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軍隊の種類

正規軍
  常備軍
    常備部隊
    留守部隊
    補充兵教育隊
    臨時部隊
      獨立混成旅團
    嚮導部隊
  後備軍
      後備旅團
  國民軍
補助軍
  護郷軍
  義勇隊
正規軍

【常備部隊】
外征用の主力部隊で、「軍」が最大戰術單位です。軍は通常2箇師團(計4箇旅團)及び若干の獨立部隊で編成されており、全國の要地に分散駐屯し、擔當地域(衛戍地)の警備につきます。ひとつの縣に就き歩兵聯隊1箇があります。最良の兵士(20歳台前半の屈強な若者)と装備(最新式の兵器と最上の被服)から成っており、戰闘力は陸軍の中では常に最強です。いつでも假想敵國の軍隊と對等に戰う事ができます。
徴兵制をとっていますが、志願制も併用しており、殊に下士以上の幹部は全員が志願者です。兵士の教育は全軍統一されており、幹部養成學校や戰技練習のための實施學校が充實しています。
平時部隊は兵士の教育に専念しており、毎年入營してくる2年服役の現役兵に最強の戰闘力をつけるよう、厳しい教練・學科・演習を繰返します。軍費節約の為、定員の半分しか兵隊がおりませんが、戰時には豫備役を若い順に召集して約2倍に膨脹し大部隊となって戰時定員を満たします。
別稱を「現役部隊」「一線部隊」「野戰部隊」とも云い、國民の信頼は絶大です。

新兵の猛訓練

【留守部隊】
本隊が出征すると、衛戍地の兵營には留守隊が編成され、留守隊長が平時と同じく衛戍地警備と徴募兵・應召兵の教育に當り、また出征部隊への兵站業務(兵器・被服・糧秣の補給、兵員の補充)を擔當します。豫め動員計畫で決められてある臨時部隊の編成もここで行います。
通常通り現役兵を受入れて訓練するほか、大量の應召兵が續々と入營してくるのをプールしておき、必要に應じて補充要員として戰地に送出す役目もします。應召兵のうち未教育者(第2補充兵役、第2國民兵役)には急いで訓練(2週間〜3ヶ月)を施し、いちおう戰力となる兵士に仕立て上げます。既教育者(豫備役、後備役、第1補充兵役、第1國民兵役)には、必要な補習を施して現役兵と變らぬ戰闘力をつけさせます。
出征している高等司令部も、残留要員から成る留守旅團司令部や留守師團司令部、留守軍司令部をそれぞれ編成し駐屯地に残し、平時と變らず國土防衛の任に當ります。 「留守隊」「補充隊」「内地部隊」などと俗稱しますが、規模も實力も常備部隊と變らず、戰時國民に親しまれる郷土部隊として、内地防衛の要となります。

【補充兵教育隊】
戰地における軍司令部は、出征部隊の損害を即時に埋めるため、前線の背後に常に補充兵をプールしておきます。内地の留守部隊を出發した補充兵は臨時に「行軍部隊」を編成して、輸送指揮官に率いられ戰地に到着しますが、先ず戰線の後方に設けられた軍兵站管區の「補充兵教育隊」(聯隊規模)に編入され、その兵舎に寝泊りします。そこでは不足していた訓練を受け、後方警備や討伐にも出動します。そのうち一線部隊で缺員が出ると、補充要員としてそこに投入されます。補充兵教育隊は兵士にとっては、驛の待合室のようなものです。編成・装備・實力とも前線部隊と同じなので、軍兵站監はこの補充部隊をさまざまな用途に便利に使用します。

【臨時部隊】
軍・師團に所属する臨時の諸部隊が戰時に限り編成されます。衛生隊・輸卒隊をはじめとする後方支援部隊です。何十という種類があり、動員下令と共に豫め計畫のとおり迅速に要員を集め、倉庫に備蓄されていた兵器・器材を装備して、野戰に出て行きます。

獨立混成旅團は兵站管區の警備用に編成された歩兵部隊です。兵站管區とは前線後方に置かれた補給基地を中心とした地域です。
最寄の諸部隊から手當り次第に要員を寄せ集めるので、成績の悪い兵隊が出されてくる事が多く、實力はともかく、軍紀風紀はあまり芳しくありません。装備は現役部隊と同じですが、重火器は節約して舊式のものや鹵獲品を使用する例が多く見られます。
各警備拠點に分散駐屯して、警備・巡邏(パトロール)・討伐に明け暮れます。兵站線路の経由する鐵道や幹線道路沿いに、村には小隊、町には中隊と、きめ細かい配置で、大隊や旅團が一堂に會すると云うことは滅多にありません。

【嚮導部隊】
軍の學校に設けられ、生徒・學生の實習・研究のため模範動作を行う部隊です。各兵科兵種ごとに戰時完全編成の聯隊ないし大隊があり、隊員は全國の部隊から出張してきた模範兵です。戰時には野戰に出ることは餘りありませんが、内地防衛に於いては即事應戰部隊として緊急出動ができる為、防衛部隊の主力に位置付けられています。1929〜30年の航空戰闘には飛行學校の嚮導部隊が出戰し防空に活躍した事で知られています。

【後備軍】
後備軍と云っても軍司令官や司令部があるわけではなく、戰時に編成される後備部隊全般を指してそう稱するだけです。歩兵聯隊が戰時編成をとって出征すると、留守隊は急ぎ後備歩兵聯隊を編成し、戰地の後方警備に送出します。任務は主に占領地の守備です。兵員は後備兵役の應召兵から成り、年齢が20歳台後半から30歳臺に至る中年ばかりで、装備もニ線級のため、戰闘力は現役部隊に較べて劣ります。兵力が不足すると前線に投入され、苦戰します。

【國民軍】
同じく國民軍と云っても軍司令官や司令部があるわけではなく、戰時に編成される國民兵部隊全般を指してそう稱するだけです。國内の要塞・要地守備兵力です。最寄の歩兵聯隊の留守隊で必要に應じて編成されます。國民兵役の40歳近い老兵と徴兵検査前の少年兵を召集した部隊で、装備は舊式、重火器も殆どありません。

【護郷軍】
輕装備で、國内の武装警察隊・補助憲兵として機能します。平時は邊境警備や民間警備の請負をしており、警察力の不足を補っています。各地に雑多な部隊があり、その程度も揃っていません。隊員は志願制です。
戰時には郷土防衛、國内治安の維持と防空・消防・警察補助兵力として使用されます。後備兵力が不足すると、後方守備部隊として出征することもあります。


補助軍

【警防團】
一家から一人を出して編成する臨時の自警團。對空監視や避難誘導、消防などに從事するアルバイト民兵です。もともと戰闘を目的としているのではなく、自衛用の貧弱な兵器しか持っていないので、敵軍の侵入に遭遇すると大人しく解散します。しかし中には密かに遊撃を展開して敵占領軍を悩ませる隊もあります。

【義勇隊】
敵軍が國内に侵入してきた場合、郷土防衛と民間人保護のため正規軍の補助兵力として、護郷軍・憲兵隊・警察・警防團が合同して編成する部隊。戰闘は護郷軍と憲兵が専ら行い、警察が民間人保護と避難誘導、警察消防部が施設保護・阻塞構築を實施、警防團は適宜それらの補助に任じます。


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