山砲： 射手（上等兵）、照準手（上等兵）、装填手（同）、信管手、彈藥手２、馭者７（防楯馬馭者、輪馬馭者、大架馬馭者、揺架馬馭者、托架馬馭者、砲馬馭者、彈藥馬馭者）駄馬７
山砲兵の基本的な部隊編成を解説します。
★★山砲兵部隊編成★★
山砲兵の部隊編成は、野砲兵のそれと基本は同じですが、昔のままの馬匹編成であるところが違います。山嶽兵團に配属され、車輌通行ができない険しい山中を機動するので、自働車はおろか、荷馬車さえ使えないからです。部隊によっては、馬の代わりに騾馬を使用します。
軍装
（山砲部隊は野砲兵と同じ軍装です。騎兵銃を背負い、徒歩で行軍します。そのため、巻脚絆に編上靴という足固めです。伍長以上の幹部は全員が帯刀・拳銃携帯ですが、山岳地を行軍するので、巻脚袢に編上靴となります。各小隊は自衛用の輕機関銃ないし短機関銃を携行します。）
山砲兵聯隊本部（指揮班、觀測班、信號班、配属工兵小隊）
第１大隊本部（指揮班、觀測班、信號班）
第１中隊本部（指揮班）
戰砲隊
砲車隊
第１小隊
第１〜２砲車
第２小隊
第３〜４砲車
第３小隊
第５〜６砲車
彈藥小隊
第１〜６彈藥分隊
第１器具分隊
中隊段列（段列指揮班、炊事班、兵器班、獸醫班）
小行李
第７〜12彈藥分隊、第２器具分隊
第２中隊
第３中隊
大隊段列（段列指揮班、經理班、兵器班、獸醫班、行李、軍醫班、宗務班）
第２大隊
第３大隊
聯隊段列（段列指揮班、經理班、兵器班、獸醫班、行李、軍醫班、宗務班）
分隊長（伍長）
山砲： 射手（上等兵）、照準手（上等兵）、装填手（同）、信管手、彈藥手２、馭者７（防楯馬馭者、輪馬馭者、大架馬馭者、揺架馬馭者、托架馬馭者、砲馬馭者、彈藥馬馭者）
駄馬７
《射手》shafist, gunner（砲兵上等兵）
野砲の射手と同じですが、山砲は口径が一回り小さいので、片膝ついたまま拉縄を引きます。分離彈藥筒を使用する時は、撞悍で彈丸を砲腔に突き入れ、装填手の手伝をします。別称：一番砲手
《照準手》direktist, gun layer（砲兵上等兵）
野砲の照準手と同じですが、砲の左側後方に簡単な腰掛があり、そこに腰掛けて照準します。これには砲の反動を体重で押さえる意味もあります。 別称：二番砲手
《装填手》, charger （砲兵上等兵） 山砲は口径が小さい（現用の制式は75mm）ので砲弾重量６〜７Kgと比較的軽いのですが、そのぶん発射回数が増え（１分に十数発）、長時間の連続射撃が始まれば、彈込は重労働となります。発射時には片足を砲脚に掛けて、反動を抑える姿勢になります。分離彈藥筒を使用する時は、先ず彈丸を込め、射手が撞悍でこれを砲空に突き入れた後に、藥筒を込めます。別称：三番砲手
《信管手》, fuse setter（砲兵一等卒）
他の砲種と同じく、信管廻で信管を調整して装填手に渡します。この際、命令された発射彈数をカウントします。別称：四番砲手
《彈藥手２》（砲兵一等卒）
彈藥を彈藥箱から取り出して信管手に渡します。彈藥手のうち一名（五番）は信管廻を首から懸けて、信管手を手伝います。別称：五番〜六番砲手
《馭者７》（砲兵一等卒） 砲は７部分に分解して駄馬７頭に積載します。馭者は駄馬の轡を取って徒歩で馭して行きます。駄載の行進順序は、防楯馬、輪馬、大架馬、揺架馬、托架馬、砲馬(照準具も積載）、彈藥馬の順です。繋駕の行進順序は、防楯馬が砲車（防楯を始め部品は駄馬から卸して組み立て、砲車とする）を曳き、その他は駄載と同じです。この時は彈藥馬を除き各馬とも荷がありません。射撃中は後方に退って、駄馬（小隊長など幹部が就いていれば、その乗馬も含む）の手綱をまとめ、必要に応じて彈藥運搬をします。
小隊長（中尉・少尉・少尉補のいずれか）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
小隊付（軍曹）、傳令卒
觀測手（上等兵）、信號手（上等兵）、信號卒、斥候卒、看護卒
乗馬１０
【砲車】（２６名：山砲２、駄馬１４）
第１砲車 第２砲車
《斥候卒》ashistant skolt, assitant scout（砲兵一等卒、斥候術修業者） 砲の周辺を偵察・警戒して敵の遊撃を防止します。
【中隊本部】（２２名）
中隊長（大尉）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
<指揮班>（１８名）
指揮班長（特務曹長）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
喇叭手（上等兵）、鼓手、笛手（宗務部員）
觀測掛（軍曹）、觀測手（上等兵）、觀測助手
信號手（上等兵）、信號卒４
斥候手（上等兵）、斥候卒２
乗馬２０
【段列】（８７名）
<段列指揮班>（１２名）
段列長（准尉）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
給養掛（曹長）、傳令卒、信號卒
縫工卒、靴工卒
看護手（軍醫部員）
馭者２
乗馬５（段列長・給養掛・傳令・信號卒用）、駄馬２（器具馬）
<炊事班>（４名）
炊事車： 炊事手（經理部員）、炊事卒、馭卒（輜重輸卒）、同助手（輜重輸卒）
炊事車
<兵器班>（１７名）
三等鍛工長（兵器部員）、鍛工手（同）
鍛工手（同）、鍛工卒
鞍工手（兵器部員）、鞍工卒
木工手（兵器部員）、木工卒
火工手（兵器部員）、火工卒
馭者４
乗馬２、駄馬４（器材馬４）
<獸醫班>（６名）
三等蹄鐵工長（獸醫部員）蹄鐵工手（同）、蹄鐵工卒２、馭者２
乗馬２、駄馬２（蹄鐵器具馬、薪炭馬）
<小行李>（４８名）
小行李長（軍曹）
第１〜４彈藥分隊
器具分隊
乗馬６、駄馬２２
戰砲隊（１６１名、山砲６門、乗馬２６、駄馬１０６）
【彈藥小隊】（５０名）
小隊長（軍曹）、傳令卒、斥候卒
第１〜４彈藥分隊
器具分隊
乗馬８、駄馬２２
【砲車隊】（１１１名：山砲６門、乗馬１８、駄馬８４）
第１小隊 第２小隊 第３小隊
【大隊本部】（５７名）
大隊長（少佐）傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
乗馬２（大隊長・傳令用）
<指揮班>（１２名）
副官（中尉）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
書記（曹長）、傳令卒
喇叭長（伍長）、喇叭手（上等兵）、鼓手、笛手（宗務部員）
乗馬５（副官・書記・喇叭・傳令用）
<観測班>（１７名）
觀測掛（曹長）、觀測手（同）、觀測助手４、馭者４
斥候長（伍長）、斥候手（上等兵）、斥候卒４
乗馬９、駄馬４（器具馬）
<信號班>（２４名）
信號長（伍長）、信號手（上等兵）、傳鳩卒
暗號手（上等兵）、暗號卒
無線伍： 信號手（上等兵）、信號卒４
有線伍： 電話手（上等兵）、信號卒４
馭者１０
乗馬５、駄馬１０（器具馬）
【段列】（２１８名）
<段列指揮班>（８名）
段列長（大尉）、傳令卒、信號卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
乗馬３（段列長・傳令・信號卒用）
<經理班>（１８名）
二等主計（經理部員）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
三等計手（經理部員）、傳令卒
三等炊事長（經理部員）、炊事手（同）、炊事卒、炊事車馭卒（輜重輸卒）、同助手（輜重輸卒）
三等縫工長（經理部員）
縫工手（同）、縫工卒
靴工手（經理部員）、靴工卒
馭者３
乗馬４（主計・計手・工長・傳令用）、駄馬３（金櫃馬、器具馬）、炊事車
<兵器班>（５５名）
兵器掛（二等兵器技手）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
二等鍛工長（兵器部員）、鍛工手（同）
三等鍛工長（同）、鍛工手（同）、鍛工卒４
三等木工長（兵器部員）、木工手（同）、木工卒４
三等鞍工長（兵器部員）、鞍工手（同）、鞍工卒４
三等火工長（兵器部員）、火工手（同）、火工卒４
馭者１２
乗馬９（兵器掛・工長・傳令用）、駄馬１２（器具馬６、薪炭馬６）
<獸醫班>（２０名）
二等獸醫（獸醫部員）、傳令卒、馬卒、從卒
二等蹄鐵工長（獸醫部員）、蹄鐵工手（同）、軍犬卒
蹄鐵工手（獸醫部員）、蹄鐵工卒４
馭者８
乗馬３、駄馬８（器具馬４、薪炭馬４）
<行李>（９４名）
行李長（曹長）、傳令卒
乗馬２
大行李（４４名）
大行李長（輜重兵伍長）、分隊長輔佐（輜重兵上等兵）、輜重兵上等兵２、輜重兵一等卒８、輜重輸卒３２
乗馬１２、駄馬３２
小行李（４８名）
小行李長（軍曹）
第１〜４彈藥分隊
器具分隊
乗馬６、駄馬２２
<軍醫班>（１６名）
二等軍醫（軍醫部員）、看護卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
三等看護長（軍醫部員）看護手（同）、看護卒２、擔架卒４
磨工手（藥劑部員）、磨工卒
馭者２
乗馬３（軍醫・看護長・傳令用）、駄馬２（衛生材料馬）
<宗務班>（７名）
輔祭（宗務部員）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
從者（同）、聖歌手（同）、馭者
乗馬３（輔祭・從者・傳令用）、駄馬（祭具馬）
【中隊】
（８１０名：山砲１８門）
第１中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第２中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第３中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
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《斥候長》batalion chef skolt, battalion chief scout（砲兵伍長、歩兵學校輕歩兵練習所斥候長教程修了） 大隊行軍路の警戒、前進觀測班の護衛を勤めます。なるべく戦場予定地の地元住民から樵、炭焼、猟師、山嶽案内人など土地勘のある職業に就いていた者を選抜して山嶽遊撃戦の訓練を施すので、頼りになる存在です。敵の裏を掻く遊撃戦術トリックを考えだして実行するのも仕事です。
《段列長》batalion kampadey majstr, batallion quarter master（砲兵大尉）後方支援一切を取仕切ります。山砲兵は道無き山中を機動するので、彈藥の集積と補充が非常に難しく、様々な補給ルートを設けます。 → top
【聯隊本部】（４３名）
聯隊長（大佐）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
<指揮班>（１２名）
副官（大尉）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
書記（曹長）、傳令卒
喇叭長（軍曹）、喇叭手（上等兵）、鼓手、笛手、
<觀測班>（１２名）
觀測掛兼旗手（少尉）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
觀測長（曹長）、觀測手（上等兵）、觀測助手４
斥候長（軍曹）、斥候手（上等兵）、斥候卒
<信號班>（１５名）
信號長（軍曹）、信號手（上等兵）
暗號手（上等兵）、暗號卒、傳鳩卒
無線電信伍： 信號手（上等兵）、信號卒４
電話伍： 電話手（上等兵）、信號卒４
<段列指揮班>（５名）
陣營掛将校（少佐）、傳令卒、信號卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
乗馬３（段列長・傳令・信號卒用）
<經理班>（２０名）
一等主計（經理部員）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
二等計手（經理部員）、傳令卒
炊事車： 三等炊事長（經理部員）、炊事手（同）、炊事卒、炊事車馭卒（輜重輸卒）、同助手（輜重輸卒）
二等縫工長（經理部員）、縫工手（同）、縫工卒
三等靴工長（經理部員）、靴工手（同）、靴工卒
馭者３
乗馬４（主計・計手・工長・傳令用）、駄馬３（金櫃馬、器具馬）、炊事車
<兵器班>（５８名）
兵器掛（一等兵器技手）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
上等工長（兵器部員）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
一等鍛工長（兵器部員）
二等鍛工長（同）、鍛工手（同）、鍛工卒４
二等木工長（兵器部員）、木工手（同）、木工卒４
二等鞍工長（兵器部員）、鞍工手（同）、鞍工卒４
二等火工長（兵器部員）、火工手（同）、火工卒４
馭者１２
乗馬９（兵器掛・工長・傳令用）、駄馬１２（器具馬６、薪炭馬６）
<獸醫班>（２１名）
一等獸醫（獸醫部員）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
一等蹄鐵工長（獸醫部員）、蹄鐵工手２（同）、蹄鐵工卒４
軍犬手（上等兵）、軍犬卒
馭者８
乗馬３、駄馬８（器具馬４、薪炭馬４）
<行李>（９４名）
行李長（曹長）、傳令卒
乗馬２
大行李（４４名）
大行李長（輜重兵伍長）、分隊長輔佐（輜重兵上等兵）、輜重兵上等兵２、輜重兵一等卒８、輜重輸卒３２
乗馬１２、駄馬３２
小行李（４８名）
小行李長（軍曹）
第１〜４彈藥分隊
器具分隊
乗馬６、駄馬２２
<軍醫班>（１７名）
一等軍醫（軍醫部員）、看護卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
二等看護長（軍醫部員）、看護手（同）、看護卒２、擔架卒４
三等磨工長（藥劑部員）、磨工手（同）、磨工卒
馭者２
乗馬４（軍醫・看護長・磨工長・傳令用）、駄馬２（衛生材料馬）
<宗務班>（７名）
輔祭長（宗務部員）、傳令卒、馬卒（獸醫部員）、從卒（經理部員）
従者（宗務部員）、聖歌手、馭者
乗馬３（輔祭・從者・傳令用）、駄馬（祭具馬）
＜配属工兵小隊＞
軍土木工兵大隊より分遣。
【大隊】
（３,２５５名：山砲５４門）
第１大隊
第１中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第２中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第３中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第２大隊
第４中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第５中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第６中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第３大隊
第７中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第８中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
第９中隊 第１小隊 第２小隊 第３小隊
《聯隊長》 regiment chef, regimental commander（砲兵大佐）３箇大隊計５４門の山砲を指揮します。巧みな配置と砲撃指揮によって敵の攻撃を阻止し、或いは我が山嶽獵兵隊の突撃を援護します。装甲車輌が行動できない山嶽戦において、重火力は要塞重砲と爆撃機以外は、山砲しかありませんから、非常に重要な戦力です。殊に天候の悪い時期には、山砲兵しか戰闘加入できないため、戦線の勝敗を決する重要兵種となっています。