★★ 騎兵 ★★ kavalri(aw cheval), cavalry(or horse) → 部隊一覧
兵力
騎兵師團司令部2箇、騎兵旅團司令部13箇、騎兵聯隊47箇(外地1箇、西比利亜11)、騎兵大隊5箇
内譯
騎兵師團2箇(騎兵旅團6箇: 驃騎兵聯隊2箇、槍騎兵聯隊2箇、龍騎兵聯隊4箇、胸甲騎兵聯隊2箇)、軍騎兵旅團13箇(驃騎兵聯隊9箇、槍騎兵聯隊9箇、胸甲騎兵聯隊9箇)、師團龍騎兵聯隊17箇、騎兵學校嚮導騎兵隊1箇(驃騎兵大隊1箇、槍騎兵大隊1箇、龍騎兵大隊1箇、胸甲騎兵大隊1箇、混成騎兵大隊1箇)
龍騎兵 平時 35,528名(内地 29,512 外地 3,352) 戰時 46,614名 2箇旅團15箇聯隊1箇獨立大隊 内譯: 内地騎兵師團騎兵旅團龍騎兵聯隊4箇、内地師團龍騎兵聯隊10箇、外地師團龍騎兵聯隊1箇、西比利亜派遣軍師團龍騎兵聯隊5、騎兵學校嚮導龍騎兵大隊1箇。 うち騎兵師團騎兵、嚮導部隊及外地部隊は戰時編成。
驃騎兵 平時 8,428名(内地 8,428 外地 0) 戰時 12,224名 7箇聯隊1箇獨立大隊
内譯: 内地騎兵師團騎兵旅團驃騎兵聯隊2箇、内地軍騎兵旅團驃騎兵聯隊5箇、西比利亜派遣軍騎兵旅團驃騎兵聯隊2、騎兵學校嚮導驃騎兵大隊1箇(3中隊編成)。 うち騎兵師團騎兵及嚮導部隊は戰時編成。
槍騎兵 平時 7,536名(内地 7,536 外地 0) 戰時 11,076名 7箇聯隊1箇獨立大隊
内譯: 内地騎兵師團騎兵旅團槍騎兵聯隊2箇、内地軍騎兵旅團驃騎兵聯隊5箇、西比利亜派遣軍騎兵旅團槍騎兵聯隊2、騎兵學校嚮導驃騎兵大隊1箇(3中隊編成)。 うち騎兵師團騎兵及嚮導部隊は戰時編成。
胸甲騎兵 平時 7,536名(内地 7,536 外地 0) 戰時 11,076名 7箇聯隊1箇獨立大隊
内譯: 内地騎兵師團騎兵旅團胸甲騎兵聯隊2箇、内地軍騎兵旅團胸甲騎兵聯隊5箇、西比利亜派遣軍騎兵旅團胸甲騎兵聯隊2、騎兵學校嚮導胸甲騎兵大隊1箇(3中隊編成)。 うち騎兵師團騎兵及嚮導部隊は戰時編成。
騎兵學校新兵器實驗大隊1箇(各兵種混成)
1910年代までは馬匹編成でしたが、1920年代に入り急速に機械化が進み、騎兵隊は馬を捨て戰車に乗るようになりました。しかし名称は「戰車兵」や「装甲兵」ではなく、依然として「騎兵」を用い、その運用も舊来の騎兵と變りません。この邊の保守的な頑迷さがレミニア軍の特徴と云えます。
最後の騎兵突撃
輕騎兵・中騎兵・重騎兵の三種類があり、それぞれ用途が違います。
□輕騎兵 kavalri rapid(aw cheval rapid), light cavalry(or light horse) → top
輕量装備のため非常に快速な機動力を持ち、敵戰線に接近して威力偵察(小戰闘を伴う索敵)と前衛陣地の占領・維持を行います。時には、敵戰線の背後に浸透して、兵站線の破壊など特殊任務に從事します。
レミニア軍の輕騎兵は「驃騎兵聯隊」(husar regiment, hussar regiment)です。舊墺西太利の洪牙利輕騎兵(フサール)をそのまま模倣した兵種で、馬格は小にて輕快駿足(安価で干草のみの粗食に耐え、複雑な調教は不要)、兵も小柄で獨特の肋骨服を片袖だけではおり、毛皮の丸帽を被っています。拳銃2挺と短い騎兵銃、輕騎兵刀を装備。最初は神出鬼没、突然至近距離に現れ拳銃を聯續發射し、遠ざかったと見るや再び出現して肉薄し發砲、これを繰返しながら最後には異様に湾曲した獨得な刀を振りかぶって、こちらの首を一撃の下に刎ねようと快速で接近してきます。その精悍な姿は、たびたび繪畫の題材に採り上げられています。
また獵騎兵と云う兵種もあり、これは迅速移動のために徒歩獵兵が單に乗馬したものでしたが、驃騎兵と同様の任務をこなすほか、補助憲兵として司令部の護衛・宿營の割當にも活躍します。
今は驃騎兵は50粍砲搭載輕戰車で編成する快速部隊となっていますが、幹部の軍刀は獨特の反りの深い輕騎兵刀を使用するところに傳統が残っています。
本来は軍直轄の混成騎兵旅團に配属され、重騎兵と組合せて使用されることになっていますが、1929-30年の實戰では歩兵師團に分散配属され、強行偵察や歩兵支援を行いました。
最初の制式輕戰車は1920年採用のフランス共和國ルノー社製「FT17」(Faible Tonnage:輕量1917年式。重量7頓、乗員2、水冷35馬力 時速7.72粁米 航續距離35粁米、装甲8〜22粍 37粍砲 or 8粍機關銃)で、歐洲大戰終結と共に大量に剰ってゐたのを輸入し、改良を重ねたものです。當時としては世界初の畫期的な快速小型戰車として各國陸軍が競って購入し研究しました。現在は後備部隊や護郷軍に配備され尚現役で活躍しています。
1928年より大英帝國ビッカース社製輸出用「Mk.E(Type B)」俗称ヴィッカース6tA型(重量9頓、乗員3、88馬力 速度35.3km 航續距離粁米、装甲5〜13粍、50粍砲・8粍機關銃、車間無線信號装置)が制式となり、車内信號装置、機關室防火隔壁、改良覆帯を備え速度が大幅に向上しました。1929-30年の實戰に投入され機動戰に活躍し、その優秀さが證明されました。戰時中に無線信號装置が増設され集團運用能力が向上しました。1928年設計製造販賣の最新鋭戰車で、輸入國にはエストニア、芬蘭、波蘭、羅馬尼亜、勃牙利、希臘、蘇聯、葡萄牙、暮利比亜、支邦、日本、暹羅(シャム)があります。現在は1線を退き歩兵戰車として歩兵部隊重火器中隊に配備されています。
1929-30年の内戰終結後、ミグルシア、ゴルゴルニアなど侵入軍の掃討戰に於いて、北部から西部にかけての廣漠たる原野での性能不足に悩まされた機動軍は、米人クリスティが發明したM1930型快速戰車を制式に採用し、兵器工廠に於いて装甲備砲外観に改良を加えました。クリスティは母國亜米利加では異端視されましたが、その獨特の驅動装置による優れた機動性能に注目したのは蘇聯軍とレミニア軍のみです。(重量11頓、乗員3、航空用液冷400馬力 時速52粁米(装輪時72粁米 路上装輪時110粁米) 航続距離150粁米(装輪時250粁米)、装甲6〜13粍、50粍砲(携行彈96發)・8粍機關銃、車間無線信號装置)
歴史上の驃騎兵
歩兵軍旗を奪わんとする驃騎兵↓
胸甲騎兵の陣營を奇襲する驃騎兵↓
驃騎兵の祖型:洪牙利輕騎兵↓
村落を強行偵察する驃騎兵↓
驃騎兵中隊の突撃
□中騎兵 kavalri mez, medium cavalry → top
比較的重装備ですが、輕騎兵に次ぐ機動力があります。迅速に戰闘地域に進出して、敵に打撃を與え混亂させます。また逃走する敵を追撃し、執拗に襲撃を繰返しては、出血を強要します。輕騎兵や重騎兵の代りとしても用いられ、歩兵師團の機動兵力として活躍します。
レミニア軍の中騎兵は「龍騎兵聯隊」(drakon regiment, dragoon regiment)です。舊佛蘭西王國乗馬歩兵(ドラグーン)を模倣した古い兵種で、もともとは歩兵が乗馬して迅速に機動し、接敵すると下馬して小銃で歩兵戰闘を展開しました。大型の騎兵拳銃、騎兵銃、サーベルを装備しており、銅の兜と胸甲に長いマントを着けていました。そのうち普通の騎兵と變らなくなりましたが、編成は歩兵部隊のそれを依然として維持しています。(中隊をtrup, troopと呼ばず、歩兵並にkompani, companyと呼ぶ、歩兵と同じ12箇中隊編成、徒歩戰闘用の鼓手が配属されている、など)
銅の兜を被り長いマントを翻して、拳銃突撃してくる恐ろしい様子は、敵の歩兵が逃出すに十分です。 Drakon(Dragoon) とは、17世紀當時の最新式小火器であった轉輪式燧石銃(ドラゴン)を装備していたところから名前が附きました。
最初の中戰車
英國MarkA型を輸入したものです。
現用中戰車
現在は英國ビッカースMarkC型を獨自に改良した中戰車を制式としています。(重量15頓、乗員4、空冷170馬力、時速38粁米 航續距離210粁米、装甲10〜25粍、50粍加農砲(携行彈114發) 8mm機關銃2)
師團騎兵として配属され、輕重両用の便利な萬能騎兵として重寶されています。歩兵直協騎兵として敵戰車を撃退し、師團直轄騎兵として追撃・奇襲に活躍します。
歴史上の龍騎兵
□重騎兵 kavalri pez, heavy cavalry → top
最も重武装で破壊力があり、堅固な敵陣列の強行突破を任務とします。缺點は鈍足で、容易に敵の逃走を許してしまう處にありますが、他兵種の騎兵と組合せて使用するのがコツです。
レミニア軍の重騎兵は「胸甲騎兵聯隊」(kirasier regiment, cuirassier regiment)です。舊佛蘭西帝國胸甲騎兵(キラジエ)を模倣した兵種で、人馬ともに體格大、鐵兜に鐵の胴鎧(胸甲)をつけ、長く太い直劔と騎兵銃及び拳銃で武装します。革で裏打された胸甲は滑腔銃彈や白兵を跳返す程度の強度があります。敵前300米まで並歩(なみあしpas)で接近すると、一齊に速歩(はやあしtrot)に移り60米まで急速に迫って走行の儘拳銃を發砲、銃を放擲ないし鞘に収めるや俄然抜刀して突撃に移りました。25kgの装甲と110kgの騎手・装具及び700kgを超える猛獣の如き障碍飛越馬が時速30米以上の襲駈(しゅうほgalop)を以て集團で激突してくる為、その衝撃力は強力で、歩兵横隊の前列を踏潰し、第2列を跳ね飛ばし、第3列を押倒して、更になお前進を止めず、混亂した残餘の敵兵は斬り倒され、壊走のやむなきに至ります。缺點は乗馬が高價で調教に手間がかかり、飼料も上等な穀物や豆を輿えなければならない為、少數の聯隊しか維持できなかったことです。また他兵種の騎兵に較べ装具も馬格も重すぎて輕快な機動が出来なかったので、決戰部隊として温存される傾向にあり、實戰經驗は案外に乏しいのでした。
最初の重戰車
舊式の重戰車
現用の重戰車
今は75粍砲搭載重戰車(重量52頓、乗員5、液冷550馬力、時速 34粁米(路外16粁米)、航続距離250粁米、装甲75〜30粍 75粍砲(携行彈36發)、8粍機關銃3)で編成する部隊となっています。強力な陣地突破力を持っており、またその装甲は歩兵携行の對戰車砲の彈丸を悉く跳ね返します。
軍直轄の騎兵旅團に配属され、驃騎兵、槍騎兵と組合わせて使用されます。装備が高価なので部隊數が少く、その使用にあたっては、どの軍司令官も慎重です。
重戰車及中戰車混成支隊の戰鬪
歴史上の胸甲騎兵
軍歌を歌いつゝ演習より帰營する胸甲騎兵↓
負傷したる将校: 1910年代↓
□槍騎兵 ulan, lancers → top
特殊な兵種に「槍騎兵聯隊」(ulan regiment, uhlan regiment)があります。輕騎兵なみの快速で敵騎兵に接近し、強力な打撃力でこれを驅逐します。
波蘭王國で生まれたウーラン槍騎兵は、もともと輕騎兵だったのですが、長槍を装備して、重騎兵なみの打撃力を發揮するので、各國は安価な割りに効果の大きい、この兵種を競って採用しました。房飾りの付いた獨特の座布團帽(てっぺんが四角い座布團のようになって廣がっているため)で、詰襟、長ズボンのスマートな空色服が、槍の穂先を揃えて不意に出現し、急激に迫ってくると、他兵種の騎兵は騎兵刀のリーチが届かないので戰闘にならず、ひたすら拳銃を撃ちながら逃出します。しかし中騎兵や重騎兵は足が遅く、次々に追いつかれては長槍の血祭りにあげられるのです。格闘戰では長槍の手元が手隙となるため拳銃や騎兵刀も使用します。また突撃では先頭中隊は胸甲と兜を使用することがあります。槍騎兵の運用は俊敏を旨とし、敵が隊列を變換しようとして火線を解いた時や、装填のため射撃を停止している時に、その隙を突き、背後や側面に廻り込んで襲撃します。また丘の側面や窪地に潜んでいて、何も知らずにやってくる敵の隊列の前に突如出現して突撃したりします。このため重装備を誇る敵の重騎兵と雖も容易に驅逐されてしまうことが多くあります。
今は長口径88粍自走對戰車砲で編成する部隊となっています。徹甲性能に優れた長砲身の加農砲を備え俊敏な機動性能に恵まれた自走砲は巧に遮蔽された陣地に潜み、その照準に捉えられた装甲車輛は必ず大破の憂目に遭います。
軍直轄の騎兵旅團に配属され、驃騎兵、重騎兵と組合わせて使用されます。
歴史上の槍騎兵
槍騎兵對槍騎兵
槍騎兵對歩兵
→ top
☆レミニア軍の騎兵隊(戰車隊)の特徴は、行軍において戰車をトレーラーに載せ迅速に移動させる點です。戰闘地域まで進出すると、戰車はトレーラーから降りて、自力で躍進し接敵します。これにより行軍中の故障が少なく、移動力はトレーラーが快速であるため非常に増大します。
☆ 騎兵は装備に大變お金がかかります。また兵卒の訓練も手間が要ります。戰車操縦・信號・射撃のどれでも一人で出来るようにするのが原則です。搭乗員の誰かがやられたら、その代わりをするようにしてあるからです。それには2年間みっちり訓練しても未だ足りません。
戰車は野戰に於いては損耗が激しく編成定數の約3割が故障すると考えて差支えありません。其の為に十分な交換修理用部品の携行と修繕部隊の随伴が必要となります。また編成定數は稼働率の低下を見込んで過大氣味に設定されています。野戰では定數の3割が故障して戰闘から脱落するであろうと看做されています。
各師團に「龍騎兵聯隊」が1箇づつ配属されています。各軍直轄として「騎兵旅團(驃騎兵・槍騎兵・胸甲騎兵各1箇聯隊)」が1箇宛計5箇あります。方面軍直轄には主力として「騎兵師團(3箇騎兵旅團)」2箇があります。このように強力な騎兵を維持しているのは、聯合共和國の西・北の二方が陸續國境となっているためです。西部國境には小國であるにもかかわらず近代兵器を整備したミグルシア王國があり、北部國境には昨年まで交戰状態にあった獰猛野蠻な全體主義國家ゴルゴニアがあり、温暖な南方への進出を虎視眈々と狙っています。状勢は豫断を許しません。
戰車には騎兵用と歩兵用があります。歩兵戰車は騎兵ではなく、あくまで歩兵科の兵器です。重機關銃・歩兵砲・對戰車砲の装甲自走化を實現したのが歩兵戰車です。これにより歩兵重火器は、敵前至近距離での直接支援射撃が可能となりました。
歴史上の騎兵旅團
彼我騎兵旅團の大遭遇戰
《騎兵の特徴》
乗馬時代の騎兵は鐙に足が十分に届く者が選抜されたので揃って背が高く脚は絶えざる騎乗の為蟹股となって曲がっており、拍車附長靴の所為で引摺る様な歩き方をするので直ぐにそれと判りました。輕騎兵は細身で機敏且つ細心な性質の者が多く、重騎兵は大柄で猪突猛進の者が多いと云うのが世間一般の印象です。
現代では装甲化されて狭い場所に入らなくてはならないので小柄な者が多くなっています。然し急速度での突撃突破と大胆な機動を本領とする騎兵が持つ陽氣で輕快な性質は變っていません。