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平時歩兵部隊の營内編成を解説します。


  →内務班
  →中隊 kompani, company
  →大隊 batalion, battalion
  →聯隊 regiment, regiment
  →兵營配置 kazern, barrack
  
★★平時の歩兵部隊★★

平時の歩兵部隊は聯隊を單位として兵營(おおよそ縣に1箇:全國を師團管區に分け、管區内の國防上樞要な必要な地に置く)に駐屯し、衛戍地(部隊が半永久的に駐屯する地)の守備と兵の教育(訓練)に努めます。

【編成】
兵員は戰時編成の半分しかいません。これは税金の節約のためです。戰争になれば動員令を發して在郷軍人を召集し定員を満たせばよいのですから、平時から大勢の兵隊に御飯を食べさせておく必要はありません。しかし幹部(将校准士官・下士)だけは戰時編成と同じ人數を普段から兵營に揃えています。聯隊で戰時だけ臨時に編成を擔任する臨時の部隊(留守隊や後備聯隊、獨立大隊)などは、平時は編成表の上だけしか存在せず、戰争になると短時日の間に動員されて兵營に同居します。兵營は満員となり、はみ出した應召兵は營庭に天幕を張って暮らしたり、兵營の周辺の學校・寺院・民家などに分宿します。
兵營の平時編成は、聯隊長が定める「部隊内務書」に從います。全軍に統一の内務書は存在せず、部隊毎に決めてよい事になっています。どの部隊も同じような内容の「内務書」ですが、係の名称、日課の時間割や歩哨規則など細かいところが、それぞれ微妙に違っています。なぜ内務書を統一しないかと云えば、それは各聯隊の衛戍地は國の北から南まで、あまねく散在しており、それぞれ氣候や生活習慣が違う風土にあるからです。兵營生活に全國共通の統一規則を杓子定規に適用すると、いろいろ不具合が生じます。また傳統ある部隊には、獨特の行事や細かい取決があり、それらを統一することは易しくないからです。
兵營での編成を以下に説明します。教練や演習、應急出動では、現有の人員で、「歩兵操典」の規程とおりの編成(戰時編成)をとります。不足の人員分は、小隊數を減らす(1中隊4小隊編成を3小隊編成とする)、一部を缺とするなどして工夫します。そのへんは指揮官の裁量で柔軟に編成します。

【軍装】
(兵營の中は、みな普段着です。兵卒は營内用の古服(三装)を着ています。継ぎの當たったボロ服で、十年くらいは平氣で使います。洗い晒して色の落ちた、ほとんど生地の白に近いものです。これは作業着 fatigue clothes も兼ねています。徽章類は識別に必要な最低限のものしか附けません。餘り汚れのひどい仕事(炊事、兵器工、厨番など)には、ゴム引きの長靴や前掛け、作業服が支給されます。編上靴は教練・儀式や外出の時だけで、通常は「營内靴」です。これは古い編上靴を聯隊内の靴工場で短靴に改造したもので、もっと寛いでいる時や夜中に厠に行く時は「上靴」(スリッパ)をつっかけています。上靴もやはり古靴を改造した癈物利用です。
古参兵や下士は程度の良い服を着ていますが、これは被服掛が優先的に良いものをまわしてあげるからです。
外出や演習で營外に出る時は、よそいきの「二装」に着替えます。こちらは、まだちゃんと色がついていて、階級章や徽章類も附けてあります。儀式など廉ある時には、持っているだけの勲章記章類を全部附けます。いつもは怠け者で目立たない古参兵が将校でさえ滅多に貰えない最上級の武功勲章を附けて出てくるので、新兵どもは吃驚します。本格的に部隊が出動する時や兵隊が他機關に分遣される時は、被服庫に大切にしまってあった最上等の「一装」が支給されます。
それぞれの被服等級は更に細分されて、その程度により甲乙丙に類別され、「ニ装の甲」とか「三装の乙」と呼ばれます。この類別は兵隊仲間では女性の品定めにも使用されます。
軍曹以下の下士卒は、歩兵銃と銃劔が基本兵器ですが、外出時には銃劔だけを腰に吊るします。銃は内務班の銃架に立掛けてあります。曹長以上は軍刀を吊します。本部附の下士卒も乗馬が職務上必要な場合は軍刀と半長靴を支給されます。殊に戰場の下士は拳銃を携帯する場合が多く、これは押伍列(兵卒の隊列の直後)にあって督戰する時に、前進命令に從わない兵を威嚇または射殺するためです。
将校・准士官の被服は自費です。仕立屋で誂えます。服地は自分で選ぶので、色が微妙に違い、なかには正規のカーキ色から外れたオリーブ色や濃褐色のものもあります。軍刀・長靴・拳銃・拳銃彈・双眼鏡・圖嚢なども自費で調達します。このため将校・准士官の任官時には任官支度金が出ます。)
佩刀は刃の附いていない輕い指揮刀が好まれます。戰闘用の軍刀は非常に重く、取扱も面倒なので、将校がこれを常に吊るしている場合は、自分が闘争的な愛國者か、或いは常在戰場をモットーとする武闘家であることを示威する為です。


【平時編成例】

聯隊本部
    第1大隊本部
        第1中隊
            第1内務班
            第2内務班
            第3内務班
            第4内務班
            第5内務班
        第2〜4中隊
    第2大隊本部
        第5〜8中隊
    第3大隊本部
        第9〜12中隊


【配置の詳細】

聯隊本部
   聯隊長室:聯隊長(大佐)
   戰時命課 留守隊長(中佐)
   軍旗室:軍旗衛兵(歩哨)
   副官室:聯隊副官(大尉)、聯隊旗手(少尉)
   聯隊事務室:軍旗曹長、書記2(曹長)、喇叭長(軍曹)
   當番控室:傳令、鼓手、笛手(派遣聖歌手)
   動員室:動員掛首座(大尉)
      動員計畫委員(中尉、少尉)、助手(曹長、軍曹2、上等兵3)
      戰時命課 補充交替掛(准尉)、助手(曹長、軍曹、上等兵3)
      戰時命課 留守掛(少尉補)、助手(曹長、軍曹、上等兵3)

   電信室:信號長(軍曹)、信號手12(上等兵)、信號卒24
      (送受信室・電話交換室・器材庫)
   暗號室:暗號長(伍長)、暗號手3
   週番司令室:週番司令(大尉)
   週番副官室:週番副官(曹長)
      (會報室・印刷所・講堂・應接室・商人控所)
   衛兵所:風紀衛兵司令(下士)、營舎掛(上等兵)、歩哨掛(上等兵)、控衛兵12、喇叭手3、鼓手3、笛手2
      營倉(衛兵所の内部に設置):歩哨、營倉入の兵
      面會所(衛兵所に隣接)
      營門・哨舎(衛兵所に隣接、兵營の玄関口):歩哨
      裏門(兵營の裏手に開いている通用口):歩哨
      聯隊本部軍旗室(衛兵所の近傍に聯隊本部あり):歩哨
      彈藥庫(安全のため兵舎から一番遠く設けられ、頑丈な煉瓦建で土壁を以て囲ってある):歩哨
      其の他聯隊長の指定する場所:歩哨
   經理委員首座室:首座(中佐)
   經理室:高級主計・經理委員(一等主計)
      主計掛:經理委員(二等主計)、助手(二等計手、三等計手)
      營繕掛:經理委員(中尉)、助手(准尉、三等計手、上等兵)
         陣營具庫:倉庫長(軍曹)、助手(上等兵)
         練習用具庫:倉庫長(軍曹)、助手(上等兵)
      糧秣掛:經理委員(二等主計)、助手(准尉、三等計手、上等兵)
         糧秣庫:倉庫長(軍曹)、助手(上等兵)
         1號炊事場=第1大隊用
            事務室:三等炊事長、助手(炊事手)
            炊事場・蒸汽機關室:炊事手4、炊事卒4、炊事當番4
            製麺麭場:製麺麭手、製麺麭卒4
            浴場
         2號炊事場=第2大隊用
         3號炊事場=第3大隊用
      被服掛:經理委員(二等主計)、助手(准尉、三等計手、上等兵)
         被服倉庫(新品庫・古品庫・戰用別途庫・戰用準備庫):倉庫長(軍曹4)、助手(上等兵4)
         被服工場:二等縫工長、助手(縫工手)
            縫工場:三等縫工長3、縫工手12、縫工卒12
            靴工場:三等靴工長、靴工手12、靴工卒12
   兵器委員首座室:首座(少佐)
      兵器掛:兵器委員(兵器技手)、助手(上等工長、上等兵)
         兵器庫・彈藥庫:監守長(軍曹)、助手(上等兵)
                砲厰:砲厰長(軍曹)、助手(上等兵)
         銃工場:二等銃工長、三等銃工長3、銃工手12
      車輛掛:兵器委員(中尉)、助手(准尉、上等兵)
         車廠:監守長(軍曹)、助手(上等兵)
         油脂庫:倉庫長(軍曹)、助手(上等兵)
      獸醫事務室
         獸醫室:兵器委員(二等獸醫)
         事務室:助手(一等蹄鐵工長)、蹄鐵工手、蹄鐵工卒3
         (診療所・藥室)
         隣接他隊共用(蹄鐵工場・病馬厩・隔離厩):必要人員を分遣
         厩:厩週番上等兵、厩當番3(馬匹中隊あれば中隊毎に1増加)
         犬舎:軍犬手(上等兵)、軍犬卒3
         鳩舎:傳鳩手(上等兵)、傳鳩卒3
   将校集會所委員首座室:首座(少佐)
      将校集會所
         事務室:将校集會所委員(大尉)、助手(准尉、上等兵)
         食堂・喫煙室・遊戯室・宿泊室:給仕長、給仕4、掃除夫3
         廚房・浴場:二等炊事長、炊事手、廚夫3
         酒蔵:酒蔵番
         控室:傳令、從卒
         庭園:庭番
         厨・馬場:馬卒
   下士集會所監督将校室:監督将校(少佐または大尉)、下士集會所委員(准尉)、助手(特務曹長、軍曹、上等兵)
      下士集會所
         食堂:給仕長、給仕4
         廚房:廚夫長、廚夫3
         賣店:酒保商人手代、賣子3
   酒保委員室:首座(少佐または大尉)、委員(大尉ないし中尉)、助手(准尉、軍曹、上等兵)
      酒保:酒保商人、酒保商人手代、賣子3
      理髪所:散髪親方、散髪職人3、散髪徒弟3
      洗濯場・物干場:洗濯親方、洗濯職人12、洗濯徒弟24
   共有金保管委員:首座(少佐または大尉)、委員(二等輔祭)、助手(准尉、軍曹、上等兵)
   文庫委員室:首座(少佐または大尉)
      文庫掛:文庫委員(二等輔祭)、助手(從者長、從者、上等兵)
   醫務室:一等軍醫
      軍醫室:二等軍醫3
      事務室:日直看護長、週番看護手
      診断室・治療室:當番軍醫、當番看護長、當番看護手
      藥室(隣接衛戍病院藥局ある時は設けず)
      休養室・隔離室:看護卒12
   教會:輔祭長
      輔祭室:輔祭3
      事務室:從者長、從者3
      會堂:聖歌手12
第1大隊本部
   大隊長室:大隊長(少佐)
   副官室:大隊副官(中尉)
   事務室:軍旗曹長、書記2(曹長)、喇叭長(伍長)
   當番控室:傳令、鼓手、笛手(派遣聖歌手)
第2大隊本部(第1大隊に同じ)
第3大隊本部(第1大隊に同じ)
   第1中隊
      中隊長室:中隊長(大尉)
      事務室:人事掛(特務曹長)、給養掛(曹長)、兵器掛(軍曹)、被服掛(軍曹)、陣營具掛(伍長)、人事掛助手(上等兵)、給養掛助手(上等兵)、週番上等兵2
      當番控室:傳令2、鼓手、笛手(派遣聖歌手)
      将校室(兼週番士官室):中尉、少尉、准尉、少尉補、見習士官
      特務曹長室(個室)=特務曹長事務専用
      曹長室(個室):營内居住曹長
      見習士官室:見習士官居室(營外居住の将校勤務者は除く)
      候補生室:士官候補生(軍曹、伍長)
      下士室(個室):古参軍曹(服役6年以上)居室
      下士室2:軍曹4、伍長8=事務室・居室兼用
      兵器庫:兵器掛助手(上等兵)
      被服庫:被服掛助手(上等兵)
      (陣營具庫・雑庫)
      兵室
         第1内務班:初年兵掛(上等兵)、古兵13、初年兵14
         第2内務班
         第3内務班
         第4内務班
         第5内務班:士官候補生(上等兵)、一年志願兵、雑卒、應召兵、乃至豫備室
      (面洗場2・厠2)兵用・将校用
   第2〜12中隊


<職務解説>
☆☆聯隊本部  → top

【聯隊長】(大佐)

(擔任業務)
1 聯隊の統率
2 聯隊戰力の充實、出戰準備
3 軍紀振作、風紀粛清、教育訓練
4 團結の中心
5 動員計劃實施
6 人事、賞罰休暇附與
7 諸般業務統理

戰時命課 【留守隊長】(中佐)
平時は聯隊附として教育計劃・演習實施などを擔任しいる老佐官がなります。聯隊出征時には、平時編成の留守隊が衛戍地の守備に任じ、併せて現役初年兵及應召兵の教育・擔任部隊の編成・補充・留守業務を實施します。

【聯隊副官】(大尉)
聯隊長の秘書役です。また聯隊本部事務を取締り、聯隊事務室を主宰します。
(擔任業務)
1 命令・諸達・通報・報告など文書の起案・發送・受領・傳達
2 聯隊歴史の起草
3 圖書書類の受領・分配・印刷・保管
4 公務運賃割引證・下士兵旅客運賃割引證乗船證の發行
5 印章保管、公用證・外出證・營外居住證・門鑑・郵便切手葉書の保管出納

戰時命課 【留守隊副官】(中尉)
聯隊出征後の衛戍地に於いて平時の聯隊副官と同じ職務を行います。

【聯隊旗手】(少尉)
軍旗を捧持し、これを守護します。また聯隊副官の事務を補助し、聯隊長の専属副官(鞄持ちの秘書のようなもの)の役目をします。再も新任の若い将校が任命されます。
(擔任業務)
1 軍旗の捧持・守護
2 聯隊戰闘經過の記録
3 機密秘密圖書文書の保管・出納

【聯隊軍旗曹長】(曹長)
聯隊旗手を護衛し、旗手が弊れれば代りに軍旗を捧持します。また旗手の事務を補助します。最古参の曹長がなります。
取扱文書: 考科表、機密書類調製原簿、秘密書類調製原簿、機密書類保管原簿、秘密書類保管原簿、機秘密書類貸附簿、秘密書類貸附簿
軍事機密圖書の種類(下記のうち必要なものが聯隊長宛に配布される。このうち動員關係の圖書は、動員掛将校が保管する): ?作戰計畫要領書、作戰計畫訓令、某年度守勢作戰計畫訓令 ?國軍總司令部動員計畫令、動員計畫令、動員計畫訓令、要塞防御計畫書、要塞彈藥備附規則、要塞動員計畫訓令、某年度陸軍各部團隊動員計畫概見表、動員計畫調査報告規則、兵器表、動員用兵器被服糧秣器具材料貯蔵區分表、動員計畫竝作戰計畫ニ伴フ鐵道船舶輸送計畫ニ關スル圖書 ?國防用防御營造物ニ係ル圖書及要塞近傍一万分の位置以上ノ梯尺圖 ?戰時國軍總司令部編制、戰時編制、戰時編制理由書、陸軍軍備拡張理由書 ?戰時軍用通信書(電信暗號、信號書ノ類) ?諜報(最モ秘密ヲ要スルモノ)及秘密ヲ要スル外國地圖 ?其ノ他

【聯隊本部書記】(曹長2)
聯隊副官の命を承け、分擔業務に服します。
(擔任業務)
1 文書の發送・受領、その他一般の庶務
2 定例に依る諸記録の記入・報告・通報等の調製、書類の浄寫・校正
3 聯隊本部圖書・文書(機密秘密圖書文書を除く)の整理・保管・改訂・加除
4 聯隊本部の營繕、練習用具・陣營具・陣營雑品・事務消耗品・其の他備附諸物品の監守
5 聯隊本部當番の勤惰監督、火元取締、臨時延燈許可者周知

備附帳簿: 聯隊歴史、兵籍、戰時名簿、褒賞録、處罰録、人馬異動録、申請録、上申録、人事ニ關スル書類綴、航空加算勤務日録、見習士官ニ關スル書類綴、将校同相當官准士官下士職員録、准士官下士實役停年名簿、イロハ名簿、普通圖書簿、普通圖書貸附簿、發翰来翰綴、發翰番號簿、来翰受附配布簿、送達簿、命令簿、訓令訓示録、講評録、教育書類綴、射撃ニ關スル書類綴、學術科豫定實施表、下士演習勤務出場表、勤務割出簿、報告綴、馬匹名簿、需要修理返納傳票、修理申立帳、營繕圖書類綴、陣營具備附簿、器具材料練習用具備附簿、營外居住者宿所簿、門鑑公用證外出證營外居住證配布簿、公務運賃割引證、下士卒旅客運賃割引證、乗船證受渡簿、郵便物受渡簿、郵便切手葉書受拂簿

【聯隊喇叭長】(軍曹)
喇叭手・同修業者を教育します。また聯隊副官の命を承け、聯隊本部の事務を補助します。

【信號長】(軍曹)
聯隊長の命を承け、電氣信號(有線・無線)の設備保守と送受信を擔任します。また信號手・信號卒・同修業者を教育します。

【信號手・信號卒】(上等兵、一等卒)
3直交代で、聯隊電氣信號の送受信・電話交換・設備保守に從事します。

【暗號長】
暗號表を保管し、師團から通知される解讀の鍵を管理します。また暗號手を教育します。
【暗號手】
暗號の組立・解讀をします。暗號を特業とする兵卒が3直交代で勤務します。


☆週番

【週番司令】(聯隊長の指定する大尉・大尉の職務をとる中尉、聯隊副官を除く)(中隊數2以上の分遣隊にも置く、大尉が4名未満の時は4名になるまで中尉を加える)
聯隊長(ないし分遣隊長)不在時の代理をします。とくに聯隊長が夕方歸宅した後は、翌朝、聯隊長が出勤してくるまで、聯隊長に代って兵營の責任を負うので、俗に「夜の聯隊長」と呼ばれています。
勤務は、土曜日正午から翌週土曜日の正午まで、定位置は聯隊本部の「週番司令室」です。泊り込みで、日曜・祝日も晝夜聯隊を離れません。副官以外の聯隊附大尉は12名いるので、3ヶ月に1回、順番が廻ってくる勘定になります。
(日常業務)
1 自ら「營内を巡察」し、また風紀衛兵・週番諸官に巡察を命ず。
2 諸衛兵・衛戍傳令(司令部・官衙に分遣する兵員)などに服する人馬の數・その「軍装を檢査」し、「必要の訓示」を與える。
3 休日に營内居住者が多數外出している時は、週番士官・週番副官に「營外巡察」を命ず。
4 取締上必要と認める時は、「臨時點呼」を行う。
5 氣候によっては、營内居住者・風紀衛兵の「服装」を臨時に規定する。
6 「營内参観」の希望者あれば許可する。(中隊内部は、當該中隊長の承認が必要)
7 聯隊副官・大隊副官の不在時には、「諸運賃割引證・公用證・外出證を交附」する。
8 火災など非常事態時には、「風紀衛兵の人員・哨所の數を増加」する。
9 犯罪、盗難、物品の紛失・拾得などに關して必要ある時は、「憲兵隊・警察署」などに聯絡する。
10 營内出火・近火の時は、必要に應じ「火災の號音」を吹奏させる。
11 月例の「消防演習」を行う。

【週番副官】(聯隊長の指定する曹長、聯隊本部書記を除く)(中隊數2以上の分遣隊にも置く、曹長が3名未満の時は、4名になるまで軍曹を加える)
週番司令の指揮を承け、同官を輔佐して細務に從事します。 勤務期間は週番司令と同じで、定位置は聯隊本部の「週番副官室」です。聯隊本部書記以外の曹長は21名いるので、7ヶ月に1回、順番が廻ってくる勘定になります。
(日常業務)
1 上番衛兵が集合すると、これを指揮して週番司令の檢査を受けさせる。(ただし衛兵司令の方が上級先任の時は、週番副官は列外に位置し、衛兵司令が指揮する)
2 風紀衛兵所・哨所を巡察し、その勤務を監督する。
3 中隊に属せざる場所を巡察する。(聯隊本部、醫務室、炊事場、工場、彈藥庫、倉庫、營倉、面會所、酒保、集會所など)
4 中隊に属せざる場所の臨時點呼あれば、その人員檢査に立會い、結果を週番司令に報告する。時々、日朝・日夕點呼にも立會う。
5 消防具を監守する。
6 營倉入りの者の出入を承知し、風紀衛兵司令にその受渡しをさせ、週番司令に報告する。
7 風紀衛兵より提出する物品持出證を發行者に返却する。
8 臨時延燈許可の通報を受ければ、風紀衛兵司令に通報し、週番司令に報告する。

【週番士官】各中隊に1名(中隊長の指定する當該中隊附の将校・准士官・将校勤務見習士官・少尉候補者・特務曹長勤務曹長)
週番司令の指揮を承け、かつ中隊長の指示に基き、週番下士以下を指揮して、その職務を執行します。勤務期間は週番司令と同じで、定位置は「中隊将校室」(少尉候補者以外の特務曹長・特務曹長勤務曹長は中隊事務室)です。中隊には該當者がすくなくとも5名いるので、5週間目ごとに順番が廻ってくる勘定になります。
(日常業務)
1 人馬の員數・状況を承知し、患者・病馬ある時は、受診の手續をなさしむ。軍醫・獸醫退營後は、當直軍醫・獸醫に通報し、かつ週番司令に報告する。
2 營内を巡察し、また週番下士以下に巡察を命ず。 3 點呼の際は、週番下士を随え、中隊の人員を檢査し、その結果を週番司令に報告する。
4 必要あれば、中隊の臨時點呼を行い、ただちに週番司令に報告する。
5 脱營者・歸營遅刻者・その他の犯行者ある時は、臨機の處置をなし、速やかに中隊長・週番司令に報告する。
6 物品の盗難・紛失・拾得などある時は、臨機の處置をなし、週番司令に報告する。輕微の事項は報告するに及ばず。
7 特務曹長不在の時は、公用證・外出證を保管し、必要に應じこれを交附する。
8 勉めて下士以下に親炙し、起居の間、中隊内務の向上を圖る。

【週番下士】聯隊本部に1名、大隊本部に1名、各中隊に1名、(聯隊副官の指定する聯隊本部附兵科下士、大隊副官の指定する大隊本部附兵科下士、中隊長の指定する當該中隊附の軍曹・伍長・伍長勤務上等兵)(近接して位置する各本部、あるいは各本部合せても附下士3名未満の時は、合同して1名の週番下士を置く。それでも附下士3名未満の時は、日直勤務として可)
○ 本部附週番下士は、週番司令の指揮を承け、かつ所属副官の指示に基き、その職務を執行します。勤務期間は週番司令と同じで、定位置は「本部事務室」(本部事務室以外の事務室に勤務する者は當該事務室)です。各本部には該當者がすくなくとも3名いるので、3週間目ごとに順番が廻ってくる勘定になります。
○ 中隊附週番下士は、週番司令の指揮を承け、かつ中隊長の指示に基き、その職務を執行します。勤務期間は週番司令と同じで、定位置は「中隊事務室」です。中隊には該當者がすくなくとも20名いるので、5ヶ月ごとに順番が廻ってくる勘定になります。
(日常業務)
1 人馬の員數・状況を承知し、兵舎・厩・砲廠・格納庫・車廠などを巡察する。
2 夜間は特に火災豫防に注意し、消燈後は必ず火氣の消滅を確め、不寝番及厩當番の勤務を監督する。
3 患者ある時は、自ら之を率いて診断を受けしめ、患者名簿に所要の記入を為し、軍醫の認印を受ける。   病馬ある時は、病馬名簿に其の馬名を記入し、厩週番上等兵をして受診の手續を為さしめる。
  人馬ともに、その受診結果を中隊長・週番士官・特務曹長・曹長・内務班長に報告・通報する。
  入退院・入退厩の人馬ある時は、週番上等兵・厩週番上等兵をして其の處置を為さしむ。
4 點呼の際は、週番士官に随行する。
  時々、厩の日朝・日夕點呼に立會う。
5 公用證・外出證の必要ある時は、特務曹長(不在時は週番士官)より受領し、公用證に在りては本人に、外出方に在りては内務班長に之を交附する。
6 日々演習に出場する人馬數を調査し、演習開始前、中隊長・關係将校・特務曹長に報告する。
7 上番衛兵の服装を檢査し、これを集合所に引率する。
  衛兵司令が週番下士より上級先任なる時は、週番下士は直ちに集合所に至る。
  週番下士の服装は、上番衛兵に同じ(但し背嚢・外套を負わない)。
8 炊事準備の為、週番士官の認印を得たる食需傳票を随時炊事長に送附する。
  外出する下士以下にして、兵營に歸り食事せざる人員、辨當を要する人員、不食料の支給を受くべき者、の官等級氏名を調査し、不食料に在りては給養掛曹長に、その他は炊事長に通報する。
9 週番士官の認印を得たる給飼傳票を經理委員に送附し、馬糧を受領し、厩週番上等兵をして之を分配せしむ。
10 特務曹長より装蹄手續を命ぜられたる時は、装蹄請求簿に所要の記入を為し、厩週番上等兵をして装蹄を受けしめ、其の結果を中隊長・週番士官・人事掛特務曹長に報告する。
11 脱營者・歸營遅刻者・その他の犯行者ある時、物品の盗難・紛失・拾得などある時は、週番士官に報告する。
12 營内居住者多數外出したる時は、歸營時限に於いて異常の有無を週番士官に報告する。
13 營倉入の者ある時は、週番司令に通報し、其の服装・所持品等を檢査したる上、罰目・日數・隊號・等級・氏名を記したる覺紙と共に、風紀衛兵司令に引渡し、また營倉より出づる者ある時は、此れを同司令より受領する。
14 面會人あることを風紀衛兵より通知し来たる時は、下士以上に在りては直接本人に、兵卒に在りては通常特務曹長(不在時は週番士官)に報告し、所要の指示を承け、速やかに本人に傳達し、若し本人不在なる時は、其の行先及び豫定の歸營時刻を風紀衛兵に通報する。
15 一年志願兵・下士候補者・特業者・同修業者・工務兵・同修業者等にして、疾病その他事故に依り出場し能わざる者ある時は、之を教官・主任工長等に通報する。
16 上記以外に勤務上必要な事項は、其の都度、週番士官に報告する。

【週番上等兵】各中隊に2名(中隊長の指定する當該中隊附の伍長勤務を除く上等兵)。
週番上等兵は、週番下士の指揮を承け、その職務を執行します。勤務期間は週番司令と同じで、定位置は「中隊事務室」または「居室」です。中隊には該當者がすくなくとも16名いるので、2ヶ月ごとに順番が廻ってくる勘定になります。
(日常業務)
1 兵舎の内外を巡察して、諸物品の保存・整頓・掃除の良否、火災・盗難の豫防に注意し、日夕點呼後は特に確執を巡察し、暖爐など暖房具の消火を點檢し、週番下士の檢査を受ける。
2 食事分配の時は、豫め食事數を週番下士より承知し、定時所要の當番を率いて食事を受領し、これを各班に分配し、食事終れば食器を集めて炊事長に返納する。
3 毎日、當番を集めて内務班に属せざる區域を掃除せしめ、以って兵舎内外の清潔を保ち、また掃除器具の保存に任ず。
4 營倉入の者に、食事・寝具等を差入れる時は檢査の上、風紀衛兵營舎掛に引渡し、用濟後は之を營舎掛より受領す。
5 入退院・入退室の患者ある時は、軍醫・週番下士の指示を承け所要の處置を為す。

【厩週番上等兵】各馬匹使用中隊に1名(中隊長の指定する當該中隊附の伍長勤務を除く上等兵)。
厩番上等兵は、週番下士の指揮を承け(自働車部隊は週番副官)、厩の取締に任じます。勤務期間は週番司令と同じで、定位置は「厩」です。中隊には該當者がすくなくとも16名いるので、4ヶ月ごとに順番が廻ってくる勘定になります。
(日常業務)
1 厩の内外を巡察し、厩當番の勤務を監視し、中隊共用の物品を監守し、火災豫防・馬匹の状態・窓戸の開閉・寝藁等に注意し、診断または装蹄を要する馬匹ある時は、内務班長に通報す。
2 日朝・日夕點呼の際は、厩當當番の人員を檢査し、異状の有無を週番下士に報告す。
  臨時聯呼の際は、週番下士臨場の下に人員を檢査す。
3 週番下士より馬糧を受領し、毎飼之を各馬または内務班に分配し、また水與の準備を為す。
4 病馬名簿を週番下士より受取り、定時限に於て病馬の診療を受けしめ、病馬名簿に所要の記入を為し、獸醫の認印を受け、週番下士に差出す。また病馬厩・隔離厩に入り、若は之より出ずるものある時は、獸醫及び週番下士の指示を承け、所要の處置を為す。
5 装蹄請求簿を週番下士より受取り、所要の當番を指揮して装蹄を受けしめ、蹄鐵工長より装蹄請求簿に所要の記入を受け、週番下士に差出す。

【厩當番】各中隊毎に、馬匹數により1名より數名までを設けます。
厩週番上等兵の指揮を承け、馬匹の保護・厩内外の清潔、火災・盗難の豫防に任じます。中隊長が指定します。勤務期間は毎日交代で、正午より翌日正午まで。

↓厩

【日直看護長】部隊(獨立中隊を除く)に1名(高級軍醫の指定する看護長・看護手)。
日直看護長は、週番司令の指揮を承け、かつ高級軍醫及び當直軍醫の指示に基き、その職務を執行します。勤務期間は毎日交代で、正午より翌日正午まで。定位置は「醫務室」の中の「事務室」です。聯隊には該當者がすくなくとも17名いるので、17日目ごとに順番が廻ってくる勘定になります。
(日常業務)
1 醫務室内外を巡視し、要すれば週番看護手に巡察を命ず。
2 夜間は特に火災豫防に注意し、消燈後は必ず火氣の消滅を確む。
3 炊事場・浴場・酒保・厠等を巡察し、衛生上諸規定の服行に注意し、その状況を週番司令及軍醫に報告す。
4 諸官退營後は入室患者の看護及び患者の救急處置を行い、急病又は重症患者ある時は、當直軍醫来診まで、應急の處置を為す。
5 日朝・日夕點呼の際は、人員を檢査し、その結果を週番司令に報告す。臨時點呼の際は、週番副官の立會いを待って人員を檢査す。
6 規程以外の時期に休養室・診断室等に暖室の處置を為したる時、及び臨時延燈を許可せられたる時は、週番副官に通報す。
7 藥室の鍵を保管し、掃除器具を監守す。

【週番看護手】必要ある時には、各部隊(獨立中隊を除く)に1名(高級軍醫の指定する看護手)。
週番看護手は、日直看護長の指揮を承け、日直看護長の勤務を補助します。勤務期間は週番司令と同じで、定位置は「醫務室」の中の「事務室」です。聯隊には該當者がすくなくとも12名いるので、3ヶ月目ごとに順番が廻ってくる勘定になります。

【不寝番】各中隊毎に設け、木銃を持った2名ひと組で、1時間ごとに次の組に順次交代していきます。1名は中隊通路に立番し、他の1名は中隊内を巡回します。期間は日夕點呼後より翌朝起床時限まで。中隊長が指定します。
週番下士の指揮を承け、主として火災・盗難の豫防、衛生に注意するを任とします。内務班の暖爐の火の監視や、窓の開閉、寝相の悪い兵隊に毛布を掛け直してやったりします。

【風紀衛兵司令】(聯隊長の指定する下士官、通常は伍長・軍曹が充てられる。各中隊廻り持ちで、衛兵を出す)
週番司令の指揮に属し、營舎掛・歩哨掛・歩哨・喇叭手・鼓手・笛手を指揮して、營内の取締・警戒に任じ、營門出入の者を監視するを以て任とします。定位置は、營門(表門)脇にある衛兵所です。
風紀衛兵の編成・服務は、聯隊長が細部を規程します。
勤務期間は部隊により異なりますが、通常は午前中の衛兵交代時より、翌日の同時刻までです。
(日常業務)
1 上番衛兵司令は下番衛兵司令より申送を受け、營舎掛をして其の監守に属する諸物品を受取らしめ、歩哨掛をして歩哨を交代せしむ。
  また營倉に在る者の人員・著装・所持品等は自ら之を檢査す。
  右終れば上下番衛兵司令はこれを週番司令に報告す。
  下番衛兵司令は此の際、報告を週番司令に、物品持出證を週番副官に差出す。
2 點呼の際は、衛兵を整列せしめ、人員を檢査し、營倉を巡視し、異状の有無を週番司令に報告す。
3 週番司令より命ぜられたる時刻、其の他時々、自ら巡察し、又は部課に命じて巡察せしめ、營内の取締・警戒・火災豫防に注意す。
4 衛兵所の時計は、毎日正午、之を規正す。
5 表門は、通常、起床號音にて開き、夕食號音にて閉じ、其の他の諸門は聯隊長の定むる時刻に開閉す。
6 外来人の取扱概左の如し。
 ○ 下士以上に面會を求むる者ある時は、氏名を尋ね、直接、又は週番下士を経て、之を該官に通報して、所要の處置を為す。
 ○ 兵に面會を求むる者ある時は、兵の隊號・等級・氏名、面會人の住所・氏名・兵との間柄を面會簿に記入し、面會所に案内の後、週番下士に通報す。
 ○ 地方官公吏・團體等にして、慰問の為、来營したるときは、聯隊副官(不在時は週番司令)の指示を請く。
 ○ 面會人・其の他の携行品に注意し、軍紀・風紀・衛生上有害なりと認むるものある時は、週番司令に申出て、其の指示を請く。
 ○ 營内参観を請う者ある時は、週番司令の指示を請く。
7 准士官異状・見習い士官・少尉候補者・之等に準ずべき者・其の他の随從者・營外居住下士以外の者で、營外に物品を持出さんとする者ある時は、其の持出證と物品とを照合のうえ持出證に檢印し、もし持出證なき者・又は證明外の物品を携うる者ある時は、之を止め、週番司令に届出つ。
  營内に持ち入らんとする兵の所持品に對しても、必要と認むる時は之を檢す。
8 表門に出入を許すべき者左の如し。
 ○ 指揮者に依り引率せられたる者
 ○ 下士以上・其の随從者、制服もしくは所定の徽章を附したる陸軍文官(外出の規程時限以外に出入する下士は、公用證・外出證明書・外泊證明書・營外居住證を所持するを要す)
 ○ 兵卒にして、公用證・外出證(休日外出規程時限内)・外出證明書(休日外出以外の時)・外泊證明書(休日外出以外の時)を所持する者
 ○ 憲兵・傳令・郵便電信集配人
 ○ 門鑑を所持する者
 ○ 特に聯隊長の許可せる者
9 下士(營外居住者を除く)以下、外出の規程時限以外に營門を出入する者ある時は、自ら之を檢す。
10 遅刻して歸營したる者ある時は、隊號・官等級・氏名・入門時刻を記し、週番司令に報告し、かつ本人所属隊の週番下士に通報す。
11 衛兵所・哨舎・營倉・面會所・備附諸物品に破損・紛失等ある時は、其の事由を調査し、修理申立帳に記入し、聯隊本部に申出て、消耗品は營舎掛をして聯隊本部より受領せしむ。
12 營倉入の者ある時は、週番副官の指示を承け、週番下士より之を受領し、服装・所持品等を檢査し、營倉に錮し、入倉者の動静・營倉内の清潔・換氣等に注意す。
  演習・入浴・取調等にして營倉入の者を出す為、週番下士来る時は、週番副官の許可を請け、本人を引渡す。其の授受に關しては、入倉の時に準ず。
  營倉入の者に面會を許可せられたる者ある時は、自ら之に立會う。
  營倉の開閉は、自ら之を為し、物品出し入れの際には、之に立會う。
13 衛兵・營倉入りの者、診断を願出ずる時は、週番副官に届出て、所属中隊の週番下士に通報し、診断を受けしむ。
  衛兵中、疾病・事故等にて服務せしめ難き者ある時は、週番副官に報告し、所属中隊に代人を請求す。
14 非常・火災ある時は、直に週番司令に急報し、衛兵を整列せしめ、其の指揮を受く。
  また火災にして、瞬時も猶豫すべからざる時は、號音を吹奏せしめ、要すれば營倉入の者を他に移し、看視者を附し、其の他、臨機應變の處置を為す。

【營舎掛】(聯隊長の指定する上等兵)
風紀衛兵司令の命を承け、衛兵所・營倉・面會所等内外の清潔保存・火元取締に注意し、備附諸物品を監守します。
勤務期間は部隊により異なりますが、通常は午前中の衛兵交代時より、翌日の同時刻までです。
(日常業務)
1 當番を割出し、營門・衛兵所・其の他受持場を掃除せしめ、また備附諸物品の手入を為さしむ。
2 營倉内の掃除は、營倉入の兵ある時は、毎日之をして實施せしめ、居らさる時は、當番をして實施せしむ。
3 營倉入の者の寝具・食事の授受を為す。

【歩哨掛】(聯隊長の指定する上等兵)
風紀衛兵司令の命を承け、歩哨の交代を行い、哨舎の清潔保存に注意し、歩哨をして服装を正くし、守則を熟知し、これを厳密に實施せしむるを以って任とします。
聯隊長は衛戍地の状況を考慮して、歩哨の特別守則を規程することがあります。
勤務期間は部隊により異なりますが、通常は午前中の衛兵交代時より、翌日の同時刻までです。

【歩哨】12名(聯隊長の指定する兵卒、實際は中隊特務曹長が決める)
各中隊回り持ちで衛兵を出します。禮式令と歩哨守則に通じた兵卒(一等卒・第1期教育終了の二等卒)が選ばれます。缺禮や敬禮の間違いがあっては、聯隊の名誉にかかわるからです。ことに二等卒は成績優秀でないと勤まらないので、これに同年兵中第一番に選ばれると上等兵候補確實です。逆に一等卒の場合は、中隊人事掛特務曹長が懲罰の為に衛兵連続上番(毎日切れ目無しに衛兵に當るように勤務割を組む)を命ずる事があります。
人數や立哨の場所、動哨の有無など、細部は聯隊長が規程します。
勤務期間は部隊により異なりますが、通常は午前中の衛兵交代時より、翌日の同時刻までです。1時間歩哨に立ち、1時間を衛兵所で休憩、1時間を控衛兵として衛兵所に待機するか營舎當番として雑務に從事します。

【喇叭手】3名(聯隊長の指定する兵卒、實際は聯隊本部の喇叭長が決める)
聯隊には、最低限、喇叭手が12名、喇叭術修業中の二等卒が12名いるので、其の中から順番で出てきます。3名いるうち、1名が衛兵所に常に控えており、あとの1名は、定時の號音吹奏の為に營庭に出ます。両名は衛兵司令の指示で交代し、休憩します。起床から消燈まで、聯隊の生活は全て號音の吹奏で合圖しますが、風紀衛兵の喇叭手は鼓手・笛手と共に營庭の中央に出て、これらを吹奏します。また營門では、聯隊長の出入の度にに喇叭を吹奏し、将官以上の来賓ある時にも、其の階級に應じて規程の禮式曲を吹奏します。夜間は非常號音以外には奏樂をしないので樂ですが、1名は起きて待機していなければなりません。
勤務期間は部隊により異なりますが、通常は午前中の衛兵交代時より、翌日の同時刻までです。

【鼓手】3名(聯隊長の指定する鼓手、實際は聯隊本部の喇叭長が決める)
聯隊には、最低限、鼓手が12名いるので、その中から順番で出てきます。勤務は喇叭手と同じです。

【笛手】2名(聯隊長の指定する聖歌手、實際は聯隊本部の輔祭長が決める)
聯隊には、最低限、聖歌手(横笛術修業済)が12名いるので、その中から順番で出てきます。勤務は喇叭手と同じですが、夜間は居りません。


☆動員室 → top

【動員掛首座】(少佐ないし大尉)
聯隊長の命を承け、聯隊の擔任する年度動員計畫、動員實施、出戰部隊への補充交替業務及留守業務に從事します。

【動員計畫委員】(中尉、少尉)
1 聯隊が擔任する野戰部隊、獨立部隊、後備部隊、留守部隊、國民兵部隊の編成を準備する。
3 戰時命課を定め、年度動員計畫を調製する。
2 召集豫定者の聯隊到達時間を調査し、召集時期を決定する。

戰時命課【補充交代掛将校】(准尉)
出征部隊(聯隊主力)・留守隊(平時編成聯隊規模)・獨立歩兵大隊(獨立混成旅團用)・後備聯隊1/2・國民兵大隊(必要數)・其の他自隊編成擔任部隊の補充交替業務を實施します。

戰時命課【留守掛将校】(少尉補)
出征部隊(聯隊主力)・留守隊(平時編成聯隊規模)・獨立歩兵大隊(獨立混成旅團用)・後備聯隊1/2・國民兵大隊(必要數)・其の他自隊編成擔任部隊の留守業務を實施します。

【動員掛助手】(曹長、軍曹2、上等兵3)
動員掛将校の事務を補助します。
戰時命課【補充交代掛助手】(曹長、軍曹、上等兵3)
戰時命課【留守掛助手】(曹長、軍曹、上等兵3)

備附帳簿: 動員ニ關スル書類綴(機密扱)


☆經理室 → top

【經理委員首座】(中佐)
聯隊長の命を承け、經理事務を監督します。戰時編制の陣營掛将校に該當する役目です。
1 諸給與の計畫・實施
2 被服・糧秣・陣營具・練習用具・消耗品・其の他諸物品の調瓣・檢査・保管・出納
3 金櫃・營繕・炊事・給飼・工場監視、装蹄・剔毛の經理
4 炊事・縫工・靴工下士卒の教育を監督

【經理委員】(主計全員、中尉)
經理委員首座の命を承け、主計・營繕及陣營具(建築修繕、野營具・家具・文具・其の他消耗品)・糧秣・被服の各掛に分れ(首座が掛の設定をするので、掛の構成は聯隊により、また同一聯隊でも時代により異なる)、經理事務を實施します。營庭の清掃・草取などは、各中隊から手すきの兵隊を集めて使います。

【經理委員助手】(准尉、計手、上等兵)
各中隊より事務要員として准尉・上等兵が出向き、また金銭出納・記簿要員として計手を配置し、經理委員の事務を補助します。

【倉庫要員】(軍曹、上等兵)
陣營具庫・練習用具庫・糧秣庫・被服庫には、各々倉庫長(軍曹)と助手(上等兵)を配置し、物品の監守と整理に當ります。収納品の棚卸や入換えは、各中隊から手すきの兵隊を集めて手傳せます。
倉庫には、當座の使用に供する物品を収蔵し、また演習出場及び動員に際して配布するべき物品を備蓄してあります。聯隊で動員を擔任する部隊は、出征部隊(聯隊主力)・留守隊(大隊規模)・獨立歩兵大隊(獨立混成旅團用)・後備聯隊1/2・國民兵大隊(必要數)がありますので、その分も用意してあります。
陣營具庫には、野戰用具(天幕・指揮所用具など)、豫備家具(手箱・刀架・寝臺・机・椅子・塵芥箱・痰壷・灰皿など)、行李材料(戰用金櫃・梱包材料・将校行李豫備など)、その他消耗品(文具、印字・印刷器具、兵器以外の工具など)を収納します。
練習用具庫には、射撃術用具(標的・知痕竿・狭窄射撃臺など)・銃劍術用具(防具・木銃など)などを収蔵します。
糧秣庫には、當座の麺麭材料の他、戰用の携帯口糧、炊事具・食器、馬匹用の保存食糧を収蔵します。
被服庫には、被服・装具が用途別に細かく分類されて 収蔵してあります。特に軍装は、一装から三装までに區分し、その中を更に甲乙丙と類別して、配布順序を決めてあります。出征部隊には一張羅の一装を、營内の新兵には三装の丙のボロボロ雑巾みたいなのを、と云う具合です。

【聯隊炊事長】(二等炊事長)
普段は将校集會所の厨房で、會食及び宿泊者の食事を調理します。

【大隊炊事長】(三等炊事長)
大隊炊事場で、4箇中隊分の食事を調理します。實際の調理は炊事手がするので、煮方・揚方・味附の技法指導と、ちょっと変った料理の際に自ら炊事するくらいで、あとは炊事事務室に位置し、専ら献立計畫と材料の調達、經理、炊事要員の人事・報告の作成など事務をこなします。
【聯隊炊事手】(炊事手)
聯隊炊事長の助手で、将校集會所の厨房で将校用食事の調理に専念します。

【大隊炊事手】(炊事手)
大隊炊事長の助手で、大隊炊事場事務室に位置し、献立、報告書の浄書、傳票・帳簿整理・勤務割など事務の補助をする傍ら、週一回の下士集會所の會食調理に参加して、腕を磨きます。

【中隊炊事手】(炊事手)
中隊から大隊炊事場に派遣される炊事手で、實際に朝晝晩の調理をするので、ゆっくり寝る暇も無いほど大忙しです。1人で1箇中隊分の分量を擔當します。また時々實施される炊事演習では、炊事車を曳き出してきて、野戰料理を作り、中隊に給食します。行軍演習にも随伴し、熱い茶や珈琲を供給します。また部隊外の教練に出る中隊員に辨當を作って持たせます。

【炊事卒】(二等卒)
初年兵の炊事手見習で、各中隊から1名が大隊炊事場に派遣されてきます。明方から深夜まで続く重労働ですが、炊事長の考えた献立表が一巡すると、だいたいの料理を覚えられます。そこで除隊後は食堂を開いたり、飯場の賄方になったりします。

【炊事當番】(兵卒)
悪い事をした兵卒を營倉に入れる程でもないが、外出禁止で済ませる程でもない、と云う懲罰に、炊事場で働かせるというのがあります。ジャガイモの皮剥から鍋釜皿洗、風呂掃除まで、あらゆる雑役を夜が明けないうちから、眞夜中まで、せっせとします。

【廚夫】(軍属:雑卒待遇)
手が足りない時は、民間人を時給で臨時に雇い入れ、炊事卒の代りとして働きます。

【製麺麭手】
大隊の麺麭焼竈で、毎日1箇中隊分の麺麭を焼きます。粉捏作業は、最近は器械でするため樂に成りました。

【製麺麭卒】
製麺麭手の助手です。

【浴場監視】
浴場で脱衣室の監視、入浴マナーの指導をします。中隊の週番上等兵が古兵の有志に頼んで出て貰います。


【縫工長】
被服工場で、被服の修繕・加工作業を計畫・監督し、縫工手・縫工卒の教育もします。また各中隊に出張しては初年兵に被服手入法を教育します。おおよそ布地材料・縫製技術に關しては聯隊いちの専門家です。被服には、鉄帽や背嚢・雑嚢・圖嚢などの袋物、毛布・枕など寝具、彈藥盒・刀帯・拳銃嚢など兵器に附随するもの、防毒面など特殊材料を使用したものも含まれているので、広範な知識と技術が要求されます。靴類は被服のうちなので、靴工兵を指揮下に入れます。絲・釦・布地など材料、鋏・針・ミシンなど縫工用具類の補充と保管もこなします。技術作業のみに責任を負い、經理事務には關與しません。

【縫工手】
中隊ごとに一人おり、縫工場に出勤してきては、實際の修繕・加工作業を行います。難しい作業は自ら行い、簡易な作業は縫工卒を指導し、大量に能率よくこなせるように工程を組立てます。
【縫工卒】
各中隊から特業で縫工を命ぜられた二等卒12名が縫工場に出勤してきて、作業をします。一等卒12名は經理學校の衣糧術練習所に縫工手となる為の教育を受けにいって留守です。歸ってくると現役満期で除隊する縫工手の後がまに座ります。手が足りない時は、地方(民間)から臨時に作業員を雇い入れます。たいてい近所の婦女子と相場が決っていますので、縫工場は兵營には似合わない柔らかな雰囲氣が常に漂っています。


【靴工長】
被服工場の靴工場で、靴の修繕・加工作業を計畫・監督し、靴工手・靴工卒の教育もします。徒歩部隊では、靴の消耗が激しく、常に補修作業が山積みとなっています。古い編上靴は、營内靴という短靴に加工し、それも古くなると、上靴というスリッパに加工して使います。この加工作業も大仕事です。革帯や彈藥盒など皮革製品も守備範囲です。加工用具類の補充と保管もこなします。技術作業のみに責任を負い、經理事務には關與しません。靴工長は靴・皮革製品が擔任なので、被服全般に責任を負う縫工長の指揮下に入ります。

【靴工手】
中隊ごとに一人おり、靴工場に出勤してきては、實際の修繕・加工作業を行います。難しい作業は自ら行い、簡易な作業は靴工卒を指導し、大量に能率よくこなせるように工程を組立てます。
【靴工卒】
各中隊から特業で靴工を命ぜられた二等卒12名が靴工場に出勤してきて、作業をします。一等卒12名は經理學校の衣糧術練習所に靴工手となる為の教育を受けにいって留守です。歸ってくると現役満期で除隊する靴工手の後がまに座ります。


☆兵器室 → top

【兵器委員首座】(少佐)
聯隊長の命を承け、兵器業務を監督します。
1 兵器の檢査・保管・出納
2 兵器の經理事務
3 工場の監視
4 兵器部工長・工手・工卒の教育を監督
5 兵器の改良・試用

【兵器委員】(兵器技手、中尉)
兵器委員首座の命を承け、兵器・車輛・獸醫の各掛に分れ(首座が掛の設定をするので、掛の構成は聯隊により、また同一聯隊でも時代により異なる)、兵器業務を實施します。

【兵器委員助手】(上等工長、軍曹、上等兵)
中隊より輪番で軍曹・上等兵が出向き、兵器委員の事務を補助します。

【倉庫要員】(軍曹、上等兵)
兵器庫・彈藥庫・車廠・油脂庫には、各々監守長(軍曹)と助手(上等兵)を配置し、兵器の監守と整理にあたります。収納品の點檢や手入は、各中隊から手すきの兵隊を集めて手傳せます。
兵器庫には、演習出場及び動員に際して配布するべき兵器を備蓄してあります。グリースを塗った火器類が約6箇大隊分収納されており、動員令が下されると聯隊で編成する戰時部隊に配布されます。
彈藥庫は頑丈な煉瓦建で、兵營内の端に、土手で囲んであります。風紀衛兵に属する歩哨が日夜巡回警備しています。
車廠は、自働車から装甲車・歩兵戰車まで、車輛は何でも収納してあります。給油・整備、簡な修繕・加工ができる設備があります。
附属の油脂庫には、自働車燃料が備蓄されており、ここも歩哨が警備しています。

【獸醫】(二等獸醫)
自働車化された部隊にも馬匹はまだ存在しており、将校の乗馬用・輸送補助用として活用されています。また軍用犬や傳書鳩も飼っています。高価な軍用動物は、日頃から獸醫による衛生と治療により健康を維持しており、兵卒よりも大切に扱われます。
獸醫は厩・犬舎・鳩舎の衛生を維持し、蹄鐵工長・蹄鐵手・蹄鐵工卒を指揮して身體檢査・装蹄・去勢・投藥・豫防接種・給養檢査など、衛生管理をします。傷病動物は獸醫務室の診療所で診断し、重症動物は病馬厩・隔離厩に入れ、療養生活をさせます。将校の私物である馬匹も治療を受けられます。獸醫は兵器委員でもあり、軍用動物の購買・受入・拂下など一切の事務を擔當します。故障ないし老齢となった動物は、愛着を持っている兵士の士氣を考慮して、拂下や處分はせずに廢兵院の牧場に送り飼養するのが慣例です。

【獸醫助手】(一等蹄鐵工長)
獸醫務室にて獸醫を補助して、實務全般を取仕切り、蹄鐵工手・蹄鐵工卒の教育もします。
蹄鐵工場は、他部隊と隣合っていれば、完全乗馬部隊以外では馬匹數が僅少なので、共用で済ませます。
【蹄鐵工手】
部隊に3人おり、馬の装蹄のほか、軍用動物の治療など獸醫務なら何でもこなします。
【蹄鐵工卒】
大隊に1人の割で選抜され、蹄鐵術(獸醫務を含む)の修業をします。2年兵になると蹄鐵工手となります。
【軍犬手】
犬舎にいて、軍用犬の訓練と飼育、軍犬卒の教育をします。歩哨や捜索隊に軍犬を貸しだす時は取扱方について簡な訓練を施します。しかし、たいていは自ら愛犬を伴って出動してしまいます。
【軍犬卒】
各大隊より1人が選抜され、軍犬術の修業をします。
【傳鳩手】
鳩舎にいて、軍用傳書鳩の訓練と飼育、傳鳩卒の教育をします。
【傳鳩卒】
各大隊より1人が選抜され、傳鳩術の修業をします。


☆将校集會所 → top

【将校集會所委員首座】(少佐)
聯隊長の命を承け、将校集會所の運營業務を監督します。
【将校集會所委員】(大尉)
将校集會所委員首座の命を承け、将校集會所を切盛りします。
将校集會所は、俗称を「将校倶樂部」と云い、聯隊の全将校准士官が毎日集まって晝食を共にし、また種々の會合を催す館で、聯隊の訪問者や應召将校准士官のための宿泊室も備えています。
【将校集會所委員助手】(准尉、上等兵)
中隊より輪番で准尉・上等兵が出向き、将校集會所委員の事務を補助します。
【私傭給仕長、私傭給仕、私傭掃除夫】(軍属)
食堂・喫煙室・遊戯室・宿泊室を管理し、将校准士官及び宿泊者の世話をします。軍人ではなく、将校集會所の基金で民間人を雇入れます。
【二等炊事長、炊事手、私傭廚夫】
廚房・浴場を管理し、食事を調理します。廚夫は下働きをしますが、軍人ではなく、将校集會所の基金で民間人を雇入れます。
【私傭酒蔵番】(軍属)
将校集會所の基金で購入した高価な酒類を酒蔵に保管し、その出納をします。将校集會所の基金で民間人の酒蔵番有資格者を雇入れます。
【傳令、從卒、馬卒】
控室には将校准士官に附き随っている兵卒が待機しています。
傳令は将校集會所委員助手の配下にある當番で、中隊から輪番で派出されてきます。委員の命を承け聯隊本部との聯絡にあたります。
從卒は将校准士官が私費で雇う雑卒で、身邊の世話を焼きます。お金の餘裕の無い将校准士官は從卒がいないこともあります。主人が勤務中の時は、別命ない限りは各中隊の雑卒控室(中隊附将校准士官の場合)或いは集會所の控室(聯隊・大隊本部勤務将校准士官の場合)で待機しています。

馬卒は乗馬本分の将校准士官に官費で附く雑卒で、乗馬の轡取乃至乗用車の操縦をし、乗馬・乗用車の整備もします。集會所附属の厩乃至車庫で乗馬乃至乗用車の整備と監守に當ります
【庭番】(私傭軍属)
将校集會所の基金で雇入れる庭番です。集會所の庭園管理をします。


☆下士集集會所 → top

【下士集會所監督将校】(少佐ないし大尉)
聯隊長の命を承け、下士集會所の運營業務を監督します。
【下士集會所委員】(曹長)
下士集會所監督将校の命を承け、下士集會所を切盛りします。
俗称「下士集」は下士専用の酒保です。兵用酒保の2階にあり、食堂・賣店・娯樂室を備えています。聯隊の全下士が毎週1回集まって晝食を共にし、また種々の會合を催します。休憩や喫茶にも利用されます。
【下士集會所委員助手】(軍曹、上等兵)
中隊より輪番で軍曹・上等兵が出向き、下士集會所委員の事務を補助します。
【私傭給仕長、私傭給仕】(軍属)
食堂を管理し、食事の配膳をします。下士集會所の基金で民間人を雇入れます。
【私傭廚夫長、私傭廚夫】(軍属)
食事と喫茶の調理をします。下士集會所の基金で民間人の料理人を雇入れます。
【酒保商人手代、賣子】(軍属)
酒保商人が下士集専用の賣店を出しているので、手代はそこの店を切盛りします。

↓下士集會所(酒保の二階)


☆酒保 → top

【酒保委員首座】(少佐ないし大尉)
聯隊長の命を承け、酒保の運營業務を監督します。
【酒保委員】(大尉ないし中尉)
酒保委員首座の命を承け、酒保を切盛りします。
酒保は、聯隊の全兵卒の為の賣店で、私物用の日用品から菓子飲料までが揃う雑貨屋兼喫茶店のような所です。
【酒保委員助手】(准尉、上等兵)
中隊より輪番で准尉・上等兵が出向き、酒保委員の事務を補助します。
【酒保商人、酒保商人手代、賣子】(軍属)
酒保の賣店は商人に運營を委託しています。品揃には酒保委員の承認が要ります。利潤は一部を酒保の基金に入れ、残りは酒保商人の懐に入ります。手代と賣子は商人が雇入れた者で、給料も商人から出ます。
【散髪親方・職人・徒弟】(軍属)
酒保には散髪所もあり、割安で整髪が頼めます。親方は酒保商人と同格です。
【洗濯親方・職人・徒弟】(軍属)
酒保附属の洗濯屋が開業しています。親方は酒保商人と同格です。洗濯代は高いので専ら志願兵や士官候補生、營内居住下士が利用します。

↓酒保


☆基金 → top

【共有金保管委員首座】(少佐ないし大尉)
聯隊長の命を承け、諸基金の保管出納業務を監督します。
【共有金保管委員】(輔祭)
共有金保管委員首座の命を承け、諸基金の保管出納を實行します。
諸基金には、将校集會所基金、下士集會所基金、などがあります。メンバーが會費を出して、積立をします。會合や慶弔、諸補助金に支出します。
【共有金保管委員助手】(准尉、上等兵)
中隊より輪番で准尉・上等兵が出向き、共有金保管委員の事務を補助します。


☆文庫 → top

【文庫委員首座】(輔祭長)
聯隊長の命を承け、文庫の運營業務を監督します。
【文庫委員】(輔祭)
文庫委員首座の命を承け、文庫を切盛りします。
文庫は、聯隊の将校准士官用圖書館です。
【文庫委員助手】(准尉、上等兵)
中隊より輪番で准尉・上等兵が出向き、文庫委員の事務を補助します。


【高級軍醫】(一等軍醫)
聯隊の軍醫部員を率い、衛生・治療・部員の教育を行います。衛戍病院の高級醫員も兼務します。僻遠の地では四等衛戍病院長乃至衛戍分院長を兼務します。
【軍醫】(二等軍醫)
大隊附です。隊員の傷病診断治療に當ります。衛戍病院の醫員も兼務します。
【看護長、看護手、看護卒】
當番が事務室・診断室・治療室・藥室(隣接衛戍病院藥局ある時は設けず)・休養室・隔離室に分れて勤務し、傷病兵の診断補助・看護・調劑に任じます。其の他は衛戍病院に出向いて勤務します。
看護長と看護手は軍醫部員ですが、看護卒は歩兵科の特業兵で、看護手候補者です。
【輔祭長】
聯隊の教會を主宰し、祈祷を司ります。輔祭以下の宗務部員を監督指導し、鼓手・聖歌手の為の小學校業餘補習科課程主事を兼ねます。
【輔祭】
大隊附です。大隊の下士卒の留守家族を保護する為出身教區の輔祭と聯絡を取り、兵役が原因で家族が貧窮しないように手配します。
兵卒の書翰を檢閲し、發受信の許可を與えます。
聯隊の祈祷に於いては輔祭長を助け、また鼓手・聖歌手の教育を分擔します。
【從者長、從者】(軍属)
會堂の管理をし、輔祭の事務を補助します。
【聖歌手】
小學校尋常科を卒業した10歳の孤児が志願して入隊すると聖歌手となります。
祈祷の際に聖歌を唱和し、また輔祭の司式を補助します。午前中は輔祭より教會で小學校高等科相當の授業を受け、午後は會堂の雑用に從事します。隊列に在っては笛手として軍樂を奏します。
14歳になった1月1日からは鼓手として宗務部から歩兵科に移り、中隊の一員となります。
☆大隊本部 → top

【大隊長】(少佐)

(擔任業務)
1 大隊の統率
2 大隊戰力の充實、出戰準備
3 軍紀振作、風紀粛清、教育訓練
4 人事、賞罰休暇附與
5 大隊諸般業務統理

【大隊副官】(中尉)
大隊本部を取締り、大隊事務室を主宰します。
(擔任業務)
1 命令・諸達・通報・報告など文書の起案・發送・受領・傳達
2 大隊歴史の起草
3 圖書類の受領・分配・印刷
4 公務運賃割引證・下士兵旅客運賃割引證乗船證の發行
5 印章保管、公用證・外出證・營外居住證・門鑑・郵便切手葉書の保管出納

【大隊軍旗曹長】(曹長)
大隊旗を捧持し、之れを守護します。また大隊副官の事務を補助します。

【大隊本部書記】(曹長2)
大隊副官の命を承け、分擔業務に服します。
(擔任業務)
1 文書の發送・受領、其の他一般の庶務
2 定例に依る諸記録の記入・報告・通報等の調製、書類の浄寫・校正
3 大隊本部圖書・文書(機密圖書文書を除く)の整理・保管・改訂・加除
4 大隊本部の營繕、練習用具・陣營具・陣營雑品・事務消耗品・其の他備附諸物品の監守
5 大隊本部當番の勤惰監督、火元取締

【大隊喇叭長】(伍長)
大隊副官の命を承け、大隊本部の事務を補助します。また聯隊喇叭長を補助し、喇叭手・同修業者の教育に從事します。


☆中隊 → top

【中隊長】(大尉)
通常は「隊長殿」と呼ばれます。
(擔任業務)
1 中隊の統率
2 中隊戰力の充實、出戰準備
3 軍紀振作、風紀粛清、教育訓練
4 團結の中心
5 人事、賞罰休暇附與
5 中隊諸般業務統理
6 中隊幹部の教育
7 下士候補者の獲得
8 内務班の編成

【中隊附将校】
中隊長を輔翼して教育訓練に任じます。一般に次のような分擔をとります。中少尉はその任務の為、通常は「教官殿」と下士卒から呼ばれます。上位者からは階級名で「中尉」「少尉」と呼ばれます。
中尉: 古参兵・一年志願兵・士官候補生の教育
少尉: 初年兵の教育
准尉: 部隊本部に於ける事務
少尉補: 同上

【中隊人事掛特務曹長】(特務曹長)
中隊下士卒の人事を扱い、中隊内務を監督します。
(日常業務)
1 内務に關する中隊長の命令・意圖の徹底、諸規定の實施監督
2 下士卒の人事・賞罰・休暇等に関する意見上申
3 兵の身元調査を為し、父兄其の他外部との聯携に勉める。
4 兵の性質・技能・心身の状態・交友關係・通信等、個人の實情を審らかにする。
5 兵の行状・勤惰・諸規定の實施を監督する。
6 馬匹の性質・能力を審らかにし、その保育に注意し、週番下士をして装蹄の手續を為さしむ。
7 車輛の性能を審らかにし、その整備に注意し、週番下士をして修繕の手續を為さしむ。
8 下士卒・馬匹・車輛の勤務割
9 教育・人事・賞罰・休暇・馬匹・車輛に關する事務
10 公用證・外出證の保管出納を掌り、退營の際之れを週番士官に依託する。

【中隊給養掛曹長】(曹長)
命令の受領・傳達・經理事務(兵器掛下士の分擔以外)を擔任します。
(日常業務)
1 會報に出席し、命令・通報等を受領し、これを傳達する。
2 金銭・給與・營繕に關する事務
3 被服・同雑品・同消耗品の監守
4 糧秣に關する事務(食需・給飼傳票の發行以外)
5 練習用具・演習材料・陣營具・同雑品・事務用品・演習用消耗品、其の他内務班に属せざる備附諸物品の監守
(中隊長は練習用具・演習材料の一部もしくは全部を兵器掛下士をして監守せしむることを得)
6 圖書・文書の整理・保管・訂正・加除
7 定例による諸記録の記入、報告・通報等の調製、其の他一般の庶務

【中隊兵器掛下士】(軍曹)
兵器勤務・射撃に關する事務を扱います。
1 兵器の受領配當返納
2 演習用彈藥の受領・残彈打殻薬莢の返納
3 内務班に属せざる兵器の保存手入整理
4 毀損亡失兵器の修理補充
5 其他兵器勤務一般事務
6 射撃に關する書類整理

【分課下士】(軍曹)
給養掛は業務繁多の為、手すきの下士をして業務の一部を分擔させます。人事・給養・兵器の各掛は「中隊附諸官」ですが、「分課下士」は、給養掛の臨時手傳と云うべき立場です。
被服掛(軍曹): 被服・同雑品・同消耗品の監守・整理・出納
陣營具掛(伍長): 練習用具・演習材料・陣營具・同雑品・事務用品・演習用消耗品、其の他内務班に属せざる備附諸物品の監守・整理・出納
【助手】(上等兵)
教官と各掛には助手がつきます。
教官助手: 射撃や銃劍術に優れた上等兵が、交代で教官の助手として教練に出場し、模範動作をやって見せたり、細かい指導をしたりします。
人事掛助手: 人事掛特務曹長の助手として、事務室で働きます。名簿など各種書類の校正・清書や不寝番の勤務割の作成など、書記の仕事をします。字が上手く、頭も回らなければなりません。
給養掛助手: 給養掛曹長の助手として、事務室で働きます。傳票整理や十日毎の給料支給など經理の仕事をします。計算が巧くなければなりません。
兵器掛助手: 兵器掛軍曹の助手として、兵器庫で働きます。中隊の兵器(個人貸与を除く)を整理整頓手入し、部隊兵器庫から必要な兵器彈藥を受領返納し中隊にて交附回収します。また兵器使用記録を整理します。
被服掛助手: 被服掛軍曹の助手として、被服庫で働きます。中隊の豫備被服を整理整頓し、部隊被服庫から必要な被服を受領返納し中隊にて交附回収します。また被服の修繕・手入の面倒を見ます。
陣營具掛助手: 陣營具掛下士の助手として働きますが、陣營具庫には天幕や豫備の寝臺・椅子机・其の他備品の類が積んであるだけで、秋季演習や動員時以外には餘り仕事はありません。


☆内務班(30名内外)  → top

【内務班長】(軍曹)
(日常業務)
1 點呼の際は、週番下士臨場のもとに、班の人員ならびに其の状況を檢査する。通常此の前後に於いて命令を傳達する。
2 兵器・被服・其の他給與品の支給・修理・交換・返納に關する手續を為し、其の保存手入を監督する。
3 火砲・車輛等の手入、馬匹の飼方手入を指導監督する。
4 班員の言語姿勢服装動作に注意し、常に正しくこれを行わしむ。
5 班員の志氣振作、食事入浴睡眠等に留意し疲労恢復を速やかならしむる。
6 衛生に注意し、患者を生じたる時は、通常日朝點呼の際、病馬を生じたる時は通常朝手入後、週番下士に通報する。装蹄に關し人事掛特務曹長に意見を具申する。
7 物品の紛失拾得其他自己届出ある時は速やかに人事掛特務曹長に報告し且週番下士に報告す。 8 兵舎・厩・車廠・其の他班に属する場所の清潔整頓を監視し、備附諸物品の監守に任ず。
9 班内の火元取締燈火管制取締。

【内務班附下士】(伍長2)
内務班長を補佐する。初年兵掛教官の助教として教練に出場している事が多く、あまり内務には關輿しません。

【初年兵掛】(上等兵)
初年兵の衣食住起居動作の全般に亙って内務教育をする上等兵です。伍長勤務に次ぐ模範的な二年兵がなります。

【二年兵】
入營二年目の兵隊です。以降、入營から數えて在隊何年目(年次)によって、何年兵と呼んでいきます。3年いると「三年兵」です。下士になると、もう「何年兵」の呼び方はしません。2年兵役制なので、原則として「二年兵」までしか居ませんが、ひょっとすると陸軍監獄から出た古い兵隊が、残りの兵役期間を勤め上げなければならないので兵營に戻ってきて、夫れが入獄期間を含めて「三年兵」や「四年兵」である場合があります。應召の豫後備兵や補充兵は年次では呼びません。年次を明らかにしたい時は、「何年徴集兵」と云いますが、呼びかけ名としては使用しません。
全部を總称する時は「二年兵」「故(古)参兵」、二年目で未だ上等兵になっていない者を呼ぶ時は「古兵」(故参兵の意味)と呼びます。上等兵や伍長勤務上等兵(略して「伍長勤務」「伍勤」)」は、「上等兵」と呼び、決して「古兵」とは云いません。
年次が下の者が上の年次の者を呼ぶ時は、「殿」を付けます。例えば、「二年兵殿」「三年兵殿」「古兵殿」「上等兵殿」、伍勤も「上等兵殿」です。
二年兵は既教育で教練の必要がないので、それぞれ聯隊の仕事に就きます。優秀な上等兵は初年兵掛、教官助手、事務室各掛の助手などに任命されます。初年兵の時に既に特業を持っている者は、その道に進み、上等兵相當の斥候手、傳令手、信號手、喇叭手、傳鳩手、軍犬手などになります。あるいは兵科から離れて各部員に轉じます。(上等兵相當の看護手、炊事手、計手、工手)

【初年兵】
入營1年未満の新兵です。軍隊用語では、第1回目のことを「一(いち)」ではなく「初(しょ)」と云います。(その他に階級用語では、最上級を「高級」、その次を「次級」、一番上の等級を「上等」、一番席次が上のことを「最右翼」または「先任」と云います。從って原語の「privat 1a klas; private 1st class」は「一等兵」ではなく「上等兵」となります。)
全員が二等卒で、最初の三ヶ月は腕に目立つ「未訓練兵」の印を附けています。一人前の兵隊としての知識も技術も無いので要注意と云う意味です。部隊によっては胸に中隊・班名と姓を記した名札を縫付けていることもあります。
呼び方は、總称する時は「初年兵」で、特に入營三ヶ月未満を「新兵」と呼ぶ事があります。個別に呼ぶ時は、姓を呼捨てにします。
最初の三ヶ月は、各箇教練から小隊教練までです。徒手教練(不動の姿勢「氣ヲ著ケ」、敬禮の仕方、休憩の姿勢「休メ」、方向転換「右向ケ右」「左向ケ左」「回レ右」、行進「前へ進メ」「歩調取レ」「歩調止メ」「止レ」などの行進)から、執銃教練(銃を持った動作)、射撃術、銃剣術を初年兵教育掛の「教官」(少尉)が教えます。「助教」は内務班長や班附の軍曹・伍長が兼任し、「助手」に上等兵が數名います。上等兵は必要に應じて模範動作を示します。最後に聯隊長の目の前で實演してみせて訓練の出来具合を檢閲してもらいます。これを「一期の檢閲」と云い、初年兵の成績が決まります。誰を上等兵にするかは、銃剣術と射撃術の成績で決まりますが、學科(典範令の理解)もよくなくてはなりません。さらに内務班での各人の日常生活を班長・班附・初年兵掛上等兵が觀察していて、よく陰日向無く働く眞面目で勤勉な人物であるかも重要なポイントになります。
四ヶ月目から、上等兵候補者が決定して、候補者だけを集めて特別訓練が始まります。早朝や休憩時間を潰して銃剣術や學科の猛訓練をします。また衛兵勤務に就きます。この勤務に失敗すると上等兵候補から外れてしまいます。中隊の初年兵は春から秋にかけて、中隊教練、大隊教練、聯隊教練と進み、晩秋11月に秋季演習として聯隊対抗模擬戰をやります。聯隊は完全武装で敵を求めて何日も行軍し、豫定戰場で遭遇戰を演じます。この強行軍で落伍すると、やはり上等兵にはなれません。
十二月が来て、二年兵が歸休(經費節減のため一ヶ月ほど早めに除隊させて自宅待機としてしまう)すると、初年兵から上等兵に進級する者がでます。これを「一選抜の上等兵」と云い、「一選抜」と聞くだけで折紙附の優秀者とされます。二年兵の上等兵が抜けた後の仕事を引継ぎます。除隊下士が豫定外に出て缺員補充が不足する場合は、上等兵の中から優秀な者を伍長勤務にして穴を埋めます。一月になって、更に上等兵への進級者が増え、残った者も全員が一等卒に進級します。
特業兵は一期の檢閲が終った時に、人事掛特務曹長が決めてしまいます。斥候卒、傳令卒、喇叭卒、炊事卒、看護卒、信號卒、暗號卒、軍犬卒、傳鳩卒、工卒などです。それぞれ隊内で初歩の實技を習得した後、實施學校の術科練習所に派遣され、特別の技能訓練を受けて歸隊します。炊事・看護は二年兵の時に確實に上等兵相當になれます。

銃劍術の教練

學科

【鼓手】
輔祭附の聖歌手は、14歳に達する年の1月1日に鼓手になります。
1 中隊整列の折には列外にあって、軍鼓を奏す。
2 風紀衛兵上番の折には衛兵所に詰め、衛兵司令の命令に依り、若しくは禮式令の規程に依り、軍鼓を奏す。
3 通常は中隊雑卒控室に位置し、中隊人事掛特務曹長の命を承け事務を補助する。
4 聯隊附輔祭長および大隊附輔祭のもとで、小學校高等科の課程を修める事を日課とする。
5 聯隊本部に鼓手内務班を置き、聯隊喇叭長をして班長とし、大隊喇叭長をして班附下士とする。軍鼓術の教育は喇叭長が行う。

【從卒】(私傭雑卒)
懐具合の豊かな貴族・資産家出身の将校准士官が私費で雇う雑卒で、身の回りの世話をみる從僕です。聯隊により将校全員が從卒を雇っていたり、あるいは全く從卒がいなかったりします。
1 中隊整列の折には行李に位置し、将校の私物運搬に任ず。
2 通常は中隊雑卒控室に位置し、中隊人事掛特務曹長監督のもとに、附将校の雑役に從事する。
3 将校に伴い退營し、その宿舎にて雑役に從事する事を得。
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