外地護郷軍 ― 土民兵 ―
→外地とは
護郷軍は現地正規軍司令官の指揮下に入り聯合共和國の現地人傭兵部隊として運用されます。ひとつの地方行政單位(州・道)に1箇歩兵聯隊(12箇中隊編成及補充隊)が置かれ、舊東方帝國領に13箇、リゾネシア王國に7箇が編成されています。衛戍地の補充隊が新兵教育と警備を擔任し、本隊は常に外國に派遣されています。
志願制ですが兵卒の缺員はありません。給料待遇は正規軍と同じです。海外派遣となった場合は倍額となり、5年間在隊すれば聯合共和國籍を取得でき(妻子も自動的に内地國籍となる)、内地語を或る程度習得できますから、地方での變化に乏しい赤貧洗うが如き希望の無い暮しから抜出したい若者が競って入隊するからです。再役して更に十二年在隊すれば最低限食べていけるだけの年金も附くので命を失う危險を別にすれば好条件なのです。
除隊兵で内地に移住する者は餘りありません。移住したとしても餘所者を蔑視する傾向の強い保守的な内地の農村部に這入込む餘地が無いので、勢い都市部や鑛山地帯で未熟練勞働者として働く事になります。其の様な苦勞をするよりも外地の故郷で内地人國籍を有効に利用して有利な職業に就く方が何かと樂なので、各保護國には護郷軍除隊兵による侮り難い階層が形成されています。子弟は總督府の設ける内地人用の小學校で無償の義務教育を受けられ更に學資と能力があれば上級の學校に進學できます。標準語を習得し有利な職業に就けます。
【部隊配置】 →top
現地護郷軍の各聯隊は衛戍地に補充隊を置き、新兵の教育訓練をします。また地方に分遣隊を出して官衙・銀行・工場・市場・大農場など主要施設の警備を請負います。商工業の盛んな州では、隊の収入が良く隊員は衣食住に恵まれますから定員充足率も高くなります。
【派遣】 → top
各聯隊の本隊は西比利亜に派遣され、極東共和國駐留兵力の中核として赤軍と對峙してゐます。歐州大戰では聯合國側の舊北帝國に属していた東方土民軍が歐州西部戰線に派遣され多大な損害をものともせず奮戰しました。引續き露西亜内戰に於いて白色政權の援護に大きな貢献をしました。コルチャーク軍が大金塊と共にオムスクからチタに無事撤退できたのは舊北帝國軍東方土民部隊の大兵力が赤軍を排除して撤退路を開いたからでした。
【幹部】 → top
下士卒は現地人で占められていますが、将校は特別進級者や准士官を除き内地人です。現地の總督府が現地人部隊の叛亂が起こるのを懼れて現地人向けの士官學校を設けないからです。また外地護郷軍の置かれている諸保護國では武人の地位が低く、讀み書きの出来る人は文官を目指すので優秀な人材は軍人になろうと云う意思が全くありません。外地には徴兵制度が無いので豫備士官の養成も行われていません。内地人将校は諸手當を入れると正規軍や内地護郷軍に較べて俸給が良い(正規軍の外地在勤手當並が加算される)ので志願者に事缺きません。
【軍紀】 →top
外地護郷軍は正規軍と同じ軍法に服します。然し戰場での行動は餘り評判が良くなく、掠奪陵辱放火虐殺で悪名高い部隊もあります。捕虜は取らずに其の場で虐殺するので敵も現地兵と見れば同じく報復します。