→ top


基本的な部隊編成を解説します。

  →伍 kunular, team (or file)
  →分隊 kaporalar, squad
  →小隊 peloton, platoon
  →中隊 kompani, company
  →大隊 batalion, battalion
  →聯隊 regiment, regiment
  →旅團 brigad, brigade  

★★歩兵部隊編成★★

歩兵の部隊編成は、他兵科編成の基本となります。以下に示す編成は成るべく其れに準拠するのが望ましいとされた標準モデルであって、部隊長の裁量で變更可能です。例えば戰場では、大損害を受けて各中隊の生存者僅少の場合は從来の中隊を廢止し、生残りを集めて新たに臨時の集成中隊を編成する、と云ったふうに臨機應變な處置を取ります。
間かけ離れた編成をとっている部隊には是正勧告がなされ、聯隊長の成績にも響きます。そこで平時においては、どの歩兵聯隊も編成は、おとなしく標準モデルに準拠したものにならざるを得ません。しかし許容された範囲においては聯隊ごとに細部が微妙に相違しています。職務の名稱も部隊ごと傳統があって、歩兵科全部隊共通と云うのでは決してありません。

軍装
(歩兵の軍装の基本要素は、車輛をあてにせず、自分の荷物は全部獨りで背負って行軍する事です。背嚢に所帯道具一式(着替え、携帯口糧、兵器手入具、被服手入具(裁縫具・保革油)などを詰込んで、腰には丈夫な革帯(バンド)に彈藥盒を3箇つけ(腹部左右に小2箇、背中に大1箇)、歩兵銃を肩に擔い、その他、外套・外被・毛布・替靴底・水筒・飯盒・防毒面・スコップ・銃劔・手榴彈など、必要なものは全部革帯や背嚢の留具からぶら下げるか、背嚢に固縛して獨りで携帯します。携帯しきれないものは、中隊の小行李(彈藥を主とし戰闘用器材及携帯口糧を積載)と大隊の大行李(糧秣を主とし被服其の他陣營具を積載)の車輛で運びます。完全軍装となると、装備重量は30瓩は輕く越えて、40瓩に成る事すらあります。歩兵の別名 Pied(foot) の通り道無き道を、車輛の通れない入組んだ地形を何日間も徒歩で行軍して行くので、こうなってしまいます。
戰闘になると、雑嚢に當面必要な携帯口糧を詰めて携帯し、重い背嚢は後方に纏めて残しますから、何日も續く戰闘で携帯口糧が尽きると、次には現地民間の食糧を略奪し、あるいは敵の食糧を奪って糊口を凌ぎます。
佐官以上の乗馬本分者以外は、将校であろうと中隊長以下全て同じ様に背嚢を背負って、巻脚袢(ゲートル)に編上靴が原則です。将校は從軍途中で副官など乗馬本分の職務に任命される可能性があるので、巻脚絆の上から革脚袢を巻いて乗馬用長靴の代わりにします。将校には将校行李と云う個人荷物が許可されて居て是れを從卒が行李車輛に便乗して運搬し、戰闘の合間には必要な物を運んで来て呉れますので、多少は指揮しやすい軀輕な格好をしています。
歩兵は敵と直接に格闘する戰闘を展開しますから、敵味方を判然と識別する必要があって、正規の軍装を守る事では他兵科に比べ厳格です。捕虜となった時にも正規軍装でないと正規兵と看做されずに其の場で殺されてしまう惧れがあるからです。從って服装は直属上官が許可しないと變えられません。外套、外被(雨合羽)、鐡帽の着脱から始まり、軍衣(上着)の第何釦(ボタン)まで外してよいかまで、いちいち命令で行います。いくら暑くても被服を脱ぐ許可は遊泳渡河時以外は下りません。また歩兵銃の擔換え(擔う肩の變更)など、行軍中の兵器の携行方も命令で行います。
軍曹以下の下士卒は、歩兵銃と銃劔が基本兵器です。曹長以上は軍刀と拳銃です。短機關銃或いは散彈銃は下士・将校准士官が近接戰闘時に使用します。本部附や将校・准士官附の下士卒には各々の職務に適當する装備が支給されます。例えば乗馬傳令卒には騎兵銃と軍刀が、斥候卒には狙撃銃(或いは短機關銃)と山刀が、信號卒には信號拳銃が、看護卒には舊式拳銃が支給されます。)


標準編成例:

旅團司令部
  副官部:指揮班(乗馬傳令伍)、斥候班、信號班(電話伍、無線電信伍)
  陣營掛:經理班、兵器班、軍醫班、宗務班、行李(行李伍1/4)、土工班(土工伍)

  歩兵第1聯隊本部
        指揮班(乗馬傳令伍、電話伍、無線電信伍)
    陣營掛:經理班、兵器班、軍醫班(擔架伍)、宗務班、行李(行李伍1/8)、土工班
    第1大隊本部
          指揮班(乗馬傳令伍、電話伍、無線電信伍)
      陣營掛:經理班、兵器班、軍醫班(擔架伍1/4)、宗務班、行李(行李伍1/2)、土工班
      第1中隊本部
        指揮班、給養班(小行李1/4)
        第1小隊
          第1分隊(輕機關銃伍、50粍擲彈筒伍)
          第2分隊(同上)
          第3分隊(同上)
          第4分隊(機關銃伍、81粍擲彈筒伍)
        第2小隊
        第3小隊
        第4小隊(重歩兵)
          第1分隊(對空聯装機關銃伍2)
          第2分隊(120粍擲彈筒伍2)
          第3分隊(歩兵戰車伍3)
          第4分隊(對戰車伍、彈藥伍)
      第2中隊
      第3中隊
      第4中隊(重歩兵)
        第1小隊(觀測分隊、對空聯装機關銃分隊2、彈藥分隊)
        第2小隊(歩兵砲分隊3、彈藥分隊)
        第3小隊(對戰車砲分隊3、彈藥分隊)
        第4小隊(歩兵戰車分隊3、段列分隊)
    第2大隊本部
      第5中隊
      第6中隊
      第7中隊
      第8中隊(重火器)
    第3大隊本部
      第9中隊
      第10中隊
      第11中隊
      第12中隊(重火器)
  歩兵第2聯隊


☆伍(5名)kunular, team → top

 最小の編成單位。5名で1伍。
 (指揮者は上等兵、他は一等卒。ただし他兵科兵種では、21人以下2人以上の様々な形があり、指揮者も上等兵とは限らない。)
使用兵器や勤務によって名稱を附します。


「小銃伍」(小銃手5)kunular de fusil, infantory rifle team
「輕機關銃伍」(輕機關銃手1、小銃手兼彈藥手4)kunular de et mashin pafil, light machinegun team
「50粍擲彈筒伍」(擲彈筒手1、小銃手兼彈藥手4)kunular de et grenadil, light mortars team
「81粍擲彈筒伍」(擲彈筒照準手1、装填手1、彈藥手3)kunular de grenadil, medium mortars team
「機關銃伍」(銃長1、射手1、装彈手1、彈藥手2)kunular de mashin pafil, medium machinegun team
「歩兵砲伍」(照準手1、射手1、装彈手1、信管手1、彈藥手1)kunular de infanteri pafileg, infantory gun team
「彈藥伍」(彈藥手5、輸卒4)kunular de munici por infanteri pafileg, ammunition team for infantory gun
「歩兵戰車伍」(車長1、操縦手1、砲手1、装填手1)kunular de tank'infanteri, infantory tank team


☆分隊(12名)kaporalar, squad → top

分隊長(伍長)
分隊長補佐(上等兵)

【伍】第1〜2伍(上等兵2、一等卒8。第1伍は輕機關銃、第2伍は50粍擲彈筒)

輕機關銃伍→    ●●●●● 分隊長 
50粍擲彈筒伍→ ●●●●● ●分隊長補佐   各伍右翼は上等兵
小銃分隊は、輕機關銃伍1(輕機關銃1、歩兵銃4)と50粍擲彈筒伍1(50粍擲彈筒1、歩兵銃4)で編成されます。しかし2線級の國民兵部隊は小銃のみの装備であったり、護郷軍部隊になると小銃すら缺く場合があります。
分隊の突撃
小銃小隊の第4分隊は重火器分隊で、機關銃伍(機關銃1)と擲彈筒伍(81粍擲彈筒1)で編成されます。
歩兵中隊の第4小隊は重歩兵で、擲彈兵と稱します。重火器小隊として、第1分隊(機關銃伍2)、第2分隊(81粍擲彈筒伍2)、第3分隊(輕歩兵砲伍1、彈藥伍1)、第4分隊(對戰車伍1、彈藥伍1)で編成されます。
このようには、あらゆる編成の基本となります。
伍はに細分されます。例えば行李伍は自働貨車(トラック)組8に區分されます。1組(小型車で4輛、中型・大型車で2輛)。

分隊長 kaporalar chef, squad leader(歩兵伍長)
配下の2伍を使って戰闘をします。例えば攻撃時には、第1伍を躍進させ、第2伍は敵をひたすら射撃して第1伍を援護します。第1伍が適當な所で伏せて射撃を始めると、第2伍が前進します。第2伍が第1伍を追い抜いて前方に躍進し、適當な所で伏せると、今度は第1伍が再び躍進を始めます。そのあいだ第2伍は援護射撃です。こうして交互に躍進・援護射撃を繰返して敵に反撃の隙を與えないよう陣地に肉薄します。分隊の持つ輕機關銃と輕擲彈筒だけでは火力不足の場合、小隊第4分隊(重火器)の機關銃と擲彈筒が増援に来て、間断無く射撃して援護します。それでも敵の迎撃が熾烈な場合は、中隊第4小隊(重火器)の機關銃と擲彈筒が左右の両側面から十字砲火となるように援護射撃をします。突撃分隊は敵陣間近に迫ると、一薺に手榴彈を投擲して、敵の重火器及第一線を沈黙させます。堅固な掩蓋(トーチカ)内に敵がある場合は、銃眼から手榴彈を投入したり、銃撃したりして、沈黙させます。あるいは豫め重火器小隊の平射歩兵砲、配属騎兵の戰車、師團の野砲、軍の重砲、更には飛行軍の急降下爆撃の援護を受けて、掩蓋を破壊してもらいます。敵重火器が沈黙した後は、一薺に敵陣内に突入して、白兵戰を展開します。その際、分隊長は先頭に立ち携帯する散彈銃ないし短機關銃を亂射して、敵反撃の出鼻を挫きます。熟練した分隊長は、これら一聯の諸動作を上手く繋げて、分隊に無駄な動きをさせません。 → top

分隊長補佐 ashistant por kaporal, squad assistant leader(歩兵上等兵)
先任上等兵で、分隊長の位置する第1伍とは離れた第2伍に位置し、分隊長が倒れた場合は即座に代わって分隊の指揮を執ります。 → top

輕機關銃手 et mashin pafilan, light machine gunner(歩兵上等兵) 輕機關銃を携帯し、分隊の平射重火器射手として、敵を制壓(彈幕を張って敵に頭を上げられないように強制し、反撃の隙を與えない)します。敵から狙われやすい危険な役割です。 → top

擲彈筒手 et grenadilan, light mortars shootist(歩兵上等兵)

擲彈筒を携帯し、分隊の曲射重火器射手として、敵を制壓します。輕機關銃手に次いで狙われやすい危険な役割です。 → top

彈藥手(歩兵一等卒2)
分隊長が配下の分隊員のうち適任者に彈藥手を命じます。輕機關銃乃至擲彈筒の彈藥を運搬します。片手に彈藥匣を提げ射手に間断なく彈藥を供給します。歩兵銃を携帯し、射手の護衛も行います。射手が斃れた時は即座に代役をします。 → top

小銃手(歩兵一等卒6)
歩兵銃と手榴彈を携帯し、小銃射撃、手榴彈投擲、小銃擲彈發射、銃劔による白兵戰を行います。また或いは肩から彈藥匣を提げ、或いは雑嚢に装彈子を詰め、分隊重火器の彈藥携帯補助をします。 → top


☆ 小隊(55名)peloton, platoon

小隊長(中尉・少尉・少尉補・准尉・見習士官のいずれか)、傳令卒、從卒(經理部員)
小隊附(軍曹)、斥候卒、信號卒、看護卒
【分隊】
第1〜4分隊(48名、第4分隊は重火器) → top

_____________________________________
縦隊密集隊形             小隊長
              (2歩)
        4分隊  3分隊  2分隊  1分隊
左翼分隊長●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●右翼分隊長
           ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
(2歩)
押伍列     ●     ●小隊附軍曹●●       ●
                    ●●● 列外

(列外左より 從卒看護卒、●信號卒、斥候卒、傳令卒)
_____________________________________
小隊長 peloton chef, platoon leader
将校の中では最も數が多く、また戰闘の第一線に立って彈雨に軀を曝す機會が多いので、非常に損耗の激しいポジションです。戰闘の方法は、分隊のところで述べたものと基本的には同じで、ただ規模が大きくなるだけです。例えば、第1・第2分隊を突撃、第3分隊を豫備ないし別働、第4分隊(重火器)を援護射撃とします。

傳令卒 herold, runner(歩兵一等卒)
将校・准士官の傍に附いていて、命令・報告などを指定先に届けます。傳令が出佛っている時は軀近の分隊の兵卒を臨時傳令に指名します。  → top

從卒 servul, servant(經理部員)
将校・准士官に附き從って軀の回りの世話を焼き、雑用をこなします。從卒は雑卒の一種で、将校・准士官が私費で雇います。上流階級出軀の将校は自家の召使を從卒に採用する事が多く、そうした從卒は主人の生活習慣を良く知っているので、戰場でも食事や軀嗜みにちょっとした贅澤が出来ます。貧乏な将校・准士官は平時は從卒を雇う餘裕がありませんが、戰場に出ると俸給が倍になるので、そこから工面して從卒を雇います。たいてい親戚の少年が採用されます。從卒をしていると、戰争が續いている限りは徴兵檢査で甲種合格になっても其のまま從卒を續けられるからです。從卒は戰闘になると後方に退って主人の荷物番をしますから、戰死傷する割合が低いので、無給でも良いから自分の息子を從卒にさせたがる親が多いのです。  → top

小隊附軍曹 peloton serghent, platoon sergeant(歩兵軍曹)
小隊長の補佐役です。最右翼(序列が一番上という意味、整列する時に序列の最上位者が右端に位置するので最右翼と云う)の下士官として小隊の兵隊どもを取纏め、小隊長が新米の時は助言をし、小隊長が不在の時は代理を勤めます。  → top

斥候卒 ashistant skolt, assitant scout(歩兵一等卒、斥候術修業者)
敵情を偵察し、時には遊撃戰を行って敵の指揮官や重火器射手を狙撃し戰力をそぎます。從って火器も眼鏡附狙撃銃です。私服を着込んで民間人を装う場合もありますが、そのまま捕虜になると正規の戰闘員とは認められずに射殺されてしまいます。危險の高い役割ですが斥候兵として獨特のエリート意識を持っています。以前は輕歩兵と呼ばれ、服装も兵器も普通の歩兵とは異なっており、輕歩兵中隊を編成していました。戰列歩兵の前方や側面で散開し、敵戰列を随時狙撃して前哨戰を實施するのが任務でしたが、時代が進んで戰列歩兵と輕歩兵の機能が重複するようになると、兵員規模が縮小され、任務も斥候が主となり、狙撃をはじめとする遊撃は從となりました。しかし近年に至り陣地戰に於ける精密狙撃の有効性が見直されました。  → top

信號卒 ashistant signalul, assistat signalman(歩兵一等卒、信號術修業者)
小隊長の傍に附いていて、携帯する小型無線信號器で中隊との聯絡を取ります。また信號拳銃で各種信號彈を打つ他に、煙幕彈、手榴彈、照明彈を發射して戰闘援護をします。敵の狙撃標的とされることが多く、危険な役割です。  → top

看護卒 ashistant flegist, assistant medical aid(歩兵一等卒、擔架術應急看護術修業者)
小隊の後方に位置し、携帯する繃帯嚢に應急手當器具一式を収めて、負傷者が出ると驅けつけて消毒、止血、藥劑投與など必要な應急治療を施し、後方に退らせる準備をします。自分で歩ける負傷者は獨歩患者として部隊の假繃帯所まで後退させ、歩けない者は擔送患者として戰闘の合間を縫って大隊の傷兵溜に搬送し、師團衛生隊擔架中隊が収容しに来るまで、大隊附軍醫の診断と治療を受けさせます。  → top


☆ 中隊(251名)kompani, company  → top

【中隊本部】(31名)
中隊長(大尉)、傳令卒、從卒(經理部員)
指揮班: 班長兼功績掛(特務曹長)、傳令卒、從卒(經理部員)
     命令掛(軍曹)、乗馬傳令卒、喇叭手(上等兵)、鼓手、笛手(宗務部員)
     斥候手(上等兵)、信號手(上等兵)
給養班: 班長(曹長)、傳令卒
     炊事手(經理部員)、炊事卒、炊事車馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重輸卒)
     縫工卒、靴工卒
     兵器掛(軍曹)、銃工手(兵器部員)、銃工卒
     看護手(軍醫部員)
     小行李長(上等兵)
      行李伍四半部(輜重兵一等卒、輜重輸卒4)
【小隊】
第1〜4小隊(220名、第4小隊は重火器)  → top


中隊の正規密集隊形(中隊縦隊) 軍令7歩典1部74
「密集隊形」には「正規隊形」と「應用隊形」があります。「正規隊形」は歩兵のみならず他兵科部隊の徒歩正規隊形でもあり、軍隊の結集力を強固にし、指揮官の掌握を容易ならしむるものです。
各兵卒の間隔は左手を腰に當て肘を側方に張ったとき輕く左隣兵の右臂に觸る程度。列間は75糎(前列兵の背または背嚢より後列兵の胸迄)。各隊長・押伍列と列兵とは2歩間隔。各小隊の縦幅は8歩。適宜に依り小隊間の8歩の距離を伸縮し、また小隊の順序に拘わらず重畳し、或は小隊を一列とすることがあります。
両翼分隊長(嚮導)と押伍列は、隊列整頓および列兵監視の役目をします。指揮班および斥候・傳令・信號・喇叭など特業者は、すべて「列外」として後尾に一列をなし、指揮班以外の中隊本部要員および車輛は最後尾に「輜重」として所要度の大きいものから順に整列します。)
          第1小隊長
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 中隊長
  ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●   第1小隊 
  第4分隊 第3分隊 第2分隊 第1分隊
   ●    ●        ●    ● (押伍列)
                   傳信十  (列外)
           鼓喇斥斥馬命指 (指揮班)

          第2小隊長
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●  第2小隊
  ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●     
  第4分隊 第3分隊 第2分隊 第1分隊
   ●   ●        ●    ● (押伍列)
                   傳信十  (列外)

          第3小隊長
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●  第3小隊
  ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●     
  第4分隊 第3分隊 第2分隊 第1分隊
  ●   ●        ●    ● (押伍列)
                   傳信十  (列外)

          第4小隊長
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●  第4小隊(擲彈兵)
  ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
  第4分隊 第3分隊 第2分隊 第1分隊
   ●   ●        ●    ● (押伍列)
                   傳信十  (列外)
 |◎||◎|(彈藥伍彈藥車)|↑|(歩兵砲伍砲車)
 
          ●●●●●●  (指揮班列外)
        本部輜重車|=◆=| 靴縫銃
        炊事車   |=◆=| ●●
 輜重車|=◆=||=◆=||=◆=||=◆=| ●●●● (小行李)
(凡例: =幹部(将校准士官下士)、傳=傳令卒、信=信號卒、十=看護卒、小隊附軍曹、=笛手、鼓=鼓手、喇=喇叭手、斥=斥候卒・斥候手、馬=乗馬傳令卒、=命令掛軍曹、=指揮班長)
=從卒、=看護手、=給養掛曹長、靴=靴工卒、縫=縫工卒、銃=銃工卒、銃=銃工手、兵=兵器掛軍曹、=馭卒・馭卒助手、、炊=炊事卒、=炊事手、=輜重監視兵、=小行李長、|=◆=|輜重車輛、|◎|彈藥車)
中隊長 kompani chef, company commander (歩兵大尉)
中隊が強いか弱いかで第一線の勝敗が決まります。中隊長は配下の4箇小隊を巧みに動かさなければなりません。例えば、第1、第2小隊を前進させ、重火器装備の第4小隊に機關銃・擲彈筒で前進を援護させ、残る第3小隊は豫備として手元に置き、攻撃が失敗した時に敵の逆襲を撃退し戰線が崩壊するのを防ぐのに使用する、と云うふうに戰術を組立て、戰闘を行います。中隊長は戰術の専門家であると同時に、中隊員の戰場生活にも細かく氣を配ります。季節や状況により異装を許し、補給が途切れた時には食事を携帯口糧に切替え、傷病兵の後送を指示し、兵器の故障修理や交換、缺員の補充、進級の申請、野營地の選定など、あらゆる事を判断します。このような雑事を上手くこなしておかないと、兵隊の士氣が著しく低下し、それが戰闘に影響するので疎(おろそ)かには出来ません。  → top

指揮班長 1a serghent, 1st sergeant(歩兵特務曹長)
中隊長を助けて細々(こまごま)とした事務を處理します。兵卒から叩き上げて累進してきた古強者なので、よく兵隊どもの心理を掴んでおり、衣食住あらゆる面に氣が附いて適切な處置をします。下士卒の人事・功績評価も行うので、出来の悪い兵隊どもには恐れられます。誰を危険な任務に就けるか、誰を危険な部隊に轉属させるか決めるのは特務曹長ですから、中隊では大變な實力を持っています。戰場生活の秩序を保つには缺かせない存在です。特務曹長の象徴として懐に入れてある閻魔帳があります。大型の分厚い黒手帖で、隊員の名簿を兼ねており、列を亂したり、命令を聞き間違ったり、と云うヘマをやると、これに書込まれて、成績が下がります。戰闘間は中隊長の傍に附いていて、戰闘記録をとります。これに基づき戰闘詳報を起案し、また手柄を立てた兵隊の功績を功績簿に記入します。
小隊長が缺員になると、小隊長代理となることがあります。その時、指揮班長の仕事は先任の曹長が代理をします。曹長の後は、先任の軍曹が代理をし、と云う具合になりますが、戰闘間はそういう事をしている暇がないので、直属の次席者が代理をするのが普通です。小隊長が缺けると、小隊附の先任軍曹が小隊長代理をし、小隊附軍曹の代理には先任分隊長の伍長が任じ、伍長の抜けた後は先任上等兵が分隊長代理となります。書類箱やタイプライターなど指揮班の事務用品は思わぬ重量があるので、中隊本部輜重車に積込んで移動します。(中隊本部輜重車は、本部で使用する物品及び将校行李を積載する中隊自前の車輛です。炊事車と同列の扱いで、大隊の大行李から補給を受けます。運轉は本部要員が交代でします。)  → top

命令掛 ordon serghent, staff sergeant(歩兵軍曹)
中隊長命令の記録・傳達をします。命令は會同(會議)、傳令、號音(喇叭、軍鼓)、信號(電話、無線電信、信號彈)、軍犬、傳書鳩などによって傳達されますが、その為の命令文書を準備し傳達擔當者に渡します。  → top

乗馬傳令卒 herold per cheval, mounted runner(歩兵一等卒、乗馬術二輪自働車操縦術修業者)
乗馬もしくは二輪自働車(オートバイ)を使用する傳令です。迅速を要する命令・報告の授受で、電信が不通だったり盗聴される虞れがある場合に活躍します。  → top

喇叭手 trumpetist, buglar(歩兵上等兵、歩兵學校軍樂練習所喇叭術修了者)
内地兵營と同じく喇叭を吹奏しますが、戰闘間は餘り用事がありません。突撃喇叭・射撃喇叭などの命令譜は散開戰術の採用以降、中隊本部の位置を敵に悟らせないために、吹奏されなくなりました。突撃前進や突入の命令は、中隊長や小隊長が首から懸けた號笛を自ら吹いて合圖するようになってきました。むしろ喇叭は士氣を鼓舞するために、軍鼓や笛と共に禮式や行進時に吹奏されます。しかし最前線ではそれも省略される事が多く、喇叭の出番は殆どありません。そこで喇叭手は指揮班長の助手として書記の仕事をします。軍隊はお役所なので、書類仕事は中隊レベルでも盛り澤山にあり、特務曹長獨りでは捌ききれません。書類や傳票を仕譯けたり、衛兵の勤務割を作ったり、印字器(タイプライター)を打ったり、忙しく働きます。また郵便係として、兵隊に届く郵便や慰問袋も扱います。  → top

鼓手 tamburul, drummer(歩兵雑卒、軍鼓術修業者)
内地兵營と同じく喇叭手と共に軍鼓を打鳴らしますが、戰闘間は餘り用事がありません。そこで喇叭手と共に指揮班長の助手として雑用をこなします。手紙や書類を文書受附簿・發信簿に登録したり、書類を綴じたり届けたりのほか、本部の掃除や食事の使役もこなします。  → top

笛手 fayfilul, pfeifer(宗務部員、聖歌術横笛術修業者)
宗務部の聖歌手を兼ねています。内地兵營と同じく喇叭手・鼓手と共に禮式曲を吹奏しますが、やはり戰闘間は用事がありませんので、指揮班長の助手として雑用をこなします。子供なので本部の水汲み、お茶汲み、火の番、掃除、届物など、給仕とメッセンジャーボーイの役割をします。  → top

斥候手 skolt, scout(歩兵上等兵)
中隊前進時に各小隊斥候卒4名を呼び集めて臨時に指揮し、前方・側面・後方の偵察を行います。接敵時には遊撃戰を仕掛け、敵の指揮官や重火器射手を狙撃し、彈藥・車輛・器材・交通路を破壊して敵を混亂させ、戰力を殺ぎます。斥候卒から選抜された優秀な古参兵がなるので、中隊での實力は最右翼です。陣地戰では狙撃兵として活躍します。敵の指揮官、傳令などを狙撃して敵の命令系統を攪亂し、また重火器射手を狙撃して火力を低下させます。そのぶん逆に損耗も激しく、死傷率が高いポジションです。  → top

信號手 signalul, signalman(歩兵上等兵、工兵學校信號術練習所信號術修了者)
中隊の喇叭・軍鼓による以外の信號いっさいを擔當します。小型無線電氣信號器を携帯し、4箇小隊および大隊本部と聯絡を取ります。  → top

給養班長 furier, quarter master sergeant(歩兵曹長)
中隊の後方いっさいを取仕切る補給係の親玉です。衣食住から金銭出納・衛生・運輸・故障修繕に至るまで戰場生活の面倒を見ます。兵器以外の鹵獲品は、この曹長が保管・分配・後送を指揮します。特務曹長に次ぐ古参下士で、特務曹長が中隊の兵隊人事を握る實力者とすれば、給養班長の曹長は兵器以外の中隊物資と金銭を握る第2の實力者です。  → top

炊事手 kuirist, cook(經理部員、經理學校衣糧術練習所炊事術修了者)
炊事車1輛を聯れて中隊に随伴し、300人用の大釜2箇で、常に暖い食事を中隊全員に配給ます。乾燥豆と肉のゴッタ煮スープと黒麺麭、珈琲または茶が基本献立です。行軍間は、小休止・大休止毎(ごと)に。煮沸した湯や珈琲を兵隊の水筒に補充します。餘りに水質の悪い地方を行く時は、豫め飲料用水の樽や罐を炊事車に積んでいます。食事は兵隊の士氣に著しく影響するので、炊事手は非常に氣を遣います。食材は自分の炊事車に1日分を積載し、毎日、大行李の輜重車から翌日分の配給を受けます。戰闘が激しくなって炊事車の随伴できないほど遠い最前線に中隊主力が行ってしまうと、給養班長は兵隊に小行李輜重車の飲料水罐と携帯口糧を配給するので、給食は中断します。ついこの間までは、炊事手と云う職種はなく、兵科の兵隊が兼ねていましたので、味や營養などお構いなしの、ただ規定の量さえあればよいと云う食事でした。食事の質が戰闘力に影響する事を認識した陸軍は經理部に専門の訓練を受けた炊事職を設け、各部隊に配属したので、兵士の食事は格段に改善され、營養も足りて病兵が減りました。また民間の食事も向上してきて、美食に慣れた兵隊が増えるに從い、炊事手に要求される味附の腕前も高水準となり、いよいよ炊事職の重要性が増しました。前世紀末までは、中隊單位で糧秣の購買・管理・調理をする制度となっていたので、兵科の下士から「炊事掛軍曹」が任命され各中隊にいましたが、今世紀に入って制度が改められ廢止されました。  → top

炊事卒 ashistant kuirist, assistant cook(歩兵一等卒、炊事術修業者)
炊事手の助手として働きます。歩兵として武装しており、炊事車の護衛も兼ねています。人手が不足する時は、中隊の兵卒を驅り出して炊事の使役に使います。ヘマをした兵隊が罰として馬鈴薯の皮剥き要員に廻されて来ますので、これを指揮します。  → top

炊事車馭卒 venturigist por kuir wagon, cooking wagon driver(輜重輸卒)
炊事車の運轉をする他、炊事の手傳もします。  → top

炊事車馭卒助手 helpul al venturigist por kuir wagon, assistant cooking wagon driver(輜重輸卒)
炊事車の運轉助手をする他、炊事の手傳もします。  → top

縫工卒 ashistant kudrist, assistant tailor(歩兵一等卒、縫工術修業者)
被服の修繕をします。下士以上の幹部の徽章類、階級章の縫附けもします。裁縫器(ミシン)と材料は中隊本部輜重車に載せてあります。釦(ボタン)附けや綻び縫いなどは兵隊が自分でします。(兵隊は自分の背嚢に組込品として裁縫道具を持っている)  → top

靴工卒 ashistant shufarist, assistant shoe maker(歩兵一等卒、靴工術修業者)
靴と皮革装具の修繕をします。彈藥盒や拳銃嚢、防毒面、銃の負革も守備範囲です。工具と材料は中隊本部輜重車に載せてあります。  → top

兵器掛 ordonanc serghent, technical sergeant(歩兵軍曹)
中隊の兵器一切の管理をします。最先任の古参軍曹が成ります。彈藥や兵器交換部品(機關銃豫備銃軀等)は、彈藥車(彈藥運搬用の専用車輛で砲車附属の彈藥車と互換できる)に積載し、必要に應じて小隊や重火器小隊の彈藥車に配給します。戰闘間はこの輜重車が各小隊の戰闘位置まで進出して、必要な彈藥と兵器を補給します。そのため彈藥車は小型で各小隊用に計4輛があり、分散して行動出来るようになっています。時には装甲車で運搬する事もあります。また山地では車輛を使えないので駄馬に積載する事があります。こうした彈藥運搬用の輜重を「小行李」と云い、彈藥以外に戰闘間所要の物品も運搬します。衛生材料(應急處置用)や防毒具(瓦斯消毒藥)、携帯口糧(炊事車が随伴しない最前線用の簡易食)、土工材料(塹壕・陣地構築用の工具)等です。小行李は戰闘必需品の補給が任務です。通常は大隊本部兵器掛が纏めて管理していますが、戰闘間は中隊に配属され行動を共にします。小行李の彈藥が空になると、前線に進出してきた軍直轄彈藥大隊の歩兵彈藥縱列から彈藥補充を受けます。縱列の彈藥車には拳銃・信號拳銃・小銃・散彈銃・短機關銃・機關銃・擲彈筒・歩兵砲・對戰車砲・歩兵戰車砲の彈藥・消耗部品が揃っており、彈藥箱の填實は空箱と實箱の交換で行います。戰闘終了後の使用彈藥數、兵器破損數、鹵獲兵器數を記録するのも兵器掛の役目です。中隊では修繕できない故障兵器を大隊の兵器掛に後送して、代わりの兵器を支給してもらうのも重要な仕事です。  → top

銃工手 pafil forghist, gunsmith(兵器部員、兵器學校兵器整備術練習所銃工術修了者)
中隊の故障兵器の修繕をします。名前は銃工ですが、扱うのは銃ばかりではなく、歩兵砲や擲彈筒などの火器、軍刀や銃劔などの白兵、歩兵戰車や輜重車などの車輛も扱います。いわば中隊の万能修繕工です。工具と部品は小行李の中隊本部附輜重車に積載してあります。  → top

銃工卒 ashistant pafil forghist, assistant gunsmith(歩兵一等卒、銃工術修業者)
銃工手の助手として働きます。  → top

看護手 flegist, medical aid(軍醫部員、軍醫學校看護術練習所看護術修了者)
各小隊の看護卒を指揮して、負傷者の應急手當送の段取をします。   → top

小行李長 et wagonoy chef, baggages chief(歩兵上等兵)
中隊配属の輜重(小行李)を指揮して、最前線の小隊あて戰闘に直接必要な物品(彈藥、兵器の豫備部品など)を届けます。(食糧は中隊の炊事車が當面必要な分を運搬しますが、激戰になると炊事車は後方に退り、食事が携帯口糧に切替わりますので、小行李が豫備の携帯口糧を積んで補給します。)輜重車は敵の標的とならないよう、また取廻しが樂なように成るべく小型車輛を使い1小隊に1輛の割で配属します。(中隊本部用輜重車は、小行李には属していません。)自働貨車(トラック)の通行が困難な著しい不整地・砂地・森林・湖沼・山嶽・雪地・泥濘地などでは、それぞれに適した車輛・舟艇ないし動物を使用し、最後には人力搬送も行います。その場合の小行李は輜重大隊から臨時に増員派遣されます。最も重寳がられるのは、路外走行が容易な半装軌三輪自働車で、激戰地區では完全装甲の装軌車が稀に使われます。挽馬も山嶽地で便利に使用され、急峻な山中では専ら騾馬に頼ります。外地では駱駝や象、牛も考えられます。水上での發動機附舟艇や筏、雪中での發動機附橇ないし動物(馬、トナカイなど)牽引橇、空中よりの落下傘補給筒の投下の他、包囲下での軍用犬による補給も可能です。小行李長が輜重兵でなく歩兵の古参兵であるのは、兵科の戰闘行動を熟知していて、適切な補給行動が出来るからです。  → top

小行李四半部指揮者 gard al part kuvaron de et wagonoy(輜重兵一等卒)
小行李の統率と護衛・監視に必要です。二輪自働車に乗り、騎兵銃で武装して輸卒を守り、車輛の手配や輸送路への誘導をします。小行李は大隊ごとに纏っていますが、戰闘時になると中隊に1/4づつ配属されます。それで中隊の小行李は正式には「小行李四半部」(=小行李1/4)となります。  → top

小行李四半部輸卒 portul al part kvaron de et wagonoy(輜重輸卒)
輜重車を運轉(或いは輜重動物を馭して、最前線の小隊に戰闘用物資を届けます。戰闘中に火線直後に輜重車を置いて、小隊に彈藥補給をします。また輜重車が空になったら引返して、大隊本部の位置まで進出している彈藥縱列(軍直轄の彈藥補給隊)の車輛から補給を受け、また中隊を追及します。途中で敵の遊撃兵の襲撃を受けたり、砲撃の標的となったりするので、危険な任務です。補給を断つと戰闘力が急激に低下するので、敵は隙あらば輜重を襲撃しようと狙っています。輸卒の武装は銃劔だけで、小行李長の歩兵と護衛の輜重兵がやられると、もうお手上げです。輸卒は膨大な人員があるので、貧乏國の軍隊は、とても拳銃や小銃を全員に配給できません。中隊長は護衛の歩兵分隊をつけ、鹵獲兵器を輸卒に與えたりして工夫します。  → top


☆大隊(1,105名)batalion, battalion  → top
【大隊本部】(101名)

大隊長(少佐)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
指揮班: 副官(中尉)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     軍旗掛(曹長)、書記(曹長)、傳令卒
     喇叭長(伍長)、喇叭手(伍勤)、鼓手、笛手(宗務部員)
     乗馬傳令伍(乗馬傳令手(上等兵)、乗馬傳令卒4)
     斥候長(伍長)、斥候卒、軍犬卒
     信號長(伍長)、傳鳩卒
      暗號手(上等兵)、暗號卒
      電話伍(電話手(上等兵)、信號卒4)
      無線電信伍(信號手(上等兵)、信號卒4)
陣營掛将校(大尉)、傳令卒、馬卒、從卒(經理部員)
 經理班:二等主計(經理部員)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     三等計手(經理部員)、傳令卒
     三等炊事長(經理部員)、炊事手(同)、炊事卒、炊事車馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重輸卒)
     三等縫工長(經理部員)、縫工手(同)、靴工手(左同)、縫工卒、靴工卒
 兵器班:兵器掛(二等兵器技手)、傳令卒、馬卒、從卒
     三等銃工長(兵器部員)、銃工手(同)、銃工卒
       蹄鐵工手(獸醫部員)、蹄鐵工卒
 軍醫班:二等軍醫(軍醫部員)、看護卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     三等看護長(軍醫部員)、看護手(同)、看護卒
     磨工手(藥劑部員)
     擔架伍四半部(看護卒、擔架卒4)
 宗務班:輔祭(宗務部員)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     從者(宗務部員)、傳令卒、聖歌手(宗務部員)
 行李: 大行李長(上等兵)
     行李伍半部(輜重兵一等卒2、輜重輸卒8)
【中隊】
第1〜4中隊(1,004名、第4中隊は重火器)  → top


大隊の正規密集隊形(縦隊横隊) 軍令7歩典1部169
中隊縦隊を横に並べたものです。
各中隊間の距離は8歩。先頭に立つ大隊長は、大隊から10歩の距離に位置し、副官を左側半馬軀後方に從えます。両者のみ乗馬です。
隊形を整頓するには大隊旗を立て、先頭小隊の両翼分隊長が嚮導となり正しい位置を占め、これを基準として各中隊が整列します。
大隊本部(大隊長・副官・軍旗曹長・行李・軍醫部員・陣營要員を除く)は第1中隊第1小隊の列外と共にあり、小隊附下士卒の右翼に位置します。全大隊の行李・軍醫部員・陣營要員は纏まって大隊の最後尾につきます。
             大隊長
            大隊副官
          (10歩)
第4中隊   第3中隊     第2中隊  第1中隊
  ●         ●          ●        ●
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  ●         ●         ●          ●
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  ●         ●         ●          ●
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  ●         ●         ●          ●
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   8歩
◆行李・軍醫部員・其の他從軍者
乗馬者、★中隊長、●小隊長、▲大隊軍旗曹長(大隊旗)、■分隊)各中隊間隔8歩
大隊長 batalion chef, battalion commander(歩兵少佐)
前線での戰闘は大隊が單位となります。大隊は攻撃・防御とも單獨で行うに足る十分な兵力と火力を持っており、數日間は補給無しで戰闘できるだけの備蓄物資を携帯しています。聯隊から命令を受けた大隊長は、どのようにして任務を遂行するか、自分で考えなければなりません。例えば丘の占領を聯隊長から命ぜられた大隊長は、斥候ないし配属獵兵を前進させて敵の状況を把握し、戰術を考えます。大隊長は作戰方針を決心すると、第1中隊を突撃隊とし、第2中隊を援護隊とし、第3中隊を豫備として手元に置き、第4中隊(重火器)に砲撃支援(擲彈筒による間接射撃、機關銃による敵の射撃制壓)を命じます。また聯隊本部に野戰砲兵(間接射撃)や歩兵戰車・戰闘工兵(敵機關銃座・掩蓋の破壊)の配属など必要な支援を要求します。戰闘中は大隊本部を成るべく前線に進めて、直接に戰況の推移を掌握し、信號と傳令を使って次々と必要な命令を發します。勝敗はひとえに大隊長の力量如何に懸かっています。丘の占領に成功すれば、次の目標に向けて大隊の態勢を整え、各中隊を配置しますが、戰果を擴大するために聯隊本部の命令を待っている暇が無い時には、命令を待たずに獨断専行して大隊を進め敵に出血を強いる事も許されます。(しかし敵の罠に陥り逆襲によって、せっかく占領した丘を奪回される事もあり、これは全く大隊長の責任になります。この邊の判断の良し悪しが大隊長の力量を問われるところです。餘り猪突猛進でも損害大となり敵の逆襲を誘發しますし、餘り慎重では戰線突破が出来ず敵に反撃準備の時間をたっぷり與える事になります。)  → top

馬卒 chevalul, batman(獸醫部雑卒、馬飼養術自働車運轉術修業者)
歩兵の少佐以上は乗馬本分(馬に乗って行動する)なので、馬卒が附いて乗馬の面倒を見ます。馬の轡取りはもちろん、飼養・手入、馬具の修繕から簡單な蹄鐡の附替までやります。歩兵も機械化されたので、乗用自働車ないし側車附二輪自働車の運轉と整備もします。大隊長は指揮の為に各中隊間を驅廻るので、馬卒は常に乗馬乃至自働車と共に控えていて、指揮官の足を提供します。  → top

大隊副官 batalion adyutant, battalion adjutant(歩兵中尉)
大隊本部指揮班長として大隊長を補佐します。指揮に必要な本部要員は副官の支配下にあります。平時と違い、戰場では大隊が重要な戰闘單位となりますので、處理すべき事務量も聯隊本部より多くなり(兵營で聯隊本部に集約されていた機能が、野戰では大隊本部に移される)、いったん戰闘に入ると大隊本部に集中する情報は膨大なものとなります。これらを迅速に處理するには副官の事務能力が適切でなければなりません。優秀な副官は常に流れるように事務を處理していき、停滞することがありません。小隊長のうち優秀な者が副官に抜擢されます。大隊長と行動を共にすることが多いので、乗馬本分です。  → top

軍旗掛 batalion standard serghent, battalion color sergeant(歩兵曹長)
行進時に大隊旗を捧持するので、この名が附いていますが、普段は大隊本部指揮班の先任下士として本部附き下士卒の人事管理をし、また副官の補佐役として本部の庶務を引受けます。命令書など諸文書の作成・授受・保管はもとより、大隊本部の行軍・宿營・食事・歩哨の勤務割まで細々(こまごま)とした日常生活の秩序は軍旗曹長の號令で維持されます。また地圖や暗號をはじめとする機密書類の管理も行います。書類箱や事務用品は大隊本部輜重車に積載して移動します。  → top

書記 batalion skribist, battalion clerk(歩兵曹長)
軍旗曹長と共に膨大な書類仕事を處理します。野戰にあっても、煩雑なお役所仕事は附いてまわります。殊に戰闘終了後は戰闘詳報など上級本部に提出する報告書の取纏めと清書に徹夜の聯續となります。  → top

喇叭長 btalion chef trumpetist, battalion chief buglar(歩兵伍長、歩兵學校軍樂術練習所喇叭長教程修了者)
大隊所属の喇叭手、鼓手、笛手全員の吹奏術教育を行います。また分列行進時には大隊號音及行進譜吹奏の指揮を執ります。それだけでは暇なので、普段は大隊本部事務の手傳をします。そうしないと書記だけでは書類を處理しきれないからです。  → top

喇叭手 batalion trumpetist, battalion buglar(上等兵、歩兵學校軍樂練習所喇叭術修了者)
大隊本部の喇叭吹奏をしますが、戰場で喇叭を鳴らすことは滅多にありませんので、専ら事務の手傳をします。  → top

鼓手 batalion tamburul, battalion drummer(歩兵雑卒、軍鼓術修業者)
軍鼓はあまり打つ機會がありません。郵便係兼印字手(タイピスト)として忙しく働きます。  → top

笛手 batalion fayfilul, battalion pfeifer(宗務部員、聖歌術横笛術修業者)
大隊本部の雑用をします。お茶を汲んだり、書類を届けたり、掃除をしたりします。時々、本部要員の慰安のために笛を吹いたり歌ったりします。  → top

乗馬傳令手 batalion herold per cheval, battalion mounted orderly(歩兵上等兵、歩兵學校乗馬歩兵練習所乗馬術二輪自働車操縦術修了者)
乗馬ないし二輪自働車で聯隊本部と大隊本部を往復し、機密文書の運搬や口頭命令の傳達をします。また大隊乗馬傳令卒(本部附4、中隊附4)の教育をします。  → top

乗馬傳令卒 batalion ashistant herold per cheval, battalion assistant mounted orderly(歩兵一等卒、乗馬術二輪自働車操縦修業者)
各中隊に命令を傳達します。4名いるのは、大隊の中隊數が4あるからです。斥候の人手が足りない時には、その補助として使用されることがあります。  → top

斥候長 batalion chef skolt, battalion chief scout(歩兵伍長、歩兵學校輕歩兵練習所斥候長教程修了)
大隊行軍時に斥候(大隊附2名、中隊附20名)を臨時に指揮して、前方・側面・後方を警戒します。一部の乗馬傳令も指揮下に入れます。また要すれば大隊より遠く離れて前進し、索敵をします。大隊の耳目です。  → top

斥候手 batalion skolt, battalion scout(歩兵上等兵、歩兵學校輕歩兵練習所斥候術修了者)
斥候長の補佐をしますが、すぐれた遊撃戰の特殊技能を持つ最右翼の斥候兵です。  → top

斥候卒 batalion ashistant skolt, battalion assistant scout(歩兵一等卒、斥候術修業者)
大隊本部専属の斥候として、大隊長と共に行動します。  → top

軍犬卒 ashistant canis uzist, assistant wardog handler(歩兵一等卒、軍犬術修業者)
軍用犬を管理し本部や各中隊の斥候・歩哨に貸出します。また他の通信手段が使えない時には、通信文を犬に託して運ばせます。激戰で通常の補給ができない時には彈藥・器材・衛生材料・糧秣など補給品も運びます。さらに毒瓦斯の檢出や負傷者の捜索にも使います。このため常に複數の犬を飼養して、訓練を怠りません。軍用犬が大隊の危機を救った例は多く、勲章を貰う犬もあります。(寫眞左:背の嚢帯に通信文を入れて傳令に出發、右:遺棄負傷者を發見)  → top

信號長 batalion chef signalul, batallion chief signalman(歩兵伍長、工兵學校信號術練習所信號長教程修了)
大隊本部と4箇中隊・聯隊本部との通信線を確保します。  → top

信號手 batalion signalul, batallion signaler(歩兵上等兵、工兵學校信號術練習所信號術修了者)
信號長の補佐をします。電氣信號は晝夜を問わず受發信しなければならないので、信號長が寝ている夜間は、信號手が指揮を取ります。  → top

傳鳩卒 ashistant kolomb uzist, assistant pigeon handler(歩兵一等卒、傳鳩術修業者)
他の遠距離通信手段が使えない時、傳書鳩を使って通信します。鳩の御陰で孤立した大隊が助かった例があります。戰闘中は鳩を數羽入れた箱を背負って信號長に附いてますが、其の他の時は信號器材車の中に鳩小屋を持っています。  → top

暗號卒 ashistant chifrist, assistant decoder(歩兵一等卒、暗號術修業者)
大隊本部が受信した暗號電文を解讀し、必要があれば發信文を暗號に組みます。常時携帯している暗號表は敵が解讀しないように頻繁に變更されますが、それでも敵に包囲された時には大隊長の命令により、また負傷したり捕虜となる時には獨断で暗號表を焼却します。なかには焼く暇が無いので千切って食べてしまった例もあります。腕のよい者は素早く暗號を平文にしてしまいます。先方のコードの組方が間違っていてうまく解けない時もあり、大隊長を困らせます。暇そうに見えますが、暗號文がくれば夜でも叩き起こされて、仕事をします。それで暗號手はいつも電信器の傍で寝起きし、食事も其處でします。1人しかいない暗號卒が倒れた時は、信號長が代りをします。  → top

電話伍 batalion telefon kunular, batallion wire team(電話手、信號卒4)
大隊本部と聯隊本部との間の電信線を敷設し保守します。信號卒が電線を巻いた大きな輪を背負い、走ってグルグルと線を延ばしていきます。地面を這わせたり、樹の枝に懸けたりして兎に角迅速に簡易に電話線を繋いで了うと、電話手が電話器と小型電信器を接續して通話試驗をします。戰闘中に銃砲彈で断線すると直ぐに驅けつけて線を繋ぎ直します。敵の斥侯が切断してしまう事もよくあります。大抵の大隊長は無線傍受を懼れて有線電信を使用するので、大忙しです。電話線など器材は信號器材車に積んであります。  → top

無線電信伍 batalion radio kunular, batallion radio team(信號手、信號卒4)
中型無線電氣信號器を据えて、中距離無線電信を行います。信號卒は晝夜交替當番で通信の發受をします。小隊・中隊本部・大隊本部間は無線電信で(頻繁に移動するので電線を敷くのが追いつかない)、大隊本部・聯隊本部間は有線電信で通信するのが普通です。砲兵隊と随伴する時には、砲兵が敷いた有線電話線を使用させて貰います。また塹壕戰など陣地戰闘では成る可く有線電信線を敷くようにします。  → top

陣營掛将校 batalion kampadey majstr, batallion quarter master(歩兵大尉)
大隊の後方支援一切を指揮します。彈藥・糧秣が途切れないように補給し、陣營を設定し、交通路を確保し、兵器を修繕し、傷病者を後送し、その他ありとあらゆる事の面倒を見ます。大隊本部の護衛も重要な役目ですが、配属獵兵や豫備に指定した中隊を使って、歩哨線を張ります。不良兵の懲罰や捕虜の監視、鹵獲兵器の回収迄します。糧秣や車輛が不足した時は、徴發を指揮します。この職は若い将校では勤まらないので、最古参の大尉が睨みを利かせて、しっかりと後方を守ります。あちこち驅廻るので、副官と同じく乗馬本分です。  → top

二等主計 batalion intendant, battalion pay master(經理部員)
經理班長として金銭出納・糧秣・被服・陣營具の管理をします。大隊長といえども財布の紐を握っている主計の署名なしには、自由に物を買えません。戰場では軍票が紙幣代りですが、私費での買物は、やはり金貨や銀貨で支佛う方が人氣で、良い品やサービスが手に入ります。金貨を持っていない兵卒は、配給の煙草や食糧を貨幣代りに使います。主計は炊事と被服にも責任を持っています。毎日、各炊事車を巡回して、兵食の味見をしますから、肥っています。あちらこちら驅廻るので、乗馬本分です。  → top

三等計手 batalion ashistant indentant, battalion assistant pay master(經理部員、經理學校計手候補生隊計手教程修了)
傳票を整理し、帳簿を整え、現金の出納をします。帳簿・算盤や貨幣を入れた金櫃(金庫)を大隊本部輜重車に積込み、移動します。野戰の将校・准士官は炊事車から兵隊と同じ物を食べ、大行李から被服を貰いますが、その代金は給料から差引かれます。(下士卒は食事その他の官給品は給料代りの現物支給なので、差引かれない)それで士官の食事傳票が各中隊から集ってきて、毎日是を仕譯けるのが一仕事です。糧秣の補給と分配も大きな仕事です。傳票を切って大行李長に渡し、荷が到着すると品物の數を調べなければなりません。進軍しているときは、補給の間に合わない場合が多く、いきおい現地徴發となり、その支佛もなかなか仕事です。町や村に大隊が入ると、配属獵兵と協力して宿舎の割當をします。野營では天幕をどの位置に張るかの手配もします。糧秣・被服・陣營具は大行李に積込んで移動します。  → top

三等炊事長 batalion chef kuirist, battalion chief cook(經理部員、經理學校炊事長候補生隊炊事長教程修了)
大隊の炊事を監督します。大隊が集合して陣營する時には、各中隊の炊事手以下要員を指揮下に入れて、合同炊事をします。炊事長は将校・准士官用の會食の面倒も見ます。自ら調理するので、腕の良い料理人が召集されて大隊に配属されると、あっと云う間に大隊炊事長となります。しかし聯隊本部や旅團司令部などに、すぐ取られてしまうので、軍隊の炊事長の腕前は上級司令部になればなるほど良くなると云うのが通説です。  → top

炊事手 batalion kuirist, battalion cook(經理部員、經理學校衣糧術練習所炊事術修了者)
大隊本部要員に食事を供給します。中隊と同じ300人用大釜を2箇備えた炊事車を持っていますが、これは大隊本部の定員外に、臨時配属の獵兵、騎兵、工兵にも食事を出さなければならないからです。  → top

三等縫工長 batalion chef kudrist, battalion chief tailor(經理部員、經理學校縫工長靴工長候補生隊縫工長教程修了)
大隊の被服修繕を監督します。ただし被服の運搬・配給は大行李と計手の仕事です。大隊本部輜重車に工具・材料を積んで移動します。自ら縫工作業もします。靴は被服のうちなので、靴工も指揮下にいれます。大隊が前線から後方に歸ると軍司令部の巡回休養部と聯絡して、洗濯請負人に官費で洗濯を出す事務も辯じます。  → top

縫工手 batalion kudrist, battalion tailor(經理部員、經理學校衣糧術練習所縫工術修了者)
被服修繕・階級章徽章類の附替えなどの作業に専念します。破損の酷い被服は、大行李に積んである新品と交換してしまうので、あまり縫工作業そのものは多くなく寧ろ防毒面の点檢等に手を取られます。大隊が集合する時には各中隊の縫工卒を集合させて指揮下に入れ、縫工場を假設し作業をします。  → top

靴工手 batalion shufarist, battalion shoe maker (經理部員、經理學校衣糧術練習所靴工術修了者)
靴の修繕をします。被服のうちで最も損耗が激しいのが靴で、特に歩兵は歩くのが商賣ですから、いつも状態の良い靴を履かせておかなければならないので、大忙しです。この他に馬具・革帯(ベルト)・彈藥盒・拳銃嚢など皮革装具の修繕も擔當範囲です。工具・材料は大隊本部輜重車に積んで移動します。大隊が集合する時には各中隊の靴工卒を集合させて指揮下に入れ、靴工場を假設し作業します。  → top

兵器掛 batalion ordnanc oficir, battalion ordnance officer(二等兵器技手)
大隊の兵器を管理します。彈藥・部品補給から故障修繕・交換、敵の遺棄兵器鹵獲まで、いっさいの面倒を見ます。特に戰闘後には速やかに兵站監部所属の彈藥大隊歩兵彈藥縱列を招致して小行李への彈藥補充を行います。また敵の遺棄した兵器を集め再利用したり後送したりの指揮を執ります。平時の兵營では兵器委員として勤務します。修繕作業そのものは准士官以下の兵器部工長の職人仕事に任せきりです。あちらこちら驅けずり廻るので乗馬本分です。  → top

三等銃工長 batalion chef pafil forghist, battalion chief gunsmith(兵器部員、兵器學校工長候補生隊銃工長教程修了)
中隊の銃工手では手に負えない故障兵器を引受けて修繕します。工作車に旋盤など工具・材料・部品を載せて移動し、その場で修繕工場を開きます。銃工の名にもかかわらず大隊の兵器なら何でも扱います。小は銃劔・軍刀と云った白兵から大は歩兵戰車まで、應急修理はお手の物です。戰闘中の兵器故障は非常に多く、次の戰闘までに直しておかないと、戰力に響きますので何時でも大忙しです。大隊集合時には各中隊の銃工手を集合させて是を指揮し作業させます。  → top

蹄鐵工手 batalion hufferist, battalion horseshoe smith(獸醫部員、獸醫學校蹄鐵術練習所蹄鐵工術修了者)
大隊馬匹の蹄鐵の交換をする他、軍用犬、傳鳩を含めた軍用動物の醫療も受持ちます。工作車に工具・材料を載せて移動し、修繕工場の中に蹄鐵場を開いて作業します。  → top

蹄鐵工卒 ashistant hufferist, assistant horseshoe smith(歩兵一等卒、蹄鐵工術修業者)
蹄鐵工手の助手です。歩兵の中から獸醫部志願者を募り、こうして見習をさせます。  → top

二等軍醫 batalion kirurug, battalion surgeon(軍醫部員、醫師開業免許所持)
各中隊から後送されてくる傷病者を傷兵溜(彈丸の来ない窪地や岩陰などに設定する傷病者集合場所)に集合させ診察し、看護手や看護卒の施した應急措置に訂正あるいは追加を行い、傷病名を明記した札を附けさせて更に後送します。獨歩患者は聯隊の假繃帯所までトボトボ歩きます。横臥患者は師團衛生隊の擔架中隊が収容しに来る迄待たなければなりません。行李の空輜重車が物品を集積所に補充しに行く時は、これに便乗させて後送します。戰闘時以外でも、飲料水の檢査や傳染病の豫防など、大隊の衛生を管理します。軍醫は傷兵溜の場所を決めたり、傷病者の収容状況を見回ったりするため、走廻るので乗馬本分です。  → top

軍醫附看護卒 ashistant flegist al surgeon, assistant medical corpsman attached to surgeon (歩兵一等卒、應急看護術擔架術修業者)
将校に附く傳令卒の代りです。1人でも軍醫部員が多い方がよいので、歩兵が附く代わりに看護卒が附いています。また看護卒でないと分からない傳令内容が多いのも理由です。  → top

三等看護長 batalion chef flegist, battalion hospital sergeant(軍醫部員、軍醫學校看護長候補生隊看護長教程修了)
傷兵溜の設營、傷病者の受入・看護・給養・護衛・後送の實務を受持ちます。戰死者の遺品・認識票も集めます。  → top

磨工手 batalion apotek metiist, battalion dispensary 1st assistant(藥劑部員、軍醫學校磨工術練習所磨工術修了)
大隊の藥局屋さんです。大隊の調劑、衛生檢査、衛生材料(藥品、器材)管理、療養器具修繕をします。衛生材料車に工具・衛生材料を積載し、移動します。傷兵溜では十分な藥品・治療器具材料を軍醫に供給します。大隊大行李は野戰衛生材料廠で衛生材料を積載運搬し、これを磨工手の衛生材料車に補給します。  → top

磨工卒 batalion ashistant apotek metiist, battalion dispensary asssistant(歩兵一等卒、磨工術修業者)
磨工手の助手として働きます。衛生材料車の運轉と護衛もします。  → top

擔架伍四半部指揮者(看護卒、應急看護術擔架術修業者)
傷兵溜の横臥患者を移動擔送する指揮をとります。  → top

擔架伍四半部擔架卒4(軍醫部員、擔架術修業者)
傷兵溜での患者移動を専らとし、各中隊の患者は師團配属の衛生隊擔架中隊が前線に進出してきて収容します。傷兵溜内では4人で擔架一臺を擔い、徒歩で横臥患者を運びます。また傷兵溜が移動する時には、小型擔架車4を使います。  → top

輔祭 assistant chaplain(宗務部員)
宗務班長として、祈禱のほか、軍使、通譯・翻譯、校正、郵便の檢閲、軀上相談、慰問の手配、少年兵の讀書算盤教育(小學校高等科程度)、占領地宣撫等をこなします。各中隊を巡回して祈禱をするため、乗馬本分です。  → top

從者 servant(宗務部員)
祈禱の補助のほか、書瀚・慰問品の整理・分配をします。毎日、兵隊どもの手紙に檢閲濟の判子を押しているので、指はインクまみれです。  → top

聖歌手 choirboy(宗務部員、聖歌術横笛術修業者)
輔祭附で、祈禱の補助と共に聖歌を唱えます。他中隊の聖歌手(笛手)と共に合唱する事もあります。  → top

大行李長 wagon master(歩兵上等兵)
大行李(中型自働貨車8輛)を指揮して、戰闘中にぜひ補給しなければならないと云うのではなく、戰闘が終わってから補給しても支障ない物品(糧秣・被服・陣營具・衛生材料など)を運搬し、不足分は野戰倉庫から配給を受けます。1中隊に1輛の割當てで配車しますが、中隊専属と云うわけではなく、大隊全隊で運用します。2輛が物品補充に後方に引返している間に、残る2輛が各中隊の位置に巡回進出して補給を實施すると云う段取りです。最も消耗が激しいのは糧秣で(自働車用燃料を含む、糧秣の「秣」は馬用食糧ですが、自働車化されると燃料が其れに取って代わります)、毎日、大量の補給が必要です。「兵站地→糧食縱列→野戰倉庫→大行李→炊事車」の順で食糧は補給されます。大行李車輛は、この糧秣の補給で、しよっちゅう前線と後方を往復していますが餘り大隊の進軍速度が迅すぎると、野戰倉庫の開設が追い附かずに補給線が伸びきってしまい、大隊は缺食となります。野戰倉庫の代りに簡易な糧食分配所が設けられますが、それでも間に合わない時は、大隊主計が現地徴發を行い、軍票と引換に、そのへんの民家の食糧を根こそぎ大行李に積込んでしまいます。欧州大戰(1914〜18)の西部戰線の初期、獨逸軍は巴里に迫ろうと速い進撃を行ったので、このような補給状態になったと云われています。なお兵站監部の野戰給養部から酒保商人の派遣する酒保車が一輛追随するのが普通です。
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行李伍半部 half part of wagons(輜重兵一等兵2、輜重輸卒8)
中型自働貨車1輛につき運轉手と助手、計2名が必要なので、(輜重車は晝夜を分かたず大隊と後方を往復するので、2名乗組で交代で運轉する)4輛編成の大行李には輜重輸卒8と、その指揮・監視・警備に武装した輜重兵が2名必要です。輜重兵は中隊の小行李と同じく、乗馬本分で、騎乗または二輪自働車に乗ります。  → top

土工手 battalion sapper(歩兵上等兵、工兵學校土木練習所鍬兵術修了)
土工長の助手として、土工要員を指揮します。  → top


☆聯隊(3,488名)  → top

【聯隊本部】(173名)

聯隊長(大佐)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     旗手(少尉)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     軍旗掛(曹長)、傳令卒
指揮班: 副官(大尉)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     書記(曹長)、傳令卒
     喇叭長(軍曹)、喇叭手(上等兵)、鼓手、笛手(宗務部員)
     乗馬傳令長(伍長)
      乗馬傳令伍(乗馬傳令手(上等兵)、乗馬傳令卒4)
     斥候長(軍曹)、斥候手(上等兵)、斥候卒
     軍犬手(上等兵)、軍犬卒
     信號長(軍曹)
      傳鳩手(上等兵)、傳鳩卒
      暗號手(上等兵)、暗號卒2
      電話伍(電話手(上等兵)、信號卒4)
      無線電信伍(信號手(上等兵)、信號卒4)
陣營掛将校(中佐)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
 經理班:一等主計(經理部員)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     二等計手(經理部員)、傳令卒
     二等炊事長(經理部員)、炊事手(同)、炊事卒、炊事車馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重輸卒)
     二等縫工長(經理部員)、縫工手(同)、縫工卒
     三等靴工長(經理部員)、靴工手(同)、靴工卒
 兵器班:兵器掛(一等兵器技手)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     上等工長(兵器部員)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     二等銃工長(兵器部員)、銃工手(同)、銃工卒
       三等蹄鐡工長(獸醫部員)、蹄鐡工手(同左)、蹄鐡工卒
 軍醫班:一等軍醫(軍醫部員)、看護卒、馬卒、從卒
     二等看護長(軍醫部員)、看護手(同)、看護卒
     三等磨工長(藥劑部員)、磨工手(同)
     擔架伍(看護手(軍醫部員)、看護卒4、擔架卒16)
 宗務班:輔祭長(宗務部員)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     從者(宗務部員)、傳令卒、聖歌手(宗務部員)
 行李: 行李長(軍曹)
     行李伍八半部(輜重兵一等卒、輜重輸卒2)
【大隊】
第1〜3大隊(3,315名)  → top


聯隊正規密集隊形(縦隊横隊) 軍令7歩典1部197
縦隊横隊を1〜3線に配置します。
各大隊は20歩の間隔をとり、聯隊長は聯隊の先頭列の中央前約20歩に位置し、副官を左側半馬軀後方に從えます。両者は乗馬です。
聯隊本部と大隊本部要員は、列外小隊として輜重と共に最後尾につきます。
軍旗を奉持する旗手は、聯隊の先頭列の中央前15歩に、側面縦隊にあっては先頭に位置し、聯隊行進の基準となります。
         聯隊長
        ★聯隊副官
         ▲旗手 

第3大隊   第2大隊   第1大隊 
                     
■■■■ ■■■■ ■■■■ 
      ●       ●        ●

◆列外(喇叭長・喇叭手・鼓手・笛手)
◆輜重
_____________________________________
【閲兵式の隊形】(縦隊横隊)
第3大隊   第2大隊   第1大隊 
                          旗手 聯隊長
                     ▲  
■■■■●  ■■■■● ■■■■●  ★大隊ニ属セサル聯隊附将校  

◆列外 ■喇叭長・喇叭手・鼓手・笛手 軍樂隊分遣隊(廉あるとき配属)
_____________________________________
【分列式の隊形】(中隊縦隊を使用) 軍令7歩典3部8

    聯隊長
  ★★聯隊副官・聯隊附佐官
(8歩)
    ▲旗手・軍旗衛兵
(8歩)
   軍樂隊長或は喇叭長
軍樂隊或は喇叭手・鼓手・笛手  

(16歩)
    第1大隊長
    ●第1大隊副官
(8歩)
    ●第1中隊長
    ●第1小隊長
   ■■■■
    ●第2小隊長
   ■■■■
    ●第3小隊長
   ■■■■
    ●第4小隊長
   ■■■■
   第2中隊
   第3中隊
   第4中隊

(24歩)
   第2大隊
(24歩)
   第3大隊
(24歩)
   列外小隊・輜重
___________________
【軍旗衛兵の編成】 軍令7歩典1部197
 ●▲●
 ●●●
  ■
(▲聯隊旗手●軍旗衛兵:聯隊長の選抜した一等卒5名が着劔して旗手を護衛する■肩刀の軍旗曹長が附き衛兵を指揮する。旗手の傍らに位置して先導する事がある。)
大隊長、●大隊副官、▲聯隊旗手・軍旗衛兵)
聯隊長 regiment chef, regimental commander(歩兵大佐)
3箇歩兵大隊を指揮して、戰區の戰闘管理をします。配属部隊も併せて指揮するので、その時には小型の混成旅團長と云う役割になります。さらに隷属する旅團司令部の指揮下から獨立して行動する時は、臨時に「支隊」と呼ばれ、聯隊長の姓を冠して「○○支隊」と云います。聯隊長は状況を判断しながら、作戰命令を出し、諸大隊と配属部隊を動かします。通常は2箇大隊が前線で戰闘し、残る1箇大隊は豫備として第2線に控置します。前線大隊の損耗が激しい時には、豫備大隊と交代させ、また重点攻撃目標のある時には増援として豫備大隊を進出させます。配属部隊には通常の場合、師團の龍騎兵聯隊、野砲兵聯隊から各1中隊、工兵大隊から半中隊、軍直轄の獵兵大隊、獵騎兵聯隊、防毒工兵大隊から各1中隊が分遣されてきます。また状況により他の歩兵聯隊から抽出された増援大隊が配属となることもあります。戰線が擴りすぎたり損害大の時には、兵站守備兵力の獨立混成旅團や後備歩兵聯隊から2線級の大隊が配属されてきます。逆に隷下の歩兵大隊も抽出されて他部隊に臨時に配属されることは日常茶飯事です。自分の歩兵聯隊そのものが、例えば軍直轄騎兵旅團の配属歩兵となることもあります。此の様に歩兵聯隊は小型の混成旅團として、從来の正規の編成とは違った應急的な編成で戰場を行動します。米軍や獨軍の戰闘團(battle group, Kampfgruppe)と同じです。聯隊長は常に戰線の動きを見ていて、隷下大隊と配属部隊の前線での進退を適切に決めなければなりません。聯隊長は何時も本部を前線の眺望できる位置に進め、電信をはじめとする通信網で上級司令部の命令を受け、隷下諸部隊を指揮します。第一線に姿を現し自ら戰闘することは通常ありませんが、聯隊長が自ら軍刀を揮って突撃すると云い出すと、それはもう部隊壊滅、戰線崩壊の時です。  → top

聯隊旗手 regiment ensign, regimental colorbearer(歩兵少尉)
行進時に聯隊旗を捧持しますが、戰場では聯隊旗を小さく折り畳んで棹と共に聯隊本部輜重車に納めておき、滅多に使用しません。旗手は聯隊の最も若い年次の少尉から選ばれますが、条件が眉目秀麗で童貞である事(實際にそうでなくとも、頻繁に悪所通いしなければよいらしい)と云うので、聯隊長も選考に苦労するようです。通常は聯隊長の傍に附いていて秘書兼護衛役をします。戰闘中は書板を首から懸け鉛筆を握って戰闘記録をとります。聯隊本部では、暗號書や作戰地圖等機密文書を扱います。旗手は次の少尉に職を譲ると小隊長となりますが、中尉に進級すれば大隊副官になる事が多く、其の職は割と閑なので参謀候補者の受驗勉強に専念し大抵は参謀本部の参謀養成課程に入ります。もともと聯隊長も本人の適性を見て任命するので、聯隊旗手になれば野戰部隊長コースではなく参謀コースに決まりと周囲から看做されます。レミニア陸軍では参謀将校は極端に優遇される譯ではありませんので、野戰部隊長で勲章を一杯貰って出世も早い、と云うコースに向かない人は参謀でコツコツと努力する事になります。  → top

軍旗掛 regiment standard serghent, regimental color sergeant(歩兵曹長)
聯隊旗手が聯隊旗を捧持する時には、その護衛として抜刀した儘右側に並んで附いています。また軍旗護衛兵を指揮します。通常は旗手の扱う機密文書の取扱實務をこなします。  → top

聯隊副官 regiment adyutant, regimental adjutant(歩兵大尉)
聯隊長が指揮を執る時、その耳目手足として活躍します。平時には聯隊本部に集約されていた事務は、それぞれの大隊本部に移されているので、専ら命令の作成・授受が主任務となります。  → top

書記 regiment skribist, regimental clerk(歩兵曹長)
文書の授受・清書・保管整理および庶務を取扱います。  → top

喇叭長 regiment chef trumpetist, regimental chief buglar(歩兵軍曹、歩兵學校軍樂練習所喇叭長教程修了)
聯隊の行進時に全中隊の喇叭手・鼓手・笛手を指揮して行進譜・信號譜の吹奏をする他、大隊喇叭長と共に聯隊鼓笛要員の教育をします。また指揮班の書記助手として事務を手傳います。  → top

乗馬傳令長 regiment chef herald per cheval, regimental chief mounted orderly(歩兵伍長、歩兵學校乗馬歩兵練習所乗馬傳令長教程修了)
聯隊乗馬傳令(本部附5、大隊本部附15、中隊附12)の教育をします。また戰闘中は、聯隊長附の乗馬傳令として、聯隊長指名の箇所と聯隊本部を往復します。  → top

乗馬傳令手 regiment herald per cheval, regimental mounted orderly(歩兵上等兵、歩兵學校乗馬歩兵練習所乗馬術二輪自働車操縦術修了者)
旅團司令部(支隊の場合は直隷の司令部)との傳令をします。  → top

乗馬傳令卒 regiment ashistant herald per cheval, regimental assistant mounted orderly(歩兵一等卒、乗馬術二輪自働車操縦術修業者)
4名あって、大隊本部3と配属部隊あわせて4箇所との傳令をします。  → top

斥候長 regiment chef skolt, regimantal chief scout(歩兵軍曹、歩兵學校輕歩兵練習所斥候長教程修了)
聯隊斥候(本部附2名、大隊本部附9名、中隊附60名)の教育をします。また、これらを臨時に指揮して、警戒、強行偵察、狙撃戰鬪をします。乗馬傳令も要すれば指揮下に入れます。  → top

斥候手 regiment skolt, regimental scout(歩兵上等兵、歩兵學校輕歩兵練習所斥候術修了者)
斥候長の補佐をします。  → top

斥候卒 regiment ashistant skolt, regimental assistant scout(歩兵一等卒、斥候術修業者)
聯隊本部専属の斥候として、聯隊長と共に行動します。  → top

軍犬手 regiment canis uzist, regimental wardog handler(歩兵上等兵、獸醫學校軍犬術練習所軍犬術修了者)
聯隊の軍用犬を管理し、聯隊本部・大隊本部・中隊の斥候や歩哨に貸出します。また軍犬卒(全聯隊で4名)の教育をします。  → top

軍犬卒 regiment ashistant canis uzist, regimental assistant wardog handler(歩兵一等卒、軍犬術修業者)
軍犬手の助手として犬の飼養・管理をします。  → top

信號長 regiment chef signalul, regimental chief signalman(歩兵軍曹、工兵學校信號術練習所信號長教程修了)
聯隊本部と3箇大隊本部・旅團司令部(支隊の場合は直隷司令部)との通信線を確保します。  → top

信號手 batalion signalul, batallion signaler(歩兵上等兵、工兵學校信號術練習所信號術修了者)
信號長の補佐をし、夜勤信號當直の指揮者です。  → top

傳鳩手 regiment kolomb uzist, regimental pigeon handler(歩兵上等兵、獸醫學校傳鳩術練習所傳鳩術修了者)
聯隊の傳書鳩を飼養・管理し、訓練します。また聯隊の全傳鳩卒(4名)の教育をします。聯隊信號器材車の中に鳩小屋をもっています。  → top

傳鳩卒 regiment ashistant kolomb uzist, regimental assistant pigeon handler(歩兵一等卒、傳鳩術修業者)
傳書鳩を使って聯隊本部と上級司令部との通信をします。鳩は500kmの飛翔距離があるので、なまじの無線電信よりも確實な遠距離通信が可能です。  → top

暗號手 regiment chifrist, regimental decoder(歩兵上等兵、工兵學校信號術練習所暗號術修了者)
聯隊本部の暗號電文の解讀・暗號組みをします。  → top

暗號卒 regiment ashistant chifrist, regimental assistant decoder(歩兵一等卒、暗號術修業者)
暗號手の助手として交代で當直につきます。  → top

電話伍 regiment telefon kunular, regimental wire team(電話手、信號卒4)
聯隊本部と旅團司令部(支隊の場合は直隷司令部)との間に電信線を敷設し、保守します。聯隊信號器材車に器材を積込んで移動します。  → top

無線電信伍 regiment radio kunular, regimental radio team(信號手、信號卒4)
中型無線電氣信號器を据えて、中距離無線電信を行います。信號卒は晝夜交替當番で通信の發受をします。聯隊本部以上の司令部間通信は専ら電話ないし有線電信を使用しますが、直接に配属部隊や大隊本部と遣取する時は、無線電信を使います。また飛行部隊との通信は無線でなければなりません。  → top

陣營掛将校 regiment kampadey majstr, regimental quarter master(歩兵少佐)
聯隊の後方支援一切を指揮します。しかし大隊單位で殆どの支援が實行されてしまうので、聯隊本部の陣營を設定し、大隊では修繕不可能な故障兵器や大隊傷兵溜からの傷病者を収容し、その他、大隊の行えない事柄を引受けます。行軍時には、旅團ないし師團が行軍路の整備(渡河手段を含む)をしますが、聯隊が獨立して、あるいは支隊として行軍する時は、行軍路の整備も受持ちます。配属工兵部隊を指揮して架橋を行い、舟艇を準備し、また道路上の障害物を除去します。  → top

一等主計 regiment intendant, regimental pay master(經理部員)
經理班長として金銭出納・糧秣・被服・陣營具の管理をします。しかし大隊段階で大部分が實行されてしまうので、軍資金の保管、軍票の準備、帳簿の整理などが主な仕事です。  → top

二等計手 regiment ashistant indentant, regimental assistant pay master(經理部員、經理學校計手候補生隊計手教程修了)
主計の助手として計算や記簿をこなします。軍資金を入れた金櫃(金庫)を聯隊本部輜重車に積込み移動します。聯隊本部の宿營・野營の世話も大きな仕事です。また聯隊大行李の管理もします。  → top

二等炊事長 regiment chef kuirist, regimental cook sergeant(經理部員、經理學校炊事長候補生隊炊事長教程修了)
聯隊本部要員および本部直属配属部隊に食事を供給します。聯隊選抜の腕前を持つ料理番で、将校會食の正餐献立は、お手のものです。  → top

炊事手 regiment kuirist, regimental cook(上等兵相當經理部員、經理學校衣糧術練習所炊事術修了者)
炊事長の助手として専ら下士卒用食事を供給します。やはり300人用大釜を2箇を備えた炊事車を持っています。  → top

二等縫工長 regiment chef kudrist, regimental chief tailor(經理部員、經理學校縫工長靴工長候補生隊縫工長教程修了)
聯隊の被服修繕を監督し、大隊縫工長・縫工手、中隊縫工卒の教育をします。聯隊本部輜重車に工具・材料を積んで移動します。靴工と洗濯職人も指揮下にいれます。  → top

縫工手 regiment kudrist, regimantal tailor(經理部員、經理學校衣糧術練習所縫工術修了者)
縫工長の助手として働きます。  → top

三等靴工長 regiment chef shufarist, regimental chief shoe maker (經理部員、經理學校縫工長靴工長候補生隊靴工長教程修了)
聯隊の靴修繕を監督し、大隊靴工手・中隊靴工卒の教育をします。工具・材料は聯隊本部輜重車に積んで移動します。  → top

靴工手 regiment shufarist, regimental shoe maker (經理部員、經理學校衣糧術練習所靴工術修了者)
靴工長の助手として働きます。  → top

兵器掛 regiment ordnanc oficir, regimental ordnance officer(一等兵器技手)
聯隊の兵器を管理します。大隊段階で處理し切れないものは此処で面倒を見ます。各大隊から兵器改良についての意見具申を受附け、旅團兵器掛に取次ぎます。聯隊レベルで實行可能な案は、早速實行します。實戰で兵器を使う歩兵とそれを加工・修繕・改良する兵器工との調整役をします。彈藥・部品補充は大隊兵器掛段階で實行します。  → top

上等工長 regiment teknik mayster, regimental technical master(兵器部員、兵器學校工長候補生隊銃工長教程修了)
聯隊の兵器修繕・加工を指揮するほか、銃工長・銃工手・銃工卒を教育します。戰闘中は第一線に小行李を以て豫備兵器、彈藥・兵器部品の補充を實行します。  → top

二等銃工長 regiment chef pafil forghist, regimental chief gunsmith(兵器部員、兵器學校工長候補生隊銃工長教程修了)
大隊の銃工手では手に負えない故障兵器を引受け修繕します。工作車に旋盤など工具・材料・部品を載せて移動し、その場で修繕工場を開きます。  → top

三等蹄鐵工長 regiment chef hufferist, regimental chief horseshoe smith(獸醫部員、獸醫學校工長候補生隊蹄鐡工長教程修了、或は蹄鐡工長候補生隊蹄鐡工長教程修了)
聯隊の軍用動物の治療を指揮するほか、蹄鐵工手・蹄鐵工卒の教育をします。戰闘中は傷病軍用動物の収容・治療を實行します。  → top

蹄鐵工手 regiment hufferist, regimental horseshoe smith(獸醫部員、獸醫學校蹄鐵工術練習所蹄鐡工術修了者)
蹄鐵工長の助手です。  → top

蹄鐵工卒 regiment ashistant hufferist, regimental assistant horseshoe smith(歩兵一等卒、蹄鐵工術車修業者)
蹄鐵工手の助手です。  → top

一等軍醫 regiment kirurg, regimental surgeon(軍醫部員、醫師開業免許所持者)
各大隊の軍醫部員を指揮して傷病者の診断、應急措置と迅速な後送を行います。師團衛生隊擔架中隊の到着が遅い場合は、手持ちの軍醫部員で假繃帯所を開設して傷病者を収容し、大隊軍醫の施した措置に訂正あるいは追加を行います。旅團合同で開設する事もあります。
行李の空輜重車が物品を集積所に補充しに行く時は、これに患者を便乗させて後送します。戰闘時以外でも、飲料水の檢査や傳染病の豫防など、聯隊の衛生を管理します。聯隊の假繃帯所は、そこで完全な治療を行うのではなく、むしろ患者の症状による等級分けが主目的です。至急後送、獨歩(自力)後退、輕症のため歸隊などに分けて、治療・後送の効率を上げます。詐病詐傷の發見という任務もあります。  → top

二等看護長 regiment chef flegist, regimental hospital sergeant(軍醫部員、軍醫學校看護長候補生隊看護長教程修了)
假繃帯所の設營、傷病者の受入・看護・給養・護衛・後送の實務をします。  → top

三等磨工長 regiment chef apotek metiist, regimental dispensary chief assistant(藥劑部員、軍醫學校磨工長候補生隊磨工長教程修了)
假繃帯所の藥局・衛生檢査・療養器具修繕・設營器材管理をします。衛生材料車に工具・衛生材料・陣營具を積載し、移動します。聯隊大行李は野戰衛生材料廠で衛生材料を積載し、これを磨工長の衛生材料車に補給します。  → top

擔架伍(看護手、看護卒4、擔架卒16)
假繃帯所での患者移動を専らとし、各大隊の傷兵溜からの患者は師團配属の衛生隊擔架中隊ないし車輛中隊が収容します。また廻送大行李に便乗させることもあります。假繃帯所内では、擔架4臺で横臥患者を運びます。假繃帯所が移動する時には、中型擔架車4輛を使います。  → top

輔祭長(宗務部員)
宗務班長として、聯隊の宗務部員を監督します。また聯隊本部の祈禱、軍使、通譯・翻譯、校正、郵便の檢閲、軀上相談、慰問の手配、少年兵の讀書算盤教育(小學校高等科程度)、占領地宣撫等をこなします。  → top

從者(宗務部員)
輔祭長の助手をします。  → top

聖歌手(宗務部員、聖歌術横笛術修業者)
輔祭長附です。  → top

行李長(歩兵軍曹)
聯隊の配車をします。どの車輛を大行李に使うか、小行李の不足車輛を何で補うか、など難しい問題を處理します。また輜重大隊から分遣されて来る兵員運搬車の配置も難問で、頭が緻密な下士でなければ勤まりません。  → top

行李伍八半部(輜重兵一等卒、輜重輸卒2)
中型自働貨車1輛を聯隊本部固有の大行李として使います。この他に聯隊本部輜重車として中型自働貨車がもう1輛あり、そちらは指揮班要員が交代で運轉します。  → top

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☆旅團(7,133名)  → top

【旅團司令部】(157名)

旅團長(少将)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
副官部: 高級副官(少佐)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     専属副官(中尉)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     書記2(曹長)、傳令卒、鼓手、笛手(宗務部員)
     乗馬傳令長(軍曹)
      乗馬傳令伍(乗馬傳令手(上等兵)、乗馬傳令卒4)
 斥候班:斥候長(曹長)、斥候手(上等兵)
     軍犬長(伍長)、軍犬手(上等兵)、軍犬卒
 信號班:信號長(曹長)
     傳鳩長(伍長)、傳鳩手(上等兵)、傳鳩卒
     暗號手(上等兵)、暗號卒2
     電話伍(電話手(上等兵)、信號卒4)
     無線電信伍(信號手(上等兵)、信號卒4)
陣營掛将校(中佐)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
 經理班:三等主計正、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     二等主計、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     一等計手(經理部員)、傳令卒
     一等炊事長(經理部員)、炊事手(同)、炊事卒、炊事車馭卒(輜重輸卒)、同助手(輜重輸卒)
     一等縫工長(經理部員)、縫工手(同)、縫工卒
     二等靴工長(經理部員)、靴工手(同)、靴工卒
 兵器班:兵器掛(三等兵器技師)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     彈藥掛(二等兵器技手)、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     一等銃工長(兵器部員)、銃工手(同左)、銃工卒
       二等蹄鐡工長(獣醫部員)、蹄鐡工手(同)、蹄鐡工卒
 軍醫班:三等軍醫正、看護卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     二等軍醫、看護卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     一等看護長(軍醫部員)、看護手(同)、看護卒
     二等磨工長(藥劑部員)、磨工手(同)、磨工卒
 宗務班:司祭、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     輔祭、傳令卒、馬卒(獸醫部員)、從卒(經理部員)
     從者2(宗務部員)、傳令卒、聖歌手2(宗務部員)
 行李: 行李長(曹長)
     行李伍四半部(輜重兵一等卒、輜重輸卒4)
【聯隊】
第1〜2聯隊(6,976名)  → top


旅團長 brigad komandant, brigade commander(歩兵少将、参謀本部旅團戰術教育修了)
2箇歩兵聯隊と他兵科の配属部隊を指揮して、戰線の一翼を形成します。兵力が不足する時には、豫備として後方に控置されている後備部隊から大隊を抽出して指揮下に入れることがあります。戰區が増えて手持ちの2箇聯隊では擔任しきれない時には、隷下の聯隊から大隊を幾つか抽出して獨立行動をさせ、これらを旅團長が直接に指揮することもあり、また特殊な作戰行動(陽動作戰や迂回戰術)には支隊を臨時に編成して擔當させます。旅團そのものが獨立して、多くの臨時配属部隊を隷下に入れ、直接に軍司令部の指揮を受けて、小型師團として行動する場合は、「獨立第○旅團」ないし旅團長の姓を冠して「○○兵團」と呼びます。旅團長は本来「准将」の職務ですが、少将が旅團長とされているのは、建軍當初、師團が無く旅團が最大戰術單位だった頃、小型師團の機能を負わなければならなかったので、少将が旅團長となっていた、その名残です。師團が編成されても、いったんインフレとなった旅團長職の階級は、少将の儘になっています。大佐が臨時に旅團長代理に任命されると同時に准将となり、直ぐに少将に進級します。旅團長は、旅團附の参謀がいないため、獨りで作戰を練り、地圖と睨めっこをして、隷下部隊に命令を下します。作戰失敗を参謀の所為にする譯にはいかないので、作戰能力の優劣が自然と目立つポジションです。このため参謀本部は旅團長の作戰教育に熱心で、毎年、旅團長を集めて圖上演習を行い、作戰能力の向上を圖っています。  → top

高級副官 brigad senior adyutant, braigade major(歩兵少佐、参謀本部参謀課程修了)
旅團長が指揮を執る時、その耳目手足となって活躍します。命令書の作成・傳達、隷下部隊の編成・配置など、仕事は多岐に亘っています。参謀とは違うので、作戰計画を練ったり情報を分析することは旅團長がしますが、その後の具體的な命令傳達や部隊の臨時編成・配置は副官がします。高級副官の「高級」と云うのは、「先任」の意味で、中味が高級と云うのではありません。  → top

専属副官 brigad adyutant, brigade adjutant(歩兵中尉)
旅團長の秘書役です。機密文書を扱い、作戰中は戰闘記録をとります。隷下部隊の小隊長から事務に秀でた者が選抜されて、この職に就きますが、大尉に進級する時に原隊に戻って中隊長になる例は少なく、参謀本部の参謀養成課程に送られて、参謀将校コースを歩むのが普通です。  → top

書記 brigad skribist, brigade clerk(歩兵曹長2)
副官の主宰する旅團事務室で文書の授受・清書・保管・傳達など事務を處理します。司令部は御役所なので、報告や命令書、計画書、陣中日誌、郵便等盛澤山の書類を受取り、また作成・配布しなければなりません。  → top

乗馬傳令長 brigad chef herald per cheval, brigade mounted chief orderly(歩兵軍曹、歩兵學校乗馬歩兵練習所乗馬傳令長教程修了)
旅團長附乗馬傳令として指名の箇所と旅團司令部を往復します。また部下の乗馬傳令伍を指揮します。  → top

乗馬傳令手 brigad herald per cheval, brigade mounted orderly(歩兵上等兵、歩兵學校乗馬歩兵練習所乗馬術二輪自働車操縦術修了者)
師團司令部との傳令をします。  → top

乗馬傳令卒 brigad ashistant herald per cheval, brigade assistant mounted orderly(歩兵一等卒、乗馬術二輪自働車操縦術修業者)
4名あって、聯隊本部2と支隊・獨立歩兵部隊・配属部隊合わせて4箇所との傳令をします。  → top

斥候長 brigad chef skolt, brigade chief scout(歩兵曹長、歩兵學校輕歩兵練習所斥候長教程修了)
旅團司令部獨自の偵察を行いますが、部下が2人(斥候手1、斥候卒1)しかいないので、専ら司令部周邊の保安が主な仕事です。乗馬傳令も要すれば指揮下に入れます。  → top

斥候手 brigad skolt, brigade scout(歩兵上等兵、歩兵學校輕歩兵練習所斥候術修了者)
斥候長の補佐をします。  → top

斥候卒 brigad ashistant skolt, brigade assistant scout(歩兵一等卒、斥候術修業者)
同上  → top

軍犬長 brigad chef canis uzist, brigade chief wardog handler(歩兵伍長、獸醫學校軍犬術練習所軍犬長教程修了)
旅團全部の軍用犬管理をします。  → top

軍犬手 brigad canis uzist, brigade wardog handler(歩兵上等兵、獸醫學校軍犬術練習所軍犬術修了者)
旅團司令部固有の軍用犬を飼養・管理・訓練して、司令部配属衛兵に貸出し、信號・警備などに使用します。  → top

軍犬卒 brigad ashistant canis uzist, brigade assistant wardog handler(歩兵一等卒、軍犬術修業者)
軍犬手の助手として働きます。  → top

信號長 brigad chef signalul, brigade chief signalman(歩兵曹長、工兵學校信號術練習所信號長教程修了)
旅團司令部と2箇聯隊本部・支隊・獨立歩兵部隊・師團司令部との通信線を確保します。  → top

信號手 batalion signalul, batallion signaler(歩兵上等兵、工兵學校信號術練習所信號術修了者)
信號長の補佐をし、夜勤信號當直の指揮者です。  → top

傳鳩長 brigad chef kolomb uzist, brigade chief pigeon handler(歩兵伍長、獸醫學校傳鳩術練習所傳鳩長教程修了)
旅團全部の傳書鳩を管理します。  → top

傳鳩手 brigad kolomb uzist, brigade pigeon handler(歩兵上等兵、獸醫學校傳鳩術練習所傳鳩術修了者)
旅團司令部固有の傳書鳩を飼養・管理し、訓練します。旅團信號器材車の中に鳩小屋を持っています。  → top

傳鳩卒 brigad ashistant kolomb uzist, brigade assistant pigeon handler(歩兵一等卒、傳鳩術修業者)
傳書鳩を使って旅團司令部と上級司令部との通信をします。  → top

暗號長 brigad chef chifrist, brigade chief decoder(歩兵伍長、工兵學校信號術練習所暗號長教程修了)
旅團司令部の暗號電文の解讀・暗號組みをします。上級司令部になるほど、長い暗號文が遣取されるので、熟練した解讀者が必要になります。部下の暗號手・暗號卒と3人が3直交代で信號器の傍に附いています。  → top

暗號手 brigad chifrist, brigade decoder(歩兵上等兵、工兵學校信號術練習所暗號術修了者)
旅團中で最優秀の暗號解讀者が配属されます。  → top

暗號卒 regiment ashistant chifrist, regimental assistant decoder(歩兵一等卒、暗號術修業者)
同上  → top

電話伍 brigad telefon kunular, brigade wire team(電話手、信號卒4)
旅團司令部と師團司令部との間に電信線を敷設し、保守します。旅團信號器材車に器材を積込んで移動します。  → top

無線電信伍 brigad radio kunular, brigade radio team(信號手、信號卒4)
中型無線電氣信號器を据えて、中距離無線電信を行います。信號卒は晝夜交替當番で通信の發受をします。  → top

陣營掛将校 brigad kampadey majstr, brigade quarter master(歩兵中佐)
旅團の後方支援一切を指揮します。前線への補給線確保が最大の仕事です。また旅團が師團より獨立して進撃する時は、行軍路の整備も受持ちます。道路障害物の除去、故障車輛の回収、渡河手段の設定(架橋、舟艇提供)等配属工兵部隊を指揮して實行します。旅團司令部の陣營を設定し、その管理をするのも仕事です。  → top

三等主計正 brigad intendant, brigade pay master(經理部員)
旅團の金銭出納・衣糧・陣營具の管理をします。  → top

一等計手 brigad ashistant indentant, brigade assistant pay master(經理部員、經理學校計手候補生隊計手教程修了)
主計の助手として計算や記簿をこなします。軍資金を入れた金櫃(金庫)を旅團司令部輜重車に積込み、移動します。旅團司令部の宿營・野營の手配も大きな仕事です。  → top

一等炊事長 brigad chef kuirist, brigade cook sergeant(經理部員、經理學校炊事長候補生隊炊事長教程修了)
旅團司令部要員に食事を供給します。  → top

炊事手 brigad kuirist, brigade cook(經理部員、經理學校衣糧術練習所炊事術修了者)
炊事長の助手として専ら下士卒用食事を供給します。  → top

一等縫工長 brigad chef kudrist, brigade chief tailor(經理部員、經理學校縫工長靴工長候補生隊縫工長教程修了)
旅團の被服修繕を監督します。旅團司令部輜重車に工具・材料を積んで移動します。靴工と洗濯職人も指揮下にいれます。  → top

縫工手 brigad kudrist, brigade tailor(經理部員、經理學校衣糧術練習所縫工術修了者)
縫工長の助手として働きます。  → top

二等靴工長 brigad chef shufarist, brigade chief shoe maker (經理部員、經理學校縫工長靴工長候補生隊靴工長教程修了)
旅團の靴修繕を監督します。工具・材料は旅團司令部輜重車に積んで移動します。  → top

靴工手 brigad shufarist, brigade shoe maker (經理部員、經理學校衣糧術練習所靴工術修了者)
靴工長の助手として働きます。  → top

兵器掛 brigad ordnanc oficir, brigade ordnance officer(三等兵器技師)
旅團の兵器を管理します。聯隊レベルで處理しきれないものは、ここで面倒を見ます。各聯隊から兵器改良に就いての意見具申を受附け、師團兵器部に取次ぎます。旅團レベルで實行可能な案は、早速實行します。  → top

彈藥掛(二等兵器技手)
旅團の彈藥補給を管理します。  → top

一等銃工長 brigad chef pafil forghist, brigade chief gunsmith(兵器部員、兵器學校工長候補生隊銃工長教程修了)
旅團の兵器・彈藥補給の實務を擔當します。工作車に旋盤など工具・材料・部品を載せて移動し其の場で修繕工場を開きます。  → top

二等蹄鐵工長 brigad chef hufferist, brigade chief horseshoe smith(獸醫部員、獸醫學校工長候補生隊蹄鐡工長教程修了、或は蹄鐵工長候補生隊蹄鐡工長教程修了)
旅團の軍用動物の治療と衛生材料の補給をします。  → top

三等軍醫正 brigad surgeon, brigade surgeon(軍醫部員)
各聯隊から後送されてくる傷病者を繃帯所に収容し、聯隊軍醫の施した措置に訂正或いは追加を行い更に後方の野戰病院に後送します。後送は師團配属の衛生隊擔架縱列が自働車で實行します。傷病者は近距離の大隊傷兵溜から直接に後送されて来る事もあります。行李の空輜重車が物品を集積所に補充しに行く時は是に便乗させて後送します。繃帯所そのものは師團配属衛生隊の編成中に含まれており、旅團に固有の繃帯所要員・器材というものはありません。繃帯所は軍司令部隷下の「野戰病院」よりも機動性に富む「移動野戰外科病院」です。小規模なので第一線部隊に伴って移動し、手早く開設・撤収できます。戰闘時には旅團軍醫正の指揮下に入ります。そこでは緊急外科手術が施されますが、完全な治療を行うのでなく、むしろ患者の症状による等級分けが主目的です。至急後送、獨歩(自力)後退、輕症のため休養後歸隊などに分けて、治療・後送の効率を上げます。詐病詐傷の發見という任務もあります。  → top

一等看護長 brigad chef flegist, brigade hospital sergeant(軍醫部員、軍醫學校看護長候補生隊間諜長教程修了)
軍醫正の助手として、庶務に從事します。  → top

二等磨工長 brigad apotek metiist, brigade dispensary chief assistant(藥劑部員、軍醫學校磨工長候補生隊磨工長教程修了)
團隷下諸部隊の藥局・衛生檢査・療養器具修繕・設營器材管理をします。衛生材料車に工具・衛生材料・陣營具を積載し移動します。  → top

司祭(宗務部員)
宗務班長として、旅團の宗務部員を監督します。また旅團司令部の祈禱、軍使、通譯、翻譯、占領地宣撫を擔當します。  → top

輔祭(宗務部員)
旅團司令部の通譯・翻譯、校正、郵便の檢閲、軀上相談、慰問の手配、少年兵の讀書算盤教育(小學校高等科程度)等をこなします。  → top

從者2名(相當宗務部員)
司祭と輔祭の助手をします。  → top

聖歌手2名(宗務部員、聖歌術横笛術修業者)
司祭附と輔祭附です。  → top

行李長(歩兵曹長)
旅團の配車をします。  → top

行李伍四半部(輜重兵一等卒、輜重輸卒4)
中型自働貨車2輛を旅團司令部固有の大行李として使います。この他に旅團司令部輜重車として中型自働貨車がもう1輛あり、そちらは副官部要員が交代で運轉します。  → top

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