施學校長、課長、技師、警視正、司祭、判事、檢事、典獄、大公使館一等書記官、領事、名譽總領事、名譽領事、貿易事務官、大學教授(學科主任)、高等専門學校教頭、氣象臺長、中央郵便局長、空港長、聯合同業組合長、領主(騎士)、町長、町會議長、保護會社取締役
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★★将官★ general, general

准将kolonel komandant, brigadier
少将general mayor, major general
中将general lewtenant, lieutenant general
大将general, general
元帥marshal, marshal
大元帥grand marshal, grand marshal
○大佐のうち成績の良い人が現役の将官になります。平時の成績が良い人よりも、戰時の功績が大きい人の方が優先されます。日頃から部隊對抗演習で負けてばかりいて、戰術の得點が最低だった大佐聯隊長が、将官進級は無理だろうと自他共に認めていたところ、定年間際に戰争になって、部隊を率いて戰場に出ると大活躍、散々に敵軍を悩ませ、凱旋した途端に准将になり、とうとう大将まで進級した例があります。
大佐が将官に進むと、まず准将 になります。職は旅團長心得です。1年たつと少将に自動的に進級します。この准将の1年間に将官教育を受けます。
定年になった豫備役准将は、戰争になると若い順に召集されて、後方勤務の國民兵旅團長、占領地司令官など臨時編成團隊長になります。

官等: 勅任五等官
相當: 海軍戰隊司令官代理、部長、参事官、郡長、郡會議長、市長、市會議長、司祭長、警視監、警視長、大林區署長、領主(準男爵)、保護會社常務取締役
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少将 は旅團長です。外國では師團長を勤める階級なのですが、陸軍が小さかった頃、軍團がなく師團が最大單位だったので、軍司令官であるべき中将が師團長、師團長であるべき少将が旅團長を勤めていた時代の名残です。陸軍が大きくなって軍團制度になっても、いったんインフレになった階級は舊には戻りません。(ちょうど日本軍が同じ方式です。もとから軍團制をとっていたドイツ軍は少将が師團長です。英米は大佐が戰時に臨時の将官(准将)となって旅團長を勤めますから、少将が師團長です。)
旅團長は平時なにもすることがなく、旅團司令部の旅團長室に座って軍刀を磨きながら、晝飯は何にしょうか、と考えたりします。師團司令部で、あらかたの軍務を處理するので、旅團司令部は建物も小さく、參謀もいません。しかし戰時には、他兵科の部隊を指揮下に入れ、戰區を擔當して活躍します。特に騎兵旅團、野戰重砲兵旅團、高射砲兵旅團、飛行旅團、獵兵旅團は、旅團長の能力次第で戰果が決ります。騎兵旅團長は部隊の先頭にたって突撃を指揮することさえあり、降下猟兵旅團長は直接に部隊を率いて落下傘やグライダーで敵地に突入します。
定年になった豫備役少将は、戰争になると若い順から召集されて、戰地の軍兵站監、獨立混成旅團長、後備旅團長、あるいは内地の留守旅團長、要塞司令官になります。

官等: 勅任四等官
相當: 海軍戰隊司令官、海軍防備隊司令、海軍水兵團長、局長、州知事、特別市區長、特別市區會議長、司教、區裁判所判事監督、辯理公使、總領事、外務省商務官、分科大學長、大學學生監、大學圖書館長、高等専門學校長、中央氣象臺長、領主(男爵)、保護會社専務取締役
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中将 は師團長です。軍務は幕僚が處理するので、師團司令部の師團長室で書類を讀んだり、来客の應對をします。特別大演習(師團對抗)になると張切りますが、作戰は参謀長がたてるので、細かい事に頭を働かせることはありません。それよりも部下の旅團長、聯隊長、參謀長を操縦して、仲良く働かせる方に知恵を絞ります。軍司令部、参謀本部、陸軍省、地方官庁、自分の師團管區の民間人とも、うまく付合わなければなりません。
戰時には、前線から少し離れた、敵の砲撃距離外に師團司令部を置き、幾つかの戰區をまとめて指揮します。
定年になった豫備役中将は、戰争になると若い順から召集されて、留守師團長になります。

官等: 勅任四等官
相當: 海軍戰隊司令官、海軍要港部司令官、海軍工廠長、海軍大學校長、海軍兵學校長、次官、政務官、外局長官、宮廷侍従長、宮廷式部長官、大司教、地方裁判所長、特命全權公使、警視總監、大學總長、縣知事、縣會議長、特別市長、特別市参事會議長、領主(子爵)、保護會社長
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大将 は軍司令官です。軍は2ヶ師團と直轄部隊からなりますが、戰時には更に兵站部隊が臨時増設され、軍だけで獨立して何もかも賄えるような大組織になります。(歐米軍の「軍」では隷下に「軍團」があります。レミニア軍では師團の規模が歐米に較べてひと廻り大きいので、レミニア師團は軍團の機能と規模を持つといってよいでしょう。旅團は他兵科の臨時配属部隊を加え師團規模に膨らんで前線に出ますから、レミニア旅團は師團相当の働きをします。また聯隊も臨時配属部隊を加え「支隊」として旅團並みの働きをします。さらに龍騎兵聯隊(汎用中戰車)の規模が歐米軍のそれに比べて數倍あり、これを一般の師團にあまねく配属しいるので、歩兵師團と云えども保有戰車數は、歐米の機甲師團なみです。)
内地の軍司令官の他に、外地の駐屯軍司令官という職もあり、これは少し格が落ちます。所属部隊も、志願の豫後備兵を主體にした獨立守備隊や要塞砲兵大隊という類の小規模なものばかりで、寄集めると旅團くらいの規模にしかなりません。外人部隊や現地人部隊も混じっています。しかし責任は重く、民族獨立運動の鎮壓や、居留民の保護、國境線の守備、外國勢力の浸透を防止するなど、こまごました荒仕事がたくさんあって、氣の休まる暇がありません。
定年になった豫備役大将は、戰争になると若い順から召集されて、留守軍司令官、占領地總督、國民軍司令官など後方司令官になります。

官等: 親任二等官
相當: 海軍本部次長、海軍艦隊司令官、海軍鎮守府司令長官、大臣、國務院總裁、貴族院議長、庶民院議長、總督、主教、控訴院長、特命全權大使、領主(伯爵)
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○戰線が拡大すると、幾つかの軍を指揮する方面軍を臨時編成します。その司令官は元帥 です。大将から選抜されます。(獨逸軍のように上級大将という階級はありません。方面軍は獨軍の「軍集團」に該當しますが、各方面軍は参謀本部が直接に統括します。レミニアは地政學上、二正面作戰をとる必要がないので、現在の作戰計画では、北方に連なった陸續國境線を西部・東部の二箇の戰域に分割しそれぞれに方面軍を置くように豫定されています。)
終戰になって方面軍が復員(解散)すると、元帥府という役所に部屋をもらって、陸軍の最高顧問として(實際には仕事はないのですが)のんびり暮らします。戰争が起こらなければ其の儘、目出度く定年になって退役します。

官等: 親任一等官
相當: 海軍本部長、總理大臣、枢密院議長、大總督、總主教、大審院長、檢事總長、領主(公爵・侯爵)
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   ○大元帥は、國家元首しかなれません。統帥権(軍隊の最高指揮権)は文民である國家元首が握っていますが、獰猛な軍人どもを統率するうえで軍人の位が無いとやりにくいので、臨時に「大元帥」と云う最高階級に任官します。國家元首は退位すると自動的に「大元帥」の位も返上します。
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